[出前記者]伝わる新聞作る 児童が取材計画 那覇・大名小5年生

 那覇市立大名小学校(佐々木りん子校長)の5年生44人は24日、本紙記者を講師に招いた出前授業で新聞作りのための編集会議を開いた。石垣市で行う地元小学校との交流など体験授業を前に、日程を見ながら「伝える相手を意識する」などの記者の助言を参考に、取材計画を立てた。

石垣島での体験授業を新聞にまとめるため取材内容を付箋に書き出していく児童たち=那覇市立大名小学校

 社会部の具志堅学記者とNIE事業推進室の安里努事務局長が2クラスに分かれて講師を務めた。新聞の仕組みをワークシートに書き込んで学んだ後、グループに分かれて編集会議を始め、新しい石垣空港の紹介や名所ランキングなどアイデアを出し合った。
 金城リカコさんは「読んだ人が石垣に行ってみたいと思える新聞を作りたい。泊まったことがないので民宿のことも紹介したい」と話した。

 

 

[実践 わたしの活用術](9)新聞に慣れ親しむ(小学5年・国語)

興味の幅 広げる機会 5W1Hで伝わる文章

新聞に慣れ親しむ

宜野湾小学校 西田美香先生

対象 小学5年生
教科 国語
指導時間 1時間

【授業の様子】
 宜野湾小学校5年3組の子どもたちが、新聞に慣れ親しむ授業に取り組んでいた。
  「トップ記事」「面」などの説明を受けた後、新聞をめくり見出しをチェックする。担任の西田美香先生の問い掛けに次々と声が上がる。
 「新聞にはどんなものが載っていましたか」
 「スポーツ」「政治」「天気予報」「本の紹介」
 「どんなところがいいところ?」
 「分かりやすく書かれていた」「写真とかを見ると読みたくなる」「いろんなことが載っている」
 「政治!」と答える子も。「社会のことをもっと知りたいから」「すごい」。教室が沸いた。
 興味を持った記事を隣の席の子と紹介し合う課題で西田先生は、自身が参加したNIE推進協議会のセミナーの記事を紹介。リード部分を読み上げた後、「髪の毛1本も写真に写ってないんだよ。残念」。ユーモアを交え、気軽に感想を発言するよう、うながした。
 「僕は闘牛の記事を選びました。お母さんの友達で闘牛をやっている人がいるからです」。教室中に元気な声が響いた。授業の後、友達が選んだ記事を読む姿があったという。子どもには興味の幅を広げる機会になったようだ。

【授業の手順】
(1)目当てを確認する
 「新聞を読んで興味を持った記事を発表しよう」という目当てを板書して確認する。
(2)クイズを出す
 新聞に関するクイズを出す。答えは三つから一つを選ぶなど簡単なものにする。
(3)新聞を見せる
 新聞を掲げ「面」「トップ」など用語を紹介する。
(4)見出しをチェック
 一人一人に新聞を配り、見出しだけを読ませる。新聞のいいところを発表。選んだ記事を隣同士で紹介し合う。
(5)仕組みを説明
 見出し、リードの役割、記事には5W1Hが含まれ、大事なことから先に書かれていることを説明する。(ゲストティーチャー)
(6)まとめ
 新聞について気付いたことをノートにまとめさせる。

 

【ねらいとポイント】

宜野湾小学校 西田美香先生

■ねらい
 新聞に慣れ親しんでもらい、興味・関心を持ってもらおうと思いました。図書館で新聞を読んだり、テレビでスポーツの結果を見ていた子が、「新聞の方が詳しい」と紙面を開くようになりました。5W1Hを学んだことで、相手に伝わりやすい文章を書こうとする姿勢がみられるようになりました。
■ポイント
 冒頭で3択のクイズを出したのは新聞に対する興味を引き出すためです。見出しを読む時間は5分以上設ければ良かったのかもしれません。

 

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

[遊びながら学ぼ]大事な言葉探し 内間ありすさん(小学5年)・さやかさん親子

見出し当てに挑戦だ

 うるま市の沖縄アミークスインターナショナル5年の内間ありすさん(10)と母親のさやかさんが、大事な単語を探す課題に挑戦しました。見出しを消したワラビーの「ニュースアラカルト」の1段落目を読んで大事だと思ったところに印をつけます。あとで見出しと合わせてみると…

ワラビーの記事から大事な単語を抜き出すことに挑戦した内間ありすさん(左)と母親のさやかさん

 さやかさん どの記事選ぶ? 好きなのでいいよ。
 ありすさん じゃあ、AKB!「アイドルグループの(中略)メンバーら…」。「ら」って何?
 さやかさん 「たち」って意味だよ。
 ありすさん 分かった。「メンバーら246人が立候補しました」
 さやかさん すごい! 1段落だけで良かったのに全部読んじゃった。大事なところに線を引いてみて。
 ありすさん AKB48、総選挙…。
 さやかさん そうだね。総選挙でどうなったの?
 ありすさん 指原さんが初めて1位になった。
 さやかさん そうそう。見出し見てみようか。「指原さん総選挙1位」。おぉ♪ 選んだ言葉が入っているよ。
 ありすさん 見出しは記事をまとめたものなんだね。
 さやかさん ゲームみたいに楽しめて良かったね。

 使用したワークシート「要点抜き出し」はこちらからダウンロードできます。

 「遊びながら学ぼ」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」ページで連載します。

【作品募集中】「いっしょに読もう!新聞コンクール」

 日本新聞協会は「第4回いっしょに読もう!新聞コンクール」の作品を募集している。
 コンクールは小学生から高校、高等専門学校生徒までが対象。新聞記事を読んで(1)自分が考えたことを書き(2)家族や友人の記事に対する意見を書き取り(3)話し合った後の意見・提言を書く-もの。学校の授業でも活用できる。
 締め切りは9月3日。応募用紙は日本新聞協会のホームページからダウンロードできる。
 問い合わせ・応募先は沖縄県NIE推進協議会事務局(沖縄タイムス社内)、問い合わせフォームはこちらから

6月26日付「月刊NIE 遊びながら学ぼ」のワークシート

  6月26日付「月刊NIE」の連載「遊びながら学ぼ」で使用したワークシートはこちらからダウンロードできます(別ウインドウで開く場合はこちら)。 授業でも活用いただける内容です。 これまでに使用したり、ほかのワークシートをまとめたページはこちらです

 

 

幸地さんちのNIE(72)/「DJポリス」総監賞も

DJポリスってすごいな

巧みな話術にみんな感心

 サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めました。幸地功哲君(10)と母親の富代さん(43)は、巧みな話術でマナーを守るよう呼びかけたDJポリスに感心しています。

「DJポリス」総監賞も

■2013年6月11日ひと・まち面
 サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた4日夜、お祭り騒ぎになった東京・渋谷で、ユーモアたっぷりにマナーを守るよう呼び掛けた20代の男性機動隊員に、警視庁が警視総監賞の授与を検討していることが分かった。

 

功哲君▶DJポリスだ~。
富代さん▶話題の人だね。警視総監賞も…だって!
功哲君▶サッカーの出場が決まった時に道の真ん中で大さわぎしている人たちに「安全に歩いてくださ~い」って声をかけていたんだよね。
富代さん▶ワールドカップ出場が決まって大喜びしているサポーターは、我を忘れてるからね!
功哲君▶人の話に耳を傾けられないくらい盛り上がってるし。
富代さん▶「おまわりさんも、みなさんと同じでうれしいんですよ~。一緒に喜びましょう」って言われたら、言うこと聞きたくなるね。
功哲君▶「12番目の選手」っていうのが面白い。もちろん、イエローカードもらいたくないから、ルールは守るよ。次の試合の時にDJポリスに登場してもらいたいな~。
富代さん▶巧みな話術で相手の耳を自分の声に向けさせる…もしかして、耳が痛いことを話しだしたら、すぐ逃げる人にも効果あるかな。
功哲君▶それってオレでしょ!? 逃げるなら今でしょ~。

[出前記者]記事の要点 何だろう 名護市東江小で出前授業

 名護市立東江小学校(宮城達也校長)の5年生は19日、沖縄タイムス記者を講師に招いて新聞の仕組みなどを学んだ。見出しを隠した記事から要点を抜き出す学習では、児童が選んだ言葉と紙面での見出しが一致すると歓声が上がった。

新聞の仕組みや要点を抜き出すワークシートに書き込む5年生=名護市立東江小学校

 3クラスで1こまずつ授業を受けた。北部支社編集部の儀間多美子記者は「新聞には見出しやグラフ、写真など読みたくなる仕掛けがある」と紹介した。
 16日付ワラビーの記事から児童が選んだ大事な言葉は「AKB」「指原莉乃さん」「初めて1位」「選抜総選挙」など。紙面での見出しは「指原さん総選挙1位」。安里努NIE事業推進室事務局長は「『指原さん』だけで読者がAKBの投票だと分かると考えれば、『総選挙』の代わりに『初めて』を入れてもいい。見出しは正解、不正解ではなく何が大事だと考えるかで変わる」と説明した。
 林桃香さんは「紙面をめくってもらう工夫とか、新聞の秘密が分かってうれしかった」と授業の感想を話した。