気軽に実践 読み聞かせ 学年ごとに記事選び助言 第1回おきなわNIEセミナー

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 おきなわNIEセミナーが11日、那覇市の沖縄タイムス社であった。教員らと各新聞社でつくる県NIE推進協(山内彰会長)が取り組んだ初のセミナーに教員や保護者32人が参加。NIEアドバイザー3人が、読み聞かせや意見交換などの実践を通して、児童・生徒の発達段階に応じて記事を選ぶ大切さを強調した。

)NIEセミナーで先生役と生徒役に分かれ「新聞読み聞かせ」を実践する教員ら=那覇市久茂地のタイムスビル

 メーン講師を務めた県立総合教育センター研究主事でアドバイザーの甲斐崇さんは、朝の時間で気軽に取り組めるメニューとして「新聞読み聞かせ」を紹介した。
 (1)紙面の紹介(2)出典を明らかにする(3)読み聞かせをする(4)教員が感想を伝える(5)児童・生徒に感想を発表させる-と手順を示し、「教科に関係なくできるので、中学・高校でも取り組みやすい」と説明した。
 4~5人のグループに分かれたワークショップでは、教師役と生徒役に分かれて新聞の読み聞かせを体験。教師が、記事で使われた語句などの意味を生徒に問い掛けて反応を引き出し、記事の内容を理解させる手法を学んだ。
 伊平屋小の佐久間洋教諭は、発達段階に応じて記事を選ぶ重要性について助言した。小学生に対しては、「低学年は写真で引き付けるのが大事。動物などの話題が親しみやすい。高学年なら身近な地域の話題。どの学年も同世代の子が活躍している記事には興味を持つ」と指摘した。
 城北中若夏分校の仲程俊浩教諭は「授業の導入では、中学生も写真や身近な話題がある市町村面の記事を使うといい。3年生になれば自分の意見を述べられるようになる。高校生は、大学生の就職などの進路についての記事を題材にするといい」と強調した。
 また甲斐さんは、経済協力開発機構(OECD)の学力調査で、児童・生徒の新聞への接触率の高い国・地域の成績が良かったことを紹介。「子どもたちには、必要な情報を選び、自分の言葉として発信する力が求められている」とし、新聞を通した言語活動の大切さを示した。

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