先生たちも新聞活用法学ぶ NIEアドバイザー、自校で研修会

生命や郷土愛 道徳教材探す 大里中学校

 南城市立大里中学校の校内研修で21日、NIEが取り上げられ、記事を道徳の教材にするワークショップをした。

道徳の授業で使える記事を探して設問を考える教員=21日、南城市立大里中学校

 同校の兼松力教諭(日本新聞協会NIEアドバイザー)が講師。道徳で教える24の内容項目をワークシートに例示し、どの項目の教材になるか選んだ上で生徒への発問を考えた。兼松教諭は記事から答えを探せるものではなく、生徒の考えを引き出せる発問がよいと助言した。
 熊本市で犬猫の殺処分がゼロに近づいているという記事を「生命の尊重」「よりよい社会の実現」で、方言札の記事を「郷土愛」で使う案などが発表された。
 携帯電話に出ないとゲームやメールができなくなるアプリを米国の母親が作った記事を選んだ波照間生子教諭は「作り物的な教科書と比べて新聞記事は新鮮で生徒の食いつきがよさそう」と手応えを話した。

記事読み聞かせ コツと実践紹介 比屋根小学校

 沖縄市立比屋根小学校の教師が22日、学習に新聞を使うNIEの基礎と実践例を学んだ。日本新聞協会NIEアドバイザーの佐久間洋教諭が在籍しており、講師を務めた。

気になった記事を紹介し合う教員=22日、沖縄市立比屋根小学校

 教師と児童の役割分担をして記事の読み聞かせを体験。佐久間教諭は「ただ読み上げるだけでは駄目。言葉に注目したいときは意味を問い掛けたり、狙いを持ってキャッチボールしながらやってほしい」と呼び掛け、授業の導入部分に取り入れるなど具体的な助言もした。
 比屋根小では佐久間教諭が赴任してきた本年度から、6年生が週末の宿題で保護者コメント付きの新聞スクラップに取り組んでいる。担任の仲泊元教諭は「初めは選んだ理由もなかなか書けなかったが、10回ほど続けたころから書く量が増えた。親のコメントを読んで子どもが視野を広げている」と報告した。

[出前記者]新聞活用法探る 児童の表現力向上へ 豊見城・伊良波小

 豊見城市立伊良波小学校は18日、沖縄タイムスの具志堅学記者を招き、NIE出前講座を開いた。新聞を授業に活用する目的で教師25人を対象に見出しや記事の書き方の特徴、利用法を学んだ。

新聞の授業への活用法について学んだNIE出前講座=18日、豊見城市立伊良波小学校

 4人1組に分かれて「喜」「怒」「楽」などのテーマごとに記事を選ぶ作業に挑戦。島尻千賀子教諭らは、読み聞かせや、写真から思いを読み取るといった方法で「新聞が授業に使えるのでは」と手応えを感じた様子だった。
 平良正栄校長が前任校で児童の表現力の高まりを実感したことから校内研修として企画。児童は「5W1H」を心掛けて文章を書くようになったという。
 平良校長は、NIEを南部に広げるきっかけにしたいと意欲。具志堅記者は「新聞が、授業に気軽に使えることを知ってほしい」と話した。

NIE実践例 教員学ぶ 大里南小で30人研修

 日本新聞協会指定のNIE実践指定校、南城市立大里南小学校(宮城末義校長)で15日、県立教育センターから講師を招いたNIE研修があり、教員約30人が意義と実践例を学んだ。

選んだ記事について意見交換する教員ら=15日、南城市立大里南小学校

 NIEアドバイザーでもある甲斐崇研究主事が講師。好きな写真を選んで吹き出しにせりふを付ける実践で45分かかった経験を話し「写真を選ぶのに時間がかかる。たくさんの情報から選ぶことは実は難易度が高い。興味関心が薄い子には特に視点を持たせる言葉掛けが必要」と呼び掛けた。
 受講した教員からは「難しそうと思っていたが、早く子どもたちとやってみたいと思った」などの声が上がった。

写真を使い 実践例学ぶ 宜野座村松田小学校教師

 県立総合教育センターのNIE出前講座が13日、宜野座村立松田小学校(伊波和子校長)で開かれ、教員9人が写真を使った実践など具体例やNIEの意義を学んだ。

気になった記事を選び、紹介し合う教員ら=宜野座村立松田小学校

 同校は来年度、新聞を使った授業を展開したいと考え、担当の甲斐崇研究主事を招いた。伊波校長は「まずは写真を使うなどいろいろなアイデアが学べた。こんな人になりたいという記事を集めて夢を広げるなどキャリア教育にもつなげていきたい」と抱負を話した。
 センターの出前講座は来年度分の受け付けを開始。校内研修のほか、児童生徒への授業、研究授業の支援などに活用できる。

 教育センターのホームページはこちらから(別窓が開きます)。

教育センターの出前講座(NIE)の受付が始まりました

 沖縄県立総合教育センターから講師が出かけていく「出前講座」の受付が3日始まりました。講座内容にはNIEも含まれています。校内での教員の研修や児童生徒向けの授業で活用できます。センターのホームページ(トップページの「平成26年度出前講座」)で概要を確認後、電話で日程調整の上、申し込みとなります。

新聞親しむ一歩 教師ら実践学ぶ 喜瀬武原小中で研修

 本年度から日本新聞協会のNIE実践指定校になった恩納村立喜瀬武原小中学校(西野朗校長)で27日、NIE校内研修が開かれた。小中合わせて20人の教師が県立教育総合センターの甲斐崇研究主事に理論と実践例を学んだ。

新聞から気になった記事を紹介しあう喜瀬武原小中学校の教師たち=恩納村喜瀬武原

 甲斐主事は、全国学力テストで新聞から必要な情報を読み取る設問が出されていることを指摘。「新聞はさまざまな使い方があるが、子どもにどんな力を付けたいかを考えて使ってほしい」と結んだ。記事を読ませる前に写真を使った実践で新聞に慣れさせることを勧めた。
 同校は「思考力を育む授業」を本年度のテーマに掲げている。研修担当の仲村渠正智教諭は「新聞を読むには漢字を読めるなどいろいろな力が必要だが、すべての力を付けてから読むのではなく、読むことで必要な力を付けていけるのだと思った」と研修の感想を話した。

NIE事業推進室を開設しました

 沖縄タイムス社は5月から、編集局にNIE事業推進室を設置しました。紙面と事業運営の両輪で学校、家庭、地域の新聞活用を支援します。
 日曜日の親子向け新聞「ワラビー」、月1回の「月刊NIE」(毎月最終水曜日)などの紙面づくりと、スクラップ教室・コンテストや児童・生徒、教師向けの出前授業、地域での新聞活用講座などの事業を行います。
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