[実践わたしの活用術](1)新聞記事から四季を感じる(小学1年・生活)

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沖縄の「秋」見つけた 季節感学び感性豊かに

新聞記事から四季を感じる

中原小学校 宜保まきえ先生

対象 小学1年生
教科 生活
指導時間 1時間

【授業の様子】
 「食欲の~」「あきーぃ!」「スポーツの~」「あきーぃ!」。宜保まきえ先生の問いかけに答える子どもたちの声が響く。新聞から秋の風物を感じさせる写真探しに取り組む子どもたちの姿があった。
 春は「暖かい」。夏は「暑い」。秋は「涼しい」。冬は「寒い」。漢字の筆順を確かめながら四季の特徴を書き出していく。子どもは問いかけに答えながらあらためて季節感を学んでいく。この日までに子どもたちは「秋らしいもの」を探す課題を与えられていた。仲里朝陽君(7)が選んだのは落ち葉だった。「落ち葉が茶色くなってきた」と胸を張って答えた。
 子どもたちが、2人に1部ずつ配られた新聞をめくっていく。「秋の字、見つけた!」「秋じゃない。『私』だよ」。あちこちで広がる笑顔。隣の席の子と話し合いながら「秋」を探そうと懸命だ。
 発表の段階になると次々と手が挙がり、全員が発表することができずチャイムがなった。「先生、この新聞持って帰っていい?」。お気に入りの写真をたくさん見つけたのだろう。多くの子が笑顔で宜保先生に話しかけてきた。

【授業の手順】
(1)秋の風物を確認する
 子どもに発言を促しながら、秋の風物を思い出させる。
(2)目当てを確認する
 新聞から秋の写真を見つけて紹介することを確認する。
(3)切り抜きを例示
 選んでおいた記事・写真の切り抜きをプロジェクターに映し子どもに紹介する。
(4)新聞から写真を探す
 新聞を2人に1部ずつ配る。それぞれ写真を選ばせる。写真を切り抜いたらワークシートに貼り、コメントを書き込ませる。活動時間は25分。
(5)発表させる
 ワークシートを掲示し、一人一人にコメントを発表させる。自然、行事、食べ物などに分類できることを伝え、秋の風物を知ってもらう。できれば貼った作品を分類する。

【ねらいとポイント】

中原小学校 宜保まきえ先生

■ねらい
 「沖縄に秋はない」と言う子もいますが、新聞を広げてみると、秋の風物をたくさん見つけることができます。子どもたちに季節感を知ってもらい、感性を豊かに育てたいと考えています。夏、冬、春も同じように取り組めます。
 話し合いながら記事を選んだり、選んだ記事を文章や発表の形で紹介させることで、言語活動の充実を目指しました。
 11月3日のフォーラムではこの授業を基に、秋をテーマにしたスクラップ新聞を作ります。
■ポイント
 季節感を知ってもらうために「寒い」「涼しい」の違いなどを考えさせます。前もって地域や学校の行事などを、本や図鑑、保護者のアドバイスなどから調べさせて、授業につなげました。
 新聞を2人で1部としたのは、話し合いながら写真を探してもらいたかったからです。机の間を回りながら「なぜこれを選んだの?」と問いかけたり、ヒントを与えるなど子どもと話し合うことを心掛けています。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

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