新聞を読む児童・生徒ほど全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で正答率が高かったことが、文部科学省の分析で明らかになった。小学6年国語Aでは新聞を「ほぼ毎日読む」と答えた児童の正答率が69・4%で「読まない」児童より10ポイント以上高かった。算数・数学でも同様な傾向。県内の小中学校の授業で新聞を活用する教員らは「学習効果が目に見えたことで自信を持って取り組める。取り組む教員も増えるのではないか」としている。
文科省が小学6年生と中学3年生を対象にした昨年4月の学力テストに併せて生活習慣などを聞いたアンケートの結果をクロス集計し、新聞を読む習慣と学力との間に相関関係があることが分かった。
経済協力開発機構(OECD)の各国学習到達度調査でも、同様の結果が出ている。
中3国語Aでは「ほぼ毎日」の正答率が80・3%だが、「読まない」は75・4%。
小6算数Bでは「ほぼ毎日」が64・6%で「読まない」を9・7ポイント上回った。中3数学Bで8・8ポイントの差がつき、数学Aでも「ほぼ毎日」が上回っていた。
地域や社会への関心が高い児童・生徒の方が、そうでない生徒と比べ小6で最大17・3ポイント、中3で最大14・9ポイント正答率が高かった。
NIEアドバイザーで県立総合教育センターの甲斐崇研究主事は「社会への関心が出てくれば、学ぶ意義が見いだせる。新聞を通して学習意欲が高まっていく効果もある」と見る。
国語の授業で新聞を活用している興南中の石川美穂教諭は、生徒の思考力・読解力が高まっていることを実感しているといい、「新聞を読むことでテストで何が問われているかを的確に判断できるのだろう」と話した。
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