[遊びながら学ぼ]カタカナ探し 仲宗根泰向君(小学2年)・奈都子さん親子

書き写して仲間分け

「いっぱいあるね」。母親の奈都子さんと片仮名を探す仲宗根泰向君

 カタカナを見つけよう! 西原町立西原東小学校2年生の仲宗根泰向(たいが)君(8)と母親の奈都子(なつこ)さん(40)が本紙の子ども新聞ワラビーから片仮名を探す取り組みに挑戦しました。蛍光ペンで印を付けたあとは付せん紙に書き写して、外国から来た言葉、物音などに仲間分けします。

 

 

 

 

 泰向君 ギター、ダンス、バイリンガル…ドラえもん!
 奈都子さん いいの? これ。それにしても1ページの中にたくさんあるね。
 泰向君 59個ある。あっ、まだある60、61…。
 奈都子さん 仲間分けしようか。ニューヨークって何?
 泰向君 都市の名前だ!
 奈都子さん 外国は?
 優音君 迅音! これは?
 泰向君 アメリカ、カナダ、フランス、イギリス、フィンランド、中国、韓国…。
 奈都子さん すごいな。じゃあ意味を辞典で調べてみようね。「デビュー」は?
 泰向君 「初登場」って。
 奈都子さん 「カーン」は、どんな感じ?
 泰向君 バットでボールを打ったりする音。
 奈都子さん 一緒に意味を考えられるっていいね。
 泰向君 またあった。
 奈都子さん 何探したの?
 泰向君 今度は英語! HAPPY SMILE。
 奈都子さん すごーい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 使用したワークシート「仲間のカタカナさがし」はこちらからダウンロードできます。

 「遊びながら学ぼ」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」ページで連載します。

[実践 わたしの活用術](4)記事の読み解き 写真から(小学6年・社会)

遊び場から政治に導く 地元の戦後復興たどる

記事の読み解き 写真から

コザ小学校 神山英先生

対象 小学6年生
教科 社会
指導時間 1時間

【授業の様子】
 「英語の看板が多い」「車が右側」。6年2組の子どもたちが、配られた写真を読み取っていた。「ここはどこ?」。神山英(すぐる)先生が問いかける。「アメリカ。違うな…」「あっ、沖縄」「復帰前みたい」。写真に映し出された情報を分析していく。
  ある子が英語の看板の下にあった岩に気付いた。「この石、今もある!」「あ、そうだ。あるよこれ」「この写真は八重島?」「そうなの?」。教室が沸いた。子どもの関心が一気に高まっていく。
 政治と暮らしのかかわりを学ぶ授業。子どもたちが遊び場にしている八重島公園をテーマに据え、身近なところから関心を引き出すねらいだ。
 次に配られたのが1974年の「基地の落とし子 八重島を訪ねる」という本紙のルポ。廃れた歓楽街の様子と再開発に期待する住民の声を紹介している。
 「なんでアメリカ人がいっぱいいるの?」「戦争で負けて占領されたから」「記事に載ってた人は何を期待しているのかな?」「新しい街づくり!」。教員と子どもとの活発なやりとりが続いた。
 神山先生は「沖縄市は基地の街。それだけに政治の役割を戦後の復興とつなげて考えてもらいたい」と授業の意図を説明した。

【授業の手順】
(1)目当てを確認する
 「写真や新聞記事から○○○の当時の様子や住民の願いを調べよう」という目当てを確認。地名は伏せておく。
(2)写真を読み取る
 史料写真を一人一人に配布。4、5人で話し合ってもらいながら写真から当時の様子を考えさせる。グループごとに黒板に書き出させる。
(3)記事を読む
 新聞記事を配る。見出しを読み上げ、どんな記事か想像させる。記事を自由に読んでもらい、気になるところに印を付けさせる。末尾の住民の声を記した部分を読み上げ、住民の願いを知る。
(4)学校周辺の写真を見せる
 過去の学校周辺の航空写真を見せ、学校に隣接した農業試験場の場所に現在何があるかを考えさせる。

 

【ねらいとポイント】

コザ小学校 神山英先生

■ねらい
 子どもたちが遊び場にしている八重島公園をテーマにすることで「政治と暮らし」という単元への関心を持たせようと工夫しました。
 直前に終えた日本の戦後復興を学ぶ単元とのつながりを持たせました。戦後の地域の歩みを通じて政治の役割を考えてもらいます。次回の授業で、八重島公園や沖縄市民会館に触れます。
■ポイント
 記事を読ませる前に史料写真を見せて想像をふくらませてもらいました。記事が長いルポ形式で文字も小さかったため、子どもには難しいと思ったのですが、それなりに内容を読み取っていました。
 記事に登場する住民の談話は単元の中心部分だったので、抜粋・拡大して配布すれば良かったと思います。新聞記事の提供は、新聞社に協力してもらいました。

過去記事探せます
 1997年以降の沖縄タイムスの記事はデータベース(有料)で検索、プリントできます。説明のページはこちら
 96年以前の記事は、読者センターに問い合わせフォームからご相談ください。

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教材づくりワークショップ 理論編と実例

 新聞紙面から教材をつくる教師向けのワークショップが1月19日、琉球新報社で開かれました。講師は日本新聞協会公認NIEアドバイザーの兼松力先生(大里中学校)。ワークショップの様子、参加者がつくった教材の実例を報告します。

新聞から教材をつくる教師たち

 
【自己紹介を兼ねたワークショップ】
1.同じ日の新聞を各自1部ずつ持ち、1面から社会面まで見出しだけを5分ほどで読む。
2.すべての記事から一番気になった記事を読み、グループの中で記事を紹介し、なぜ気になったのかをそれぞれ発表する。

【理論編(要約)】
1.進化するNIE
・新聞を授業に使うことは昔から行われてきた。
・かつては、例えば琉球史を教えるために関連する記事を印刷して配るというような「内容論」。
・新聞そのものは教材ではないので、授業の時期に使いたい記事がなかったり、教材にするのに「職人技」が必要。
・NIEとして注目されているのは、新聞をツール(道具)として使う「方法論」としての新聞活用。
・言語活動の充実が掲げられた。読解力・思考力・活用力・コミュニケーション能力を子どもたちに付けさせるツールとして新聞は使える。

2.紙面から教材をつくる
・素材としては記事(本文、見出し、写真など)、広告、投稿、4こま漫画などがある。
・この記事を使うとこんな思考場面が持てるぞ、こんな発問をしようと考えると教材化しやすい。
・例えば、さきほどのワークショップを授業でやると、記事を理解する「読解力」、なぜ気になるかを考える「思考力」、相手に伝わるように話す「コミュニケーション力」がつく。

3.教材づくりの2つの道筋
・○○を教えたいので、紙面から素材を探す
 長所…指導内容が具体化されているので、(素材があれば)見つけやすく、必要に迫られていることが多いので教材化しやすい。
 短所…必要な素材が見つかるとは限らない。普段の蓄積が必要。
・教材になりそうな素材を見つけて教材化。この記事で○○が教えられそう。
 長所…指導内容が限定されていないので、発想・アイデア次第で多くの教材が見つかる。蓄積していくことで様々な場面に対応できる。
 短所…センスやコツが必要。教師がアンテナを巡らせ、多様な発想が必要となる。ただし、これを磨くことで実践力の研鑽になる。

4.NIE教材の典型例
記事をそのものを読み物教材として使う
 資料として使う典型的なパターン。必要な記事を印刷して配布する。著作権法上も授業での印刷、配布は認められている。主に授業の導入、資料として配布される。
 発達段階によっては語句や表現が難しい場合もある。書かれている内容について理解、思考してほしくてもそこまでたどりつくのに時間がかかったりする。中学高校では思考や議論の前提となる資料として活用。「記事にあるように、私はこの意見に賛成。なぜなら….」と意見を主張するときの根拠に使ったりする。また複数の資料を資料を配布して、生徒に取捨選択させることも。
 発展型として、二つの記事を比較して、主張を読み比べたり、事実を深く認識できる。
 
記事をワークシートに添付して使う
 要旨や自分の意見を記入する欄を準備したワークシートに記事を添付する。ワークシート内に課題や発問を付けられるので独立した教材として利用しやすい。また、児童生徒が好みの記事を添付することで多様な学習場面に対応でき、学習課題として与えることもできる。
 また記事について友人や家族の意見(ファミリーフォーカスと呼ぶ)を記載させることで、道徳や学活の教材に利用できる。
 
記事を加工して教材にする
(1)一部の文字を隠して使う
 大見出し、小見出しを隠して、記事の内容から適切な見出しを考えさせる。要旨をまとめる国語力の育成、言葉使いのセンスを磨く。できた見出しを鑑賞しあうことでコミュニケーション能力も培われる。記事中のキーワードを隠して、内容からどんな言葉が隠れているか考えることもある。
(2)記事を段落ごとに切り分けて使う
 接続詞や文脈を手がかりに、段落ごとにバラバラにした記事を並べかえたり、段落ごとの関連性を整理して、文の構成を確認できる。国語の深い読解に使う。ただし一般記事は(結論が先にくる)独特な構成をしていることが多いので、コラムや社説が使いやすい。

紙面そのものを使う 特定の記事ではなく、一日の紙面丸ごと使う。
(1)新聞に慣れさせるために、その日の紙面のお気に入りの記事を発表させたり、漢字やカタカナ語探し、国名探しなど、紙面をめくりながら活字に目を通す練習をする。
(2)スクラップ(切り抜き)をさせる。情報の取捨選択を通して、指導内容に目を向けさせる。動物の記事を集める、地元の記事を集める、サッカーの記事を集めるといった個に応じた対応もできる。切り抜き新聞をつくる、図鑑をつくるなど目的をはっきりさせると生徒の活動が活発になる。

【ワークショップ】実際の紙面から個人で教材をつくりました。

<参加者の実例1>コラージュ写真に見出しを付ける(小学生)
 共通のコラージュ写真(複数の写真を組み合わせたもの)をワークシートに貼り、見出しを付けさせる。
(1)個々で写真を見て感じたことを書く
(2)先の設問ではたくさん言葉が出て拡散していくと思われるので、グループで「コラージュ写真を作った人が一番伝えたかったこと(たくさんの写真のうちで主役はどれか)」を考える。大きさや配置などを手がかりにする。
(3)それを元に個々で見出しをつける。

<参加者の実例2>部首ごとに漢字を集める(小学生)
 字の大きな見出しを使い、例えば「さんずい」など部首ごとに漢字を集める。習っていない漢字でも興味を持って読もうとするだろう。

<参加者の実例3>投書にアドバイス(中学生)
 「ペットを飼いたい」という小学生の投稿があったので、それを読んで、この子に先輩としてどんなことをアドバイスするか書く。
 
<参加者の実例4>熟語の仲間分け(小学生)
 記事から二字熟語を書き出し、意味を調べる。
 熟語には(1)似た意味の言葉の組み合わせ(2)反対の意味の言葉の組み合わせ(3)前の漢字が後ろの漢字を修飾—-という種類があることを説明し、仲間分けをする。
【この記事はサイトのみの掲載です】

ご入学おめでとう大会がありました

 4月に小学1年生になる子を対象にした「ご入学おめでとう大会」が20日、那覇市民会館でありました。立ち見も出るほどの盛況でした。
 NIE関係では、新聞ふれあいコーナーをつくって、自分の名前のひらがなを記事から探したり、ワラビー紙面をバラバラにしたものを元に戻す新聞パズルをしました。ワラビーとの記念撮影会も行列ができていました。
 おめでとう大会は26日(土)が名護市民会館、2月2日(土)がうるま市民芸術劇場で開かれます。ともに開場は午後1時、開演は午後1時半です。
 NIE紙面の紹介、家庭での活用法のチラシも配りました。こちらからPDFファイルをダウンロードできます。

島袋さんちのNIE (55)読み聞かせ/北海道米 売れ行き4倍

北海道のお米が大人気

でも生産量減らすって

 北海道が新たな「お米の産地」に? 島袋敦也君(14)、久仁人さん(49)親子は、日本の主食・米のニュースに注目しました。

北海道米 売れ行き4倍

■2013年1月15日9面 北海道産米「ゆめぴりか」「ななつぼし」の売れ行きが大幅に伸びている。味が高い評価を受け、ゆめぴりかの昨年の道外での売り上げは一昨年の約4倍。一方、減反政策によって道米全体の生産量は縮小傾向で、生産者は「飛ぶように売れているのに、増やせないのが残念」と漏らしている。

久仁人さん▶敦也、日本のお米の産地といえば何県?
敦也君▶新潟とか長野県だったっけ?
久仁人さん▶そうだな。東北地方が産地なんだけど、北海道のお米の人気が高くて、売れ行きが4倍とあるぞ。
敦也君▶北海道米の質がよくなっているみたいだね。東日本大震災の影響もあるんだ。だけど、記事には減反政策で生産量は縮小ってあるよ。
久仁人さん▶敦也、減反政策って何か分かるの?
敦也君▶国の政策で生産を調整したりするんでしょ。価格が一定になるようにとか。
久仁人さん▶そうだな。日本人の米消費量が減っていることも原因のようだよ。
敦也君▶お父さん、北海道のお米食べてみたくない?お母さんに話してみようか。

幸地さんちのNIE (54)スクラップ/「えと」 人々の暮らし変えた

ヘビは不死の象徴なの

巳年は脱皮で若返りだ

 幸地さんちで新年がにぎやかにスタートしました。幸地功哲君(10)と富代さん(42)は干支について楽しそうに話しています。

「えと」人の暮らし変えた

■2013年1月6日ワラビー8面

 2013年、巳(ヘビ)年がスタートしました。実はこのヘビ、いつまでも年を取らず、死なないことを願う「不老不死」のシンボルとされています。「さきがけ! 歴男塾(れきおじゅく)」の塾長ヒトッチこと賀数仁然(ひとさ)さんに、えとやヘビの歴史について教えてもらいました。


富代さん▶ヘビィー、ローテーション♪
功哲君▶なに歌ってるの? AKBでなくてヘビでしょ!
富代さん▶ヘビは不老不死のシンボルだって。
功哲君▶いいな~。お父さん、巳年(みどし)だ。脱皮して若返っているのか。
富代さん▶そうそう日焼けして皮がむけてるよね。脱皮だ。ははは!
功哲君▶僕は午(うま)年。昼の12時が馬だから「午年」って書くんだね。
富代さん▶「午の刻(こく)」といったら正午のことだね。
功哲君▶来年は十三祝い! 楽しみだな。
富代さん▶あと12年したら還暦(かんれき)になるお父さんを、成人した功哲が盛大にお祝いしてあげるんだよ。
功哲君▶また出世払いの話? 午(馬)は逃げ足が早いんだ~。