幸地さんちのNIE(70)/平和は「生きる喜び」

国の壁こえた平和の絵本

話し合いが大事なんだね

 どうやったら平和な世界をつくれるのでしょう。幸地功哲君(10)と母親の富代さん(43)は韓国と中国と日本の作家が一緒に作った絵本を通して考えました。

平和は「生きる喜び」

■2013年5月26日社会26面
 絵本作家の浜田桂子さん(65)が25日、那覇教育会館で平和と絵本をテーマに講演。「歴史や平和について頭で考えることと、感覚で分かるのは違うことに気付かされた」などと語り、制作中の貴重な体験を振り返った。

 

富代さん▶あーっ、この記事見て見て!!
功哲君▶あれ、この絵本、お母さんが昨日、読んでくれた本だ!
富代さん▶作者の浜田桂子さんが沖縄で講演されてね。お母さんも参加してきたんだ~。
功哲君▶そこで買ったんだね。
富代さん▶中国と韓国と日本の作家さんが協力して出版したんだけど、お互いの作品をチェックし合うのは大変な作業だったそうだよ。
功哲君▶どうして?
富代さん▶中国、韓国、日本の立場は過去の歴史の受け止め方に違いがあるからでしょうね。
功哲君▶尖閣諸島の問題もあるよね。難しそう…。
富代さん▶一方的に自分の立場をぶつけるだけでは解決しない問題だよね。浜田さんも相手の意見をしっかり受け止めたからこそ、国境や言葉の壁を乗りこえた力強い作品ができたと話されていたよ。問題があったら、まず対話から…ところで、もうすぐ私の誕生日だ~!
功哲君▶…お母さん、まずは話し合おう。

地元2紙を読み比べ 糸満南小でNIE講座

 糸満市立糸満南小学校(平田清美校長)は6日、県立総合教育センターから講師を招いたNIE出前講座を開いた。2時間にわたる国語の授業で5年生71人が新聞をめくって掲載されている情報の種類を挙げたり、二つの新聞を比べたりして「新聞初体験」を楽しみながら学んだ。

新聞をめくって気になる記事を探す5年生=糸満南小学校

 教育センターの甲斐崇研究主事が出向いた。新聞に触れるのは初めてという児童が多かった。当日の地元2紙をめくって、同じ記事でも掲載位置が違うことなどを知り、発信者が違うことで情報の伝え方が変わることを知った。
 宮城魁斗君は「新聞を比べて、紙の大きさは同じでも書いてあることが違うことが分かって楽しかった」と感想を話した。

6月29日第2回おきなわNIEセミナー開催

第2回おきなわNIEセミナーのご案内

沖縄県NIE推進協議会

会長 山内 彰

(主管社・琉球新報社)

 

 平素からNIE(教育に新聞を)活動にご理解ご協力いただき誠にありがとうございます。
 NIE実践教師と新聞社でつくる当協議会では、下記の内容で教師向け研修会「おきなわNIEセミナー」を開催いたします。慰霊の日のある6月、地元紙や全国紙を読み比べるワークショップなどを通して、教師のメディアリテラシーを鍛える内容となっております。校内での周知方・ご参加よろしくお願い申し上げます。

 

 日 時:6月29日(土)午後1時~4時
 場 所:琉球新報社(那覇市天久905)
 テーマ:「読み比べの視点~慰霊の日の紙面から」
 講 師:仲程 俊浩氏
(城北中学校若夏分校教諭、日本新聞協会公認NIEアドバイザー)
 内 容:社説読み比べなどワークショップ2題
 定 員:20~30人程度

 申し込み・問い合わせはこちらから。学校名をお書き添えください。

 

[出前記者]見出しから話そうよ 比屋根小の親子ら交流

 本紙記者を講師に迎えた出前講座が2日、沖縄市立比屋根小学校(吉本勝校長)であった。3年生105人と授業参観で集まった保護者が、新聞を通じたふれ合いを楽しんだ。

子どもと保護者が一緒に新聞をめくり、気に入った記事を紹介し合った出前講座=沖縄市立比屋根小学校

 講師の一人で中部支社の屋良朝輝記者は「見出しの言葉でニュースの要点、見出しの大きさでニュースの大きさが分かる」と新聞の仕組みを説明。「記事が分かりやすいように、グラフや写真を使っている」と話した。子どもたちは、メモを取りながら聞き入っていた。
 見出しを頼りに新聞をめくり、一人一人が選んだ記事を紹介しあった。子どもと大人が一緒になって、にぎやかに笑いながら新聞記事を読んだり感想を話し合ったりしていた。NIE事業推進室の安里努事務局長は「新聞を家族のコミュニケーションに使ってほしい。活字に慣れることができ、自分の考えを表現する機会にもなる」と話した。

上阪さんちのNIE(69)最高齢三浦さん エベレスト登頂

三浦さんの登頂に拍手

景色想像してドキドキ

 80歳で世界一高いエベレストに登頂した三浦雄一郎さん。上阪主税君(13)きらりさん(12)あゆみさん(37)親子も登山に挑戦(ちょうせん)か!?

最高齢三浦さん エベレスト登頂

■2013年5月24日社会28面
 冒険家三浦雄一郎さん(80)が23日午後0時15分(現地時間午前9時)ごろ、世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂に成功した。これまでの76歳を4歳更新し、史上最高齢記録となった。5年ぶり3度目の快挙。

 

きらりさん▶三浦さん、登頂おめでとう!
主税君▶スーパーおじいだね。
きらりさん▶なぜ命を懸けてまでエベレストに登るのだろう?
あゆみさん▶「そこに山があるからだ」という名言を残したアルピニストがいるよ。
きらりさん▶頂上では何が見えるのだろう? 飛行機から見る景色とどう違うのかな?
主税君▶天国みたい? 見下ろす雲海、吹きつける強風、がくがくなる膝…。
きらりさん▶もしかすると、頂上から見下ろす景色が見たいんじゃなくて、登ってきたそびえ立つ山の偉大さを見上げたいのかも?
主税君▶どっちも絶景には間違いないね。
きらりさん▶エベレストに登る勇気はないけれど、登山はやってみたいな。
あゆみさん▶目標「与那覇岳制覇」。沖縄本島最高峰、503メートルだよ。どう? やってみる?
主税君きらりさん▶レッツ、アタック!

[実践 わたしの活用術](8)国語辞典の使い方を学ぶ(小学3年・国語)

記事中の言葉 意味調べ 「すごい」写真 興味導く

国語辞典の使い方を学ぶ

中原小学校 仲松久弥先生

対象 小学3年生
教科 国語
指導時間 2時間

【授業の様子】
 新聞記事を通して国語辞典の使い方を学ぶ授業があった。仲松久弥先生が、梅雨入り、雷、ヒメハブ、イリオモテヤマネコの写真入りの記事を黒板に貼り付ける。
  「おおっ。すごい」
 動物や自然現象は子どもの関心を引きやすいといわれる。インパクトのある写真を選んだことで、さらに子どもの集中力が高まっているように見えた。
 仲松先生の問い掛けに子どもが元気よく答える。
 「稲妻って何ね?」「雷」「雷って何でできてるの」「電気!」
 それぞれが好きな記事を選び、辞典とにらめっこ。
 「いなご、いなさく…いなずま、あった!」
 「断続って?」「切れたり続いたりすること」
 「このページに載ってるよ。開いてみて」
 一人で見つけられる子、仲間に教えてもらう子。グループにすることで、子どもの間で教え合う光景が生まれた。
 「84センチ ヒメハブ どうジャ」(5月14日付本紙)を選んだ新垣志織さん(8)は「写真でもヒメハブを見るのは初めて。本物を見たいと思った。辞典引くのは難しいけど、漢字の意味がどんどん分かる」と目を輝かせた。

【授業の手順】
(1)目当てを確認する
 辞典の引き方を復習する。「新聞の中から言葉の意味を調べ、記事を分かりやすく説明しよう」という目標を確認する。ワークシートに使った記事を掲示して説明する。
(2)調べたい言葉を選ぶ
 記事を載せた4種類のワークシートから1枚を選ばせる。分からない言葉や、意味があやふやな言葉を書き出してもらう。
(3)辞典で意味を調べる
 書き出した言葉の意味を辞典で調べさせる。
(4)記事の内容を紹介
 ペアを組んだ子ども同士で、記事の内容を紹介し合う。
(5)発表
 数人に発表させる。調べた言葉の意味も話してもらう。

 

【ねらいとポイント】

中原小学校 仲松久弥先生

■ねらい
 国語辞典に親しんでもらいます。調べたい単語が五十音順に並んで載っていることや意味を調べることができる点を理解してもらいたいと思います。新聞記事は「言葉の宝庫」です。時事的な事柄を扱っていて、子どもの興味関心を引き出せると考えました。
■ポイント
 記事は大事なことから書かれています。あらかじめ後ろから切り、15行程度にして子どもが読みやすくしました。動物や自然現象など、写真にインパクトがある記事を選びました。子どもが興味を持ちやすいと思います。
 漢字が読めずに苦労している子がいました。初めに記事を音読したり、調べる言葉をいくつか指定すれば、もっとスムーズにいったかもしれません。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

気軽に実践 読み聞かせ 学年ごとに記事選び助言 第1回おきなわNIEセミナー

 おきなわNIEセミナーが11日、那覇市の沖縄タイムス社であった。教員らと各新聞社でつくる県NIE推進協(山内彰会長)が取り組んだ初のセミナーに教員や保護者32人が参加。NIEアドバイザー3人が、読み聞かせや意見交換などの実践を通して、児童・生徒の発達段階に応じて記事を選ぶ大切さを強調した。

)NIEセミナーで先生役と生徒役に分かれ「新聞読み聞かせ」を実践する教員ら=那覇市久茂地のタイムスビル

 メーン講師を務めた県立総合教育センター研究主事でアドバイザーの甲斐崇さんは、朝の時間で気軽に取り組めるメニューとして「新聞読み聞かせ」を紹介した。
 (1)紙面の紹介(2)出典を明らかにする(3)読み聞かせをする(4)教員が感想を伝える(5)児童・生徒に感想を発表させる-と手順を示し、「教科に関係なくできるので、中学・高校でも取り組みやすい」と説明した。
 4~5人のグループに分かれたワークショップでは、教師役と生徒役に分かれて新聞の読み聞かせを体験。教師が、記事で使われた語句などの意味を生徒に問い掛けて反応を引き出し、記事の内容を理解させる手法を学んだ。
 伊平屋小の佐久間洋教諭は、発達段階に応じて記事を選ぶ重要性について助言した。小学生に対しては、「低学年は写真で引き付けるのが大事。動物などの話題が親しみやすい。高学年なら身近な地域の話題。どの学年も同世代の子が活躍している記事には興味を持つ」と指摘した。
 城北中若夏分校の仲程俊浩教諭は「授業の導入では、中学生も写真や身近な話題がある市町村面の記事を使うといい。3年生になれば自分の意見を述べられるようになる。高校生は、大学生の就職などの進路についての記事を題材にするといい」と強調した。
 また甲斐さんは、経済協力開発機構(OECD)の学力調査で、児童・生徒の新聞への接触率の高い国・地域の成績が良かったことを紹介。「子どもたちには、必要な情報を選び、自分の言葉として発信する力が求められている」とし、新聞を通した言語活動の大切さを示した。