新聞活用実践に意欲 指定3小学校に認定書

山内県NIE推進協会長(前列左から2人目)から認定書を受ける安里禮子中原小校長(同3人目)=14日、うるま市宮里の同校

  NIE実践指定校の沖縄市立コザ小学校、同市立越来小学校、うるま市立中原小学校の3校に14日、日本新聞協会から認定書が交付された。県NIE推進協議会の山内彰会長、兼松力アドバイザー(大里中学校教諭)らが各校を訪れ、手渡した。

 11月3日の実践フォーラムで公開授業を行う中原小の安里禮子校長は「新聞をどう教材として使えばいいか分からない先生方は多いと思う。ほかの学校で行った授業例なども展示して参考になるフォーラムにしたい」と意欲を語った。山内会長は「保護者を巻き込める地域性がある。家庭での新聞活用を学校から地域に発信してほしい。支援したい」と激励した。

 沖縄市教委、うるま市教委、中頭教育事務所も訪ね、教員の研修にNIEを組み込むなど行政の支援を要請した。

 ほかに指定された沖縄アミークスインターナショナル(うるま市)、那覇市立小禄南小学校には後日交付される。

NIE実践指定校に認定書を交付

山内彰県NIE推進協議会長(左から2人目)から認定書を受ける越来小の久場明子校長(同3人目)

 8月14日、2012年度のNIE実践指定校のうち3校に日本新聞協会の認定書が手渡されました。沖縄県NIE推進協議会の山内彰会長、アドバイザーの兼松力教諭(大里中)と沖縄タイムス社、琉球新報社の担当者で出向きました。

 訪ねたのはコザ小学校、越来小学校、中原小学校。沖縄市教育委員会、うるま市教育委員会、県教育庁中頭教育事務所も訪ね、行政からの支援も要請しました。

 山内会長から各校長先生には「NIEで子どもを輝かせ、地域に学校の存在感を増してほしい。新聞社ともども協力したい」という趣旨の激励がありました。

 印象に残った先生方の言葉を紹介します。 

 「イエスorはい、でやります」「気張らないけど、頑張ります」

 ただでも忙しいお仕事に中に、新聞を教材にするという新しい課題が課せられるわけですが、前向きにとらえていただいている姿に頭が下がりました。

 行政への要請では、各種研修でNIE講座を取り入れるなどのアイディアが出ていました。今後のNIEの広がり、深まりを予感させる一日でした。

「知りたい」を大切に うるま・中原小で講演

【うるま】本紙記者を招いた職業教育講演と新聞スクラップ教室が17日、市立中原小学校(安里禮子校長)で開かれた。6年生120人を前に話した玉城淳記者は「記者は大人になっても勉強できる楽しい仕事。知りたいという気持ちを大切にしてほしい」と話した。
玉城記者は、旧具志川支局にいた1996年の石油精製所爆発事故で深夜、早朝にも取材した経験や、これまで担当した警察、スポーツ、経済、現在の芸能担当の仕事内容を説明。「担当によって取材する相手や中身は違うが、人に会って話を聞くのは同じ。記者になるには人に聞くのを恐れないこと」と話した。
講演後に玉城記者に質問した赤嶺和花(のどか)さんは「大変なこともあるけど、書いた記事が載るのが楽しいんだろうなと思った」と記者のやりがいに想像をめぐらせた。
クラスに分かれたスクラップ教室も開かれ、この日の新聞から興味ある記事を切り抜いて感想を話し合った。大城亜利美さんは「新聞にいろんな情報が載っていることが分かってよかった」と話した。

玉城記者(左)の話を聞く中原小学校の6年生=うるま市宮里

大きな見出し 大ニュース 本社記者、中原小で出前授業

 教育に新聞を活用するNIEの出前授業が28日、うるま市立中原小学校(安里禮子校長)であり、本社社会部の具志堅学記者と読者センターの安里努局員が新聞の仕組みや利点などについて5年生3学級の児童に説明した。「新聞を読むことで社会とつながってほしい」と強調した。
 具志堅記者は「見出しは記事を要約したもので、これを読めばニュースの肝心な部分は分かる」と話し、見出しや写真などの扱いの大きさが、ニュースの価値を表していると強調した。新聞の見開きいっぱいに写真を扱った興南高校の甲子園春夏連覇(2010年8月22日付)を報じる紙面を両手で広げて掲げると、児童から歓声が上がった。
 実際に新聞をめくって見出しだけを読む取り組みも行った。2組の宜保皓翔(あきと)君は「新聞をめくったら、いろいろな記事があって面白かった。興南の写真が大きく載っていた紙面はすごいと思った」と話した。
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 沖縄タイムス社では学校やPTAに記者を派遣し、新聞の読み方や活用法、写真など関連する技術講座を実施しています。問い合わせはメール、times-nie@okinawatimes.co.jp

新聞のしくみを学び、気になる記事を探す中原小の5年生たち=うるま市宮里

[NIE・実践しんぶん活用](7)北中城小学校・甲斐崇先生 記事を友達に紹介しよう スクラップを作る 「自分の意見」育てる

 

 

 

 

 

 

 

対象 小学校2年~ 教科

 国語・総合学習・生活科

 指導時間 1~2時間

【ねらい】

 新聞スクラップを通じて、ニュースに対して自分の考えを持つ力を養います。簡単に新聞の仕組みを説明します。低学年は新聞に慣れ親しむことも目的ですので2時間費やします。最後までページをめくることで「いろいろな情報が載っている」ことを学びます。

【ポイント】

 配る新聞は、古いものでもかまいません。足りなければ家庭から持ってきてもらいましょう。気になる記事や写真を選んでもらいます。広告などはなるべく選ばせないようにします。 低学年では内容を正確に把握するのは難しいかもしれません。見出しや写真を手がかりにして、大まかに理解できれば十分です。感想(思ったこと)から、意見(私はこうしたい)まで考えを深めさせたいと思います。これらは先生が書き方のお手本を示してください。児童が台紙に書き込む前に、付箋(ふせん)紙に下書きをさせてもいいですね。

【実践を終えて】

 児童は懸命に新聞をめくっていました。「難しいけど、いろいろ教えてもらって楽しかった」という声がありました。

授業の手順

(1時間目)

 (1)目当てを確認する 全員に新聞を1部ずつ配る。「お友達に選んだ記事を紹介しよう」と全体で確認する。

(2)新聞の仕組みを説明 「題字」「1面」「日付」「見出し」「写真」「本文」などは児童に問いかけながら説明する。

(3)新聞をめくる 5~10分程度で全ページの見出しや写真をチェックさせる。

(4)記事を選び切り抜く 気になった記事を選ばせて、切り抜いて台紙に貼ってもらう。

(2時間目)

 (1)記事を読む 目当てを確認して、台紙に貼った記事を読んでもらう。

 (2)選んだ理由を書く 書き方を例示し、選んだ理由を考え台紙に記入させる。

(3)友達に紹介する 机を向かい合わせて記事を紹介しながら選んだ理由を伝えさせる。できれば意見交換させる。数人の子に発表させるとなおいい。 ワークシートは下記からダウンロードできます。 スクラップ低学年用 スクラップ高学年用

[NIE・実践しんぶん活用](5)北中城小学校 甲斐崇先生 知らない言葉調べよう 新聞に慣れ親しむ 意味を読み解く力に

対象 小学校3年~
教科 国語・総合的な学習
指導時間 1時間

 

 

 

 

【ねらい】

「写真の人 何て言ってる?」「記事がバラバラ! 助けて」(11月1日付NIE特集)に続いて、新聞に慣れ親しむ取り組みです。「分からないことがあれば調べる」という習慣をつけると同時に、文脈から意味を推測して読み進める力をつけてもらいたいと思います。一人で新聞を読めるようになるきっかけづくりです。スクラップや意見発表などの実践へつなげます。

【ポイント】

あらかじめ台紙に新聞を貼り付けておきます。全員が同じ記事で学習するので印刷しておくと便利です。コメントを書き込む余白ができるよう30行程度の記事を選んでください。台紙には、新聞の名前、日付、ページ名を書き込ませてください。
ワラビーなどの子ども新聞を使えば低学年も活用できます。
記事の内容を把握させることが大事なので言葉の意味を調べさせることを優先しましょう。習っていない漢字の読み仮名を調べるのに時間がかかってしまうのなら、先生が教えてあげてもいいと思います。前もって読み仮名を書き込んでおくのも一つの方法です。
例に挙げた記事中の「NPO」「抱卵」「環境省」などのように、新聞記事には小学生用の辞典に取り上げられていない言葉が使われています。見出しの言葉遣いにも特色があります。子どもたちとやりとりをする中で意味を考えさせて、必要なら先生が教えてあげてください。

【実践を終えて】

子どもたちは「意味が分かるようになると新聞の内容がたくさん分かるようになった」「辞典や人の意見を聞いたら分かった」と感想を寄せています。

授業の手順

(1)台紙を生徒に配る

あらかじめ切り抜いた記事を貼った台紙を生徒に配る。

(2)記事を読ませる

5分間くらい記事を読ませる。意味が分からなかったり、読めなかったりする漢字や言葉を国語辞典や漢字辞典で調べさせる。

(3)意味を書き出す

余白に吹き出しをつけて、その中に調べた言葉の意味を書き込ませる。辞典にない言葉については、ヒントを与えながら全体で確認し、意味を書き込ませる。

(4)記事の内容を確認

全体に問い掛けて記事の内容を確認する。挙手させて発表させてもいい。最後に学んだことを台紙に書き込ませる。