[実践 わたしの活用術](6)コラム読んで友達の良い行い紹介(小学5年・道徳)

優しさ発見 自信持たせる 新入生のお手本に

コラム読んで友達の良い行い紹介

沖縄アミークスインターナショナル 上江洲ジョアナかおる先生

対象 小学5年生
教科 道徳
指導時間 1時間

【授業の様子】
 「輝之は、見た目は騒がしいけど人の手伝いをしてくれる」。秋友一寿君(11)の発言に島袋輝之君(11)が、照れたように笑う。笑顔が5年A組のみんなに広がった。
  上江洲ジョアナかおる先生は優しさをテーマにした。4月に6年生になる子どもたちに、新入生のお手本になってほしいという思いを込めた。
 本紙2日付教育面の連載「たんぽぽのタネ」を読み上げる。体育の授業でべそをかいている男の子の背中を優しくさする女の子の話題だった。
 「この女の子みたいに優しい行動をした人は誰? ほんの小さなことでいいんだよ」「足をねんざしたときに助けてくれた」「ケガをして泣いていたときも、ずっとそばにいてくれた」。問い掛けに次々と発言が上がる。
 島袋君は「少しでも人に優しくすればけんかにならないと思う。自分は短気で、おばぁからも注意されるので6年生になったら直したい」と反省を込めた。
 上江洲先生は「5Aのみんなが優しさを持っています。4月から最上級生になりますね。まず身近な人から優しく接してください」と授業を締めくくった。

【授業の手順】
(1)前の授業を振り返る
 東日本大震災で兄を亡くした男性を取り上げた記事を振り返り、優しさについてあらためて考える。「もうすぐ6年生。学校の『顔』としてどんなことが必要だろう」と投げ掛ける。
(2)コラムを読み上げる
 「たんぽぽのタネ」(3月9日付)を使ったワークシートを配り、ゆっくり読み上げる。
(3)見出しを付ける
 あらかじめコラムの見出しを伏せておき、子どもに考えさせる。
(4)優しい子はだれ?
 優しい行動をした子を挙げさせ、その理由を書いてもらう。感想も書き込ませる。
(5)発表
 指名したり挙手させるなど発表をうながす。できるだけ多くの子に機会を与える。

 

【ねらいとポイント】

沖縄アミークスインターナショナル 上江洲ジョアナかおる先生

■ねらい
 4月から6年生になる彼らに、最上級生としての自覚を持たせるため、新入生や周りに対し丁寧な言葉遣いはもちろん優しい心遣いや気遣い、思いやりが重要になることを考えさせます。今回は「優しさ」をテーマに選び、日常の小さな良い行いを指摘し合うことで、個々が自己肯定感を高め、自信を持たせたいと思います。
■ポイント
 多くの子どもが積極的に発言しやすいように、身近にありそうなエピソードを扱った記事を選ぶことが必要です。
 良い行いを発表させる前には「ちょっとしたことでもいいから」と強調しました。できるだけ多くの子の名前が挙がるようにヒントを与えてください。
 机の間を回って、クラスで共有したい良い行いや意外性のある内容をなるべくたくさん見つけ、紹介してあげることを心掛けました。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

幸地さんちのNIE (62)スクラップ/太古の火星に生命環境

大昔の火星に「命のもと」

宇宙人に会えるかもね!

 太古の火星に生命? NASAの発表に、幸地功哲君(10)、富代さん(42)親子の期待は膨らみます。

太古の火星に生命環境

■2013年3月14日総合面
 【ワシントン共同=吉村敬介】米航空宇宙局(NASA)は12日、数十億年前の火星には、水にあふれ微生物などの生命を育むのに適した環境があったと発表。無人探査車「キュリオシティー」が採取した岩石を分析した。生命活動に必要な6元素が岩石から見つかったという。微生物そのものは見つかっていないが、地球を除く天体にこうした環境があったことが裏付けられたのは初めて。

功哲君▶マース…おいしいな~。水と一緒に塩分チャージだ!
富代さん▶マース? あ、塩ね。ところで「マーズ」の話題知ってる? 火星はマーズって言うんだよ。
功哲君▶キュリオシティーだったよね~、火星に行ってるの。
富代さん▶何を探しに行ってたかな?
功哲君▶命のもとだっけ?
富代さん▶お~すごい。命の材料は六つあるって! 取り出した場所は、湖のような所だったみたいだよ。
功哲君▶水が大事なんだね。
富代さん▶ずいぶん大昔のことらしいけど、火星に水があったということは…もしかして?
功哲君▶命があったってことね!
富代さん▶いよいよ火星人に近づいてる? ワクワク。
功哲君▶キュリオシティーに期待してマース!

島袋さんちのNIE (61)読み聞かせ/おばぁタイムス

おばぁタイムス人気だよ

どこかホッとさせるよね

 毎日、漫画「おばぁタイムス」を楽しみにしている島袋敦也君(14)。父親の久仁人さん(49)と作品の魅力について語り合いました。

「おばぁタイムス」

■2013年3月11日社会面

久仁人さん▶敦也、社会面にあるおばぁタイムスが人気だよ。
敦也君▶お父さんが毎日、面白いといってるからこれは見てるよ。
久仁人さん▶おばぁタイムスだけかい!? まぁ、いいけど…。最近は沖展のCMにも出てるよね。
敦也君▶登場人物のおばぁとおじいだけど、こんな人いないだろーと思ったり、いるよなーと思ったり不思議な感じだよねー。
久仁人さん▶4コマ漫画って、この限られたスペースの中で作者が何を伝えようとしているのかを考えたら楽しいよ。
敦也君▶うん、今日のマンガの最後のコマは、おばぁが東日本大震災のことで悲しみを感じて、おじぃにすがっているところがあるけど、どこかホッとして笑顔になれるよね。
久仁人さん▶そうだな。一瞬おいてにっこりできるのがいいところだよ。
敦也君▶これからもまず、おばぁタイムスから読むよ。
久仁人さん▶まかせます。これをきっかけにもっと記事を読んでくれたらいいけどな~。

記事で学んだ新石垣空港 伊野田小の3~6年生9人

 7日に開港した新石垣空港について学ぼうと、伊野田小学校(西原貴和子校長)の3~6年生9人が13日、新聞記事を活用した学習に取り組んだ。

切り抜いた新聞記事を手に開港に期待を膨らませる子どもたち=石垣市・伊野田小学校

 同校は県内2紙が指定するNIE実践の指定校で、日ごろから新聞の読み聞かせや「仕事」「平和」などテーマを決めた調べもの学習を実施している。
 同日は、県内2紙と八重山地域の地元2紙の計4紙から新石垣空港に関連する記事を抜粋。各グループが興味のある記事を切り抜きして再構成し、感じたことを発表した。
 高橋萌空(もく)さん(6年)は、旧空港に愛着を感じている住民と新空港の開港に沸く記事を取り上げた。「みんなの思いがどう変化していったか感じることができた」と満足そうに話した。
 金城綾玖(りく)君(3年)も旧空港を取り上げ、「今までみんなを乗せてくれたので新聞でも取り上げたかった。新空港はきれいと聞いたので、早く行ってみたい」と笑顔を浮かべた。

多角活用 読解力養う 県NIE実践報告会

 2012年度県NIE実践報告会(主催・県NIE推進協議会)が6日、那覇市の琉球新報社で開かれ、日本新聞協会指定実践校5校、県指定校4校が各学校の新聞活用方法を発表した。新聞記事に親しみながら読解力や文章の構成力を身につけたり、気に入った記事の内容を発表することで表現力を養うなどの効果が報告された。主な発表内容を報告する。

意見を書き情報理解 仲地エリ子教諭・中原小

 本年度は特に11月の県NIE実践フォーラムの開催に向けて、児童の情報活用や判断力、表現力を身につけることに力を置いた。
 年間計画として、新聞スクラップを活用した朝の1分間スピーチ、記事に意見を書き込む新聞ツイッターをはじめ、空き教室に新聞コーナーを設け、新聞に親しむことから始めた。
 保護者向けのワークショップで新聞スクラップ教室を行い、家庭での関心を高めるようにした。その結果、児童は新聞を身近に感じるようになり、必要な記事を自分で探し、資料を読み取って理解する力が付き始めた。
 読解力など児童の間に個人差があるが、今後も取り組みを深めることで可能性を伸ばしていきたい。

朝のスピーチで自信 古波津聡教諭・コザ小

 3年生以上の児童を対象に、全職員で新聞を活用した実践に取り組んだ。教科を限定せず、新聞の良さを十分生かして授業で活用することを全職員で確認した。
 NIEを進めるキーワードは「無理なく、継続できる取り組みを」。NIEを意識せず、自然な形で取り組むことを強調した。
 朝の1分間スピーチで気に入った記事を紹介するなどの活動に取り入れた。その結果、児童から「長い文章が読めるようになった」「みんなの前で発表するのは緊張したが頑張れた」などの意見があがった。
 新聞が社会の窓口になり児童の興味や関心が多様になったほか、キャリア教育の一環として学習を進めることができた。

意欲高まる投稿掲載 上江洲ジョアナかおる教諭・沖縄アミークス

 年間を通して新聞スクラップを行った。はさみやのり、スクラップブックなどの3点セットを準備。児童らは慣れると、自分の気に入った記事を選んで内容を要約するようになった。
 作文を新聞に投稿し、掲載されると児童らのモチベーションは高くなる。掲載された作文をクラスのみんなで内容を共有し「このように書けばいい」などの意見をあげることで文章力のレベルアップにつなげた。
 新聞記事を項目ごとに分けて壁に張り付けた。昨年は「復帰40年」を紹介するために新聞を活用。「昭和の時代」を新聞記事から探して当時のことを考えた。新聞も張りっぱなしではなく、頻繁に更新することで、児童らの興味を引きつけることができた。

記事書写し文章上達 子安緑教諭・小禄南小

 毎週月曜日朝の15分間に「NIEタイム」を設け、新聞を使った言語活動の充実に取り組んだ。毎週各学級分提供してもらった「ワラビー」紙面を活用することも多かった。
 例えば2年生の活動では3色ペンを使い、記事の「いつ」「どこで」「だれが」などの部分を色分けして理解する作業を行った。5年生では、毎週指定された記事の要点を100~150字の範囲で書写した。この活動を通して児童は簡潔な文の書き方や語彙(ごい)を身につけることができた。
 NIEの成果として、これまで記事の感想を書くことが多かった児童が見出しを付けるなど、内容をよく読み取るようになった。続けるうちに疑問や意見を書く児童が増えた。

動物テーマに親しむ 福地正雄教諭・越来小

 本年度は全学年でNIE実施計画を作り、新聞を活用した授業に取り組んだ。校内研修での実践活動はもちろん、NIEアドバイザーや現場記者との連携などを目標に掲げた。
 1年生が新聞記事からカタカナ語を探した。2年生は国語の単元「どうぶつ園のじゅうい」をテーマに、動物について書かれた記事を探しながら新聞に親しんだ。6年生は「復帰40年」をテーマに、特集記事から当時の様子を読み取り、今後の沖縄について考えをまとめた。
 家庭学習で、新聞を切り抜いて感想を書き、時事問題に関心を持つ児童が増えてきた。日常的に授業に取り組むためには、学校で新聞の部数を確保することも必要だと感じた。

 

幸地さんちのNIE (60)スクラップ/「長寿県」後退危ぐ

女性も長寿首位から転落

野菜食べ長生きしなきゃ

 沖縄県女性の平均寿命が首位から転落した記事にショックを受けた幸地富代さん(42)、功哲君(10)親子。解決策を考えました。

「長寿県」後退危ぐ

■2013年3月1日社会面
 厚生労働省が発表した2010年の都道府県別平均寿命で、1975年以降、首位を保っていた沖縄の女性が3位に転落した。男性も前回05年調査の25位から30位に後退。県や医療関係者は危機感を募らせており、生活習慣の改善や各種検診の受診による病気の未然防止、県民の意識改革を呼び掛けている。

富代さん▶「26ショック」に続いて、「女性もショック」…だわ。
功哲君▶何のこと?
富代さん▶男性は10年くらい前にトップから落ちたんだけど、今回は女性も首位を長野県にゆずったんだって。
功哲君▶お父さんが「県内最高齢の人が亡くなったから下がったのかな」って。
富代さん▶野菜をとる県民の食生活にもヒントがありそう。できることから見直そう。
功哲君▶いきなり肉から食べないで、野菜からって。
富代さん▶それはお父さんと私の体重増加を食い止めるため。沖縄では働き盛りの男性の死亡率が高いのよ。これが一番ショックでしょ。
功哲君▶ぼくが鳥の唐揚げ食べるからお父さんは野菜食べて長生きしてって言おう。
富代さん▶そりゃ、とり越し苦労だわ。