[出前記者]新聞読み護憲学ぶ 沖女短大 出前講座で議論

 沖縄女子短期大学(鎌田佐多子学長)で13日、沖縄タイムスの具志堅学記者を招いたNIE出前講義があった。児童教育学科2年生の約100人が憲法とつながりのある新聞記事を選んで意見交換することで、身近な生活の中に憲法が生きていることを学んだ。山内彰県NIE推進協議会長が受け持つ「日本国憲法」の講義の一環。

新聞から憲法に関係する記事を選び、意見や感想を発表する学生=13日、那覇市の沖縄女子短期大学

 集団的自衛権を報じる記事は9条、就労中の育児・介護休業は25条、労働条件の改善を訴えるストライキ行使は28条-。1日分の新聞から憲法条文と関連する記事が次々見つかり、学生らは「こんなにたくさん」と驚いた様子。友達の選んだ記事にコメントを寄せる「新聞ツイッター」を通して、さらに議論を深めた。
 中でも、憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を容認しようとする安倍政権の動きを報じる記事を選ぶ学生が多かった。
 2年生の知念舞さん(19)は「自分の身に危険が迫っているようで怖い。新聞をじっくり読み、(集団的自衛権の行使容認は)人ごとでないと感じた」と話した。

[出前記者] ポリテク生40人新聞読み方学ぶ 新規事業の発案も

 沖縄職業能力開発大学校(沖縄ポリテクカレッジ、沖縄市市池原)で3日、沖縄タイムス記者の出前授業があり、学生40人余が新聞の読み方を学び、記事から新規事業のアイデアを練った。

記事を基に新規事業のアイデアを出し合う学生=沖縄市池原・沖縄職業能力開発大学校

 同校応用課程2年生(四年制大学の4年生に相当)が就職活動に向けた講義として受講。中部支社編集部の屋良朝輝記者が、見出しを全ページ読むと短時間で世の中の流れがつかめるなどと説明した。
 受講生は4人一組になって記事や広告を組み合わせ、新規事業などを提案するワークショップにも挑戦。気になった情報を共有して結びつける試みで焼き物の窯の写真と、新生児と同じ重さの米を贈る広告を組み合わせ、泡盛版の新サービスも提案された。
 チューブ状中華調味料の記事と介護法通信講座の広告を組み合わせたグループの新垣一真さん(21)は「いろんな情報を組み合わせると新しいことにつながる。新聞はリード文に情報がまとめられていると気付いた」と喜んでいた。

就職フォーラムで読み方講座をしました

 2月26日、沖縄タイムス社が主催する合同企業説明会、就職フォーラム(沖縄コンベンションセンター)で新聞読み方講座を持ちました。企業のブースを回る傍ら、新聞に興味をもってくださった就活生に以下のような内容で話をしたり、簡単なワークショップをしました。ワークショップは大阪経済大の樋口克治教授の講義内容やご自身の日課を参考にしました。WS2ではその場で選んだ記事について、紹介し合ったり、考えたことを伝え合ったりしました。
フォーラムは4月11日にも開催されます。こちらからタイムス就職ナビにリンクします。

以下は当日配布したレジメに補足したもの。
~~がページの切れ目です。

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02140226就職フォーラム新聞読み方講座
 テーマ「流れの中でとらえ 発想の材料に」

1.新聞の仕組み
・一番重要な部品「見出し」(1)要点 (2)文字の大きさがニュース価値判断
・見出しの次に読む「リード(前文)」 (1)要約~ここだけ読めばほぼ分かる

2.新聞の特徴 他メディアとの比較
・一覧できる 日付で区切っている 昨日あったこと一覧
・雑多である 隣の記事との予期せぬ出会い 紙の辞書と同じ
・保存がきく
・切り貼り、書き込みができる

3.WSその1 知っている出来事はいくつ?
 初めは記事にある言葉の意味すら分からずとっつきにくいはず。
 出来事は連続しているので、文脈の中でとらえることが大事
 →紙面すべてを読む必要はない。
 →見出しだけ、関心あるものだけから始まり、そこから広がる

4.WSその2 気になる記事データベース
 今日の記事から見出しを書き、20字程度コメントをつけてみましょう
 コメントすることで記憶に残る 当時の考えが残る
 情報をより分け 興味・関心を見つけ 発想を広げる
 毎日1本で来年4月までに400本の自家製データベースができる
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WSその1
以下は沖縄タイムス2月の社説の「テーマ」と「見出し」です。
聞いたことがある程度でも知っているものにチェックしてみましょう

□ <STAP細胞>結実した若さの独創力
□ <失業率低下5.7%>質の改善も重要課題だ
□ <生活保護率2位>高齢者の貧困は深刻だ
□ <橋下大阪市長辞職>何のための出直し選か
□ <サッカー場汚染>基地内にも飛び火した
□ <島尻氏発言>国の強行 後押しするな
□ <14年度県予算案>総額に浮かれず検証を
□ <「建白書」来春廃棄>「言行不一致」の象徴だ
□ <春闘と非正規雇用>待遇改善に本腰入れよ
□ <拝啓 ケネディ大使>現地訪ね市長と会談を
□ <墜落跡に有害物質>疑念募る米軍の調査だ
□ <米大使・市長会談>切実な訴えは届いたか
□ <是正要求>教育現場の混乱避けよ
□ <「辺野古」で百条委>承認の疑念を解明せよ
□ <新国際線ターミナル>海外の潜在力取り込め
□ <国内最古の貝器>人類史の貴重な痕跡だ
□ <動きだした知事選>辞職せぬなら出馬せよ
□ <軍労務カード>活用放置は行政の怠慢
□ <調整メモ作成せず>承認過程が検証できぬ
□ <「辺野古」百条委>環境軽視に疑念深まる
□ <知事証人喚問>政治判断ではないのか
□ <集団的自衛権答弁>首相の独走を危惧する
□ <揺らぐ日米関係>首相の歴史認識がとげ
□ <教育委員会改革>政治介入の懸念が残る
□ <武器輸出新指針>平和主義を捨てるのか
  チェックの数 25日中 日
 ※応用 知っている出来事には、書かれていない人名、地名、関連する単語を書き加える
 意図:社説の一覧は、今問題になっていること、考えるべき事柄の一覧
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WSその2
【気なる記事データベース】
私の例
140218Tひと29面「現実の店舗にも普及/ビットコイン」(リスク高く、流行りで終わるか)
140224Tしま29面「母校に恩返し 演台贈る」(手に職。同時に誇りも手にできる社会になれば)
140224T海沖31面「いっこく堂「進化見せる」英語でネタ」(現地の言葉で伝えたいのは話芸ならでは)
140224T暮ら33面「女性選手 多い月経異常」(身体は将来の自分のものでもあるのだな)
140225T総合1面「タクシー4月に新運賃」(値段一緒でちくわの穴が大きくなる的な)
140225T経済9面「県産コスメ一堂に」(競合より「その場に行けばある」が魅力)
140225Tひと29面「米食べ脱メタボ」(一方で炭水化物抑制も。百家争鳴でも生きてる)
140225Tしま24面「「定置網丼」人気上昇中」(ネーミングの妙。ムロアジ丼より食指動く)
140226T経済9面「ビットコイン アクセス不能」(不能が通用するなら通貨になれないのでは?)
140226T社会39面「ネットバンク2300万円被害」(ネットに地理は無関係だが、身近に感じる)

日付+新聞名+面「見出し」(コメント)の形で今日の記事を選んでみましょう
 意図:新聞の継続的に読む動機付けに

「新聞は社会の入り口」 県内大学でNIE広がる 研究者・記者が活用法紹介

 新聞を教育に活用するNIEを大学の講義に取り入れる動きが出てきた。就職活動に生かしたり、憲法に関連する記事を探すなどさまざまな取り組みが広がっている。講師は「社会と対話する道具」として新聞活用を進めている。

自分の意見を 沖縄国際大で就職活動向け新聞講座

 「毎日、読み続けていれば、情報が(頭の中に)たまっていって、つながってくる」
 大阪経済大学教授で名桜大学客員研究員の樋口克次さんは12月19日、市の沖縄国際大学で行った出前授業で、新聞を通じて社会が求める能力を身に付けることができると強調した。
 就職活動を控える学生50人に、雇用や労働、就職を希望する職種の記事をチェックするようアドバイス。毎日、15分程度とするなど時間を決めて読むことを勧め、時間がなければトップ記事の見出しを読むだけでもいいと、気軽な活用法を紹介した。「自分の意見をしっかり持つことが大事。卒業すれば社会と向き合わなければいけない。新聞はその入り口になる」と強調した

憲法と見比べ 沖縄女子短期大学でワークショップ

 「私たちの生きていく上での権利に関係があることは、憲法とつながっている。探してみて」。那覇市の沖縄女子短期大学では同20日、80人の学生が新聞記事から日本国憲法と関わりのあるものを見つけた。沖縄タイムス社会部の具志堅学記者が助言した。
 新聞をめくりながら、教科書や憲法の条文と見比べて記事を選んだ。
 聴覚障がいの男性がラジオ番組に出演した記事(本紙11月29日付)を選んだ学生は、人権について定めた第11、13、14条を当てはめて「障がいを持っている人がいろいろなことに挑戦することはいいこと」。別の学生は、「保育者を目指す私たちにとって何かできることがないかを考えることは大切」と感想を寄せた。
 講師を務める県NIE推進協議会会長の山内彰さんは「新聞は社会そのもの。これを通じて学んでほしい」と話した

就職活動を控えた学生に新聞の活用法を助言する樋口克次さん(左)=12月19日、宜野湾市の沖縄国際大学

 

 

新聞から深める交流 NIE月間特集

 

 新聞を教育に活用するNIEが小学生から社会人にまで広がってきた。那覇市の興南中学校では新聞部がスタートした。那覇市の施設では、記事を基に意見交換するワークショップをうつ病のケアに取り入れる試みも。新聞を通してコミュニケーションが深まる点が注目され始めている。県NIE推進協議会(山内彰会長)は30日午後1時から沖縄市与儀の県立総合教育センターで第7回県NIE実践フォーラムを開き、コザ小学校の公開授業などを行う。

【興南中新聞部】

表現する喜び つかむ

沖縄タイムス社の編集局を見学する興南中学新聞部のメンバー=那覇市久茂地のタイムスビル

  興南中学校に9月、「新聞部」が発足した。情報発信を通して、判断力やメディアリテラシーを育てようという取り組みで、部員は1、2年生約15人。校内行事を中心に取材を重ねており、見出しやレイアウトにもこだわっている。
 11月中旬、生徒たちは、合唱コンクールを詳報する紙面を作っていた。「2年生が珍しく優勝したってことが大事じゃない?」「3年生以外の優勝は何年ぶりだっけ?」。何をトップ記事にするか、どんな見出しをつけるかを、議論しながら決めていく。
 「コメントが足りない」と感じた部員は、教室を飛び出し、追加取材に。みんなに「デスク」と呼ばれる部長の呉屋翔真君(14)=2年=は「ワイワイ楽しんでやっているけど、結構真剣です」とほほ笑んだ。
 徳村佳恋さん(14)=同=は「記事を書くのは難しい。困ったときは、新聞で読んだ言葉を思い出して書いている」と説明する。金城勇希君(13)=同=は「見出しを考えるのが大変」と苦笑した。
 ただ、活動を通して、表現する喜びや、コミュニケーションの楽しさを感じている、と話す。
 安座間智輝君(13)=同=は「今は未熟だけど、力を付けて、卒業までには本物の新聞に近いものを作りたい」と意欲を見せた。
 発足から間もないが、顧問の石川美穂先生は、生徒たちの変化を実感している。「伝えるべきことを的確につかめるようになり、言葉の意味も真剣に考えるようになった。うれしい」とにっこり。今後は「校外、県外へと取材フィールドを広げて行ってほしい」と期待を寄せる。

【大学生に語る新聞との付き合い方】

社会が求める力 養う/多様な情報 見出しで一覧

 大阪経済大学教授・樋口克次さんに聞く

 大阪経済大学経営学部教授で名桜大学総合研究所客員研究員の樋口克次さんは長年、新聞を活用した講義に取り組んでいる。「沖縄の将来を支える人材をつくる意味で、学生には新聞を読んでもらいたい」と話す。
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大阪経済大 樋口克治教授

 見出しは長い本文の要点を表現している。ここに目を向けてほしい。
 学生には毎日、新聞を開き、できればすべてのページの見出しに目を通すことを勧めている。時間がなければ大きな見出しだけ、そうでなければトップの見出しだけを読むといい。それだけでも、いろいろなジャンルのニュースを頭に入れることができる。
 新聞を持ち歩き、一人きりの食事の時間や、授業の合間、自宅でならトイレの中で読む方法もある。持ち出せなければ、気になった記事を携帯電話やスマートフォンなどのカメラで撮影しておいて、拡大して読めばいい。ごみのようにわずかな時間でも読める。
 気になった記事の見出しを抜き出して一言コメントを付けることを日課にできればしめたものだ。
 新聞を活用することで「情報把握力」「考え抜く力」「発信力」など、社会が求める力を身に付けることができる。主体性や実行力を養うことにもつながっていく。
 就職活動に臨む前には、視野を広げておく必要がある。企業側は社員に創造性や課題を見つける力を求めている。ブラック企業や自分に合わない職に就いてしまうのを防ぐことにもなる。企業の出す情報を正確に読めるようになり、自分が何をやりたいか真剣に考えられるようになる。
 例えば11月1日付1面の「重粒子線がん治療施設」の記事を読んで「医療ツーリズムが盛んになる→アジア各国の富裕層がやって来る → レベルの高いおもてなしが必要になる → 語学が大事だ」と思考を深めることができれば、これから何が求められるかや就職先の選択や起業にもつながる。
 新聞を通して、自分の生き方が見えることがある。それは新聞が多様な情報を一覧できるメディアであるからだ。

【比屋根小の授業】

写真から創作 楽しい物語/「イメージ広げやすい」

新垣空海教諭の指導で新聞の写真を基にした物語を作る子どもたち=沖縄市立比屋根小学校

 沖縄市立比屋根小学校3年3組の子どもたちが21日、新聞の写真から物語を作っていた。高校野球の沖縄尚学の練習風景、茶色のパンダ、ヤンバルクイナなどの写真から、思い思いのドラマを考え、B3サイズの本に仕立てた。
 国語の単元に新聞活用を組み合わせた。担任の新垣空海(そらみ)先生は「新聞の写真を使えば、背景なども写っていて、イメージを膨らませやすい」と話す。
 座間味良悟君(9)は、村人の食べ物を食べてしまう、どろぼうネズミの物語を作った。村人に懲らしめられて反省し、仲直りする筋書き。ネズミや村人の絵も合わせて6ページに、びっしり書き込んだ。「写真を見て、どろぼうネズミの話を思いついた。作文を書くのは大変だったけど、面白かった」と話した。
 比屋根小は思考力、判断力、表現力を育てるため言語活動の充実を目指す。3年生はその一環で新聞活用に取り組んできた。廊下の壁には、記事のスクラップがぎっしり。5W1Hを抜き出し、使われている言葉の意味や感想や意見を書き込んでいた。
 「いい湯だな♪ 五右衛門風呂」(8月2日付本紙)を貼り付けた子のワークシートには「昔のやり方でがんばってお風呂を作ったりして楽しんだなんて、いいなとおもいました」と書かれていた。

【社会人への広がり】

切り抜き 社会人にも/記事見て増す対話

切り抜き新聞作りを楽しんだ社会人参加者。言葉を交わしながら作業を進めた=那覇市の若狭公民館

 沖縄タイムス社が記者を派遣する出前講座が盛況だ。派遣先が、小学校から大学、社会人にまで広がってきた。
 「今の仕事に関係する」「理想の仕事」「癒やされる」「問題意識に引っ掛かる」。20~30代の男女が四つのテーマから一つを選び、切り抜き新聞を作っていた。
 10月21日、若狭公民館であった出前講座は、参加者が和気あいあい言葉を交わしながら、作業を進めた。
 気になった記事を切り抜いて台紙に貼り、コメントを書き込んだ切り抜き新聞を完成させた。
 それぞれの作品を鑑賞し合い、短いコメントを書いた付箋を貼り付けた。参加者からは「大人でも十分に楽しめた。新聞にまとめることで、自分の考えを客観的に見ることができた」などの感想が寄せられた。
 7月には、うつ病で休職した人が職場復帰を目指す施設「BowL(ボウル)」で出前講座を開いた。代表取締役の荷川取佳樹さん(46)は「一番いいのは思いを吐き出すこと。新聞記事を基に話すと普段より発言が増えて、効果が高いと感じた」と手応えを感じていた。
 出前講座の問い合わせ先はNIE事業推進室。 問い合わせはこちらから

 

 

新聞通し報道を考える 沖大で沖縄タイムス寄付講座

 沖縄タイムスの寄付講座「ジャーナリズム論」が25日、那覇市の沖縄大学で始まった。新聞の読み方やしくみを、社会部の具志堅学記者がワークショップを交えて、見出しとリード文で記事の大意を知ることができることなどを伝えた。

本紙記者の助言で切り抜き新聞をつくる学生ら=那覇市の沖縄大学

 ワークショップでは印象に残った記事を選び、切り抜き新聞を作った。「喜」をテーマに集めた記事はスポーツや長寿の話題など、さまざま。参加者は意見交換しながら一枚に仕上げた。
 1年の平良龍一さんは「将来はマスコミへ就職したい。大学入試の時、基地問題について新聞を使い勉強した。新聞の読み方を学んであらためて興味を持った」と話した。
 寄付講座は、昨年同大学地域研究所が沖縄タイムス賞を受賞したのがきっかけ。週に1回、来年2月まで。今後は論説委員や現職記者、OBらが講師を務める。