沖縄国際大学内に「沖国しんぶんCAFE」が4月に誕生した。ディベートや資格取得に向けた勉強などに生かそうと学生たちが足を運んでいる。新聞を切り抜き、自らの視点を付箋に書き込んで次に読む人にリレーするなど、独自の新聞活用法を展開している。(與那覇里子)
同カフェは、那覇市安里のコミュニティーカフェ「origin」で開かれている「しんぶんカフェ」の2号店。大学内の福祉・ボランティア支援室にあり、常時開放されていて、自由に利用できる。テーブルの上に、沖縄タイムス、毎日新聞、福祉新聞の3紙が置かれ、自由に読むことができる。新聞になじみのない学生に身近に感じてもらおうと、同室の職員や学生らが記事を切り抜き、貧困や福祉などのテーマごとの区分けもしている。
開設のきっかけは、同大3年の吉濱文佳さん(20)が、同室に常駐する経済環境研究所の稲垣暁特別研究員に「社会福祉士になるための勉強方法を知りたい」と相談したこと。稲垣研究員が「社会のニーズや現状を新聞でリアルに知ることで、学びもより深くなる」とアドバイスし、カフェの開設につながった。
吉濱さんは同室に通い、「後見」「ノーマライゼーション」など、記事で分からない言葉があれば、辞典などで調べて付箋に書き込み、記事に貼り付ける。「教科書を勉強するよりも社会の事情も分かるし、再編集することで、自分の実にもなっている」と効果を感じ始めている。他の人が付箋を貼った箇所を読んで勉強になることもある。
16日の昼休み。ゼミの授業で企画されているディベート大会の準備のために、約10人の学生たちがカフェに集まった。テーマは「生活保護費の削減」。貧困や高齢者の現状などが書かれた記事を読み込み、付箋に意見を書き込んで新聞に貼り付けた。
大城翔平さん(20)は、「カフェで新聞を読むことは考えるきっかけになる。読んで自分の視点を持てるようになることが大事」。喜友名朝也さん(21)は、「切り抜かれているので読みやすい。『奨学金』の記事が身近で考えさせられた」と語った。
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