新聞で言語力育てよう 高校教員学習会 記事執筆に挑戦

 新聞を教育へ活用する方法を探ろうと、高校国語科の教員を対象にした学習会が15日、那覇市の小禄高校で開かれた。講師を務めたNIEアドバイザーで大里中の兼松力教諭(写真左)は、新聞への投稿を通して生徒の意欲を引き出す取り組みなどを紹介。「言語力を育てるために新聞を使ってほしい」と呼び掛けた。参加した16人は、記事を書くことにも挑戦した。
 兼松教諭は「生徒の投稿が新聞に載ることで、他の生徒の意欲も引き出せる」と強調した。参加者は、この学習会をテーマに記事を執筆。新聞記事を手本にして、限られた字数に四苦八苦しながらも原稿用紙に書き込んでいった。
 那覇国際高校の川本真梨子教諭(27)は「記事を書いてみて難しいと思った。具体的な実践例を体験して、新聞を授業で活用できそうだと感じた」と話した。

先生が記事を書いちゃいました

 県立小禄高校で15日、新聞活用の手法を学ぶNIE学習会が開かれ、約20人の教員が参加した。同研修は県高校国語科教育研究会の指導方法学習会の一環として行われたもので、講師の兼松力大里中教諭のアドバイスのもと「NIEを知ろう」をテーマに、NIEの現状や具体的な実践例を学んだ。
 兼松教諭は冒頭、NIEの手法が記事の内容そのものを授業に生かす「内容論」から記事の書き方や構成など新聞の特徴を活用する「方法論」に推移していることを説明した。新聞の大きな特長として、さまざまな分野の記事に一度に目を通せる「総覧性」を挙げ、他のメディアにはない利点を紹介した。
 参加した教諭の一人は「全国的なNIEの動きや他教科と連携した活用法を学べた」と述べた。ワークショップでは、参加者がそれぞれ、研修内容を題材にした記事作成に挑戦。制限字数内に収めることに四苦八苦していたようだ。
(浦添高校・當間晶子教諭)

 県立小禄高校で15日、国語科指導方法学習会が行われた。県内高校国語教諭を対象に、NIEアドバイザーの兼松力大里中教諭が「NIEを知ろう」のテーマのもと、講演した。新学習指導要領における「言語活動の充実に関する基本的な考え方」への学習例として、新聞を活用した実践方法をいくつか紹介。そしてグループでのワークショップを通してNIEへの関心を高めた。
 兼松教諭によると、「新聞の利点は総覧性にある」という。新聞全体を通して様々な記事に触れ、読み取れる情報を選択・分析・評価した上で自らの考えを深める。それらを通して他者とコミュニケーションを行うための「言語力」の獲得に効果的な方法が、NIEということだ。
 参加者はみなメモを取りながら熱心に聞き入った。ある教諭は「一つの新聞記事だけではなく、新聞全体を活用した学習方法を初めて知った。もっとNIEについて知っていきたい」と述べた。
(陽明高校・大湾朝香教諭)

新聞のイロハ学んだよ 豊崎小で100人体験 社会見学を記事に

できあがった新聞をグループで発表し合う5年生=豊見城市立豊崎小学校

 豊見城市立豊崎小学校(濱元朝純校長)の5年生約100人は6日から13日にかけて、社会見学の体験を個人で新聞にまとめる授業を実施した。沖縄タイムス社などを見学した後、NIE担当者を招いて新聞のつくりの特徴や工夫の講話を聞いた。
 児童は6日に那覇市内の県立博物館、牧志駅前ほしぞら公民館、沖縄タイムス社を見学。
 翌7日には沖縄タイムス読者局の安里努NIE担当を招き、見出しが記事の内容を表す新聞の特徴や写真や表などの「部品」、記事を囲むなどの工夫で読みやすくしていることを学んだ。
 13日の授業で発表をした3組の松山宏生(ひろお)君は「色づかいやクイズを入れる工夫をした。見出しを大きくしたら見やすくなった」と話していた。

島袋さんちのNIE (41)読み聞かせ/クイナ輪禍 最悪ペース

事故からクイナ守るには

まずは安全運転大事だね

 ヤンバルクイナの交通事故が過去最多という記事に注目した島袋久仁人さん(48)。息子の敦也君(13)と防止策を考えます。

クイナ輪禍 最悪ペース

■2012年9月7日社会面 国の天然記念物ヤンバルクイナの交通事故が、9月5日現在で39件に上り、過去最多になったことが分かった。最多だった昨年同時期に比べて11件多く、昨年の37件をすでに上回る最悪のペース。個体の総数が増えていることや、道路の路肩がエサ場となっていることが原因だと指摘されている。

久仁人さん▶敦也、ヤンバルクイナが交通事故にあって死亡した数が過去最悪との記事があるぞ。
敦也君▶えっ、道路に飛び出して、車にはねらたということか。
久仁人さん▶そうだな。クイナの数が増えていることも原因のひとつだそうだ。
敦也君▶お父さん、ヤンバルクイナの数が増えているのは、マングースみたいな天敵が減っているということかな。事故にあわないよう、どんな対策をとっているんだろ。
久仁人さん▶「クイナに注意」という標識はあるよね。
敦也君▶クイナ用のガードレールや橋をかけるとか。
久仁人さん▶道路に大きく「クイナの親子横断中!」なんて書くのはどうか。
敦也君▶クイナのかっこうしたおまわりさんの人形をたたせるのはどうかな。
久仁人さん▶運転者がスピードを出しすぎないようにすることが第一だよな。

新聞づくり楽しいな 名護市久辺小 本紙記者から学ぶ

 名護市立久辺小学校(富田尚校長)で12日、新聞を使った授業があった。5、6年生計50人余りが合同で新聞のしくみや取材の工夫について講話を聞き、今後授業で行う新聞づくりの参考にした。

当日の新聞記事から自分が気になる記事を紹介し、理由を発表する5年生=名護市立久辺小学校

 沖縄タイムス北部支社編集部の長浜真吾記者が取材で気を付けていることを講話。「取材に行く前に下調べをするけれど、現場で発見したり、面白いと感じたりしたら方向転換する。それが現場に行く楽しさ」と自らの目で見て感じる大切さを話した。沖縄タイムス読者局の安里努NIE担当が見出しなど、新聞のつくりについて話した。
 次の時間は学年ごとに授業。5年生は当日の新聞から気になる記事を貼り付け、選んだ理由と感想を書いた。6年生はこれまで体験した行事などの写真を基に見出しを考えた。
 5年生の島袋涼華さんは全国でいじめが7万件以上に上るという文部科学省調査の記事を選んだ。「いじめが早くなくなってほしい、どうやったらなくなるか考えたいと思って記事を選んだ。新聞をつくるのが楽しみになった」と授業を振り返った。

【2012年10月5日追加】6年生の授業でつくった新聞について「日記」に記事があります。

授業で新聞活用 先生も学ぶ うるま市中原小

NIEをテーマにした校内研で、教員らは切り抜き新聞をつくる実践を行った=うるま市立中原小学校

 新聞を教育に活用するNIEをテーマに、うるま市立中原小学校(安里禮子校長)が10日、教員らを対象にした校内研修を開いた。講師を務めたNIEアドバイザーの兼松力・大里中教諭は「新聞を論理的な能力を身に付ける道具として使って」と話し、実践例を紹介した。
 兼松教諭は新聞の活用法について、新聞記事の内容そのものを教材として使う「内容論」から、新聞ですごろくを作るなど道具として使う「方法論」が主流になり、より気軽に授業に取り入れられるようになった現状を説明した。
 ワークショップでは、グループで切り抜いた記事に順位を付け、新聞1ページ大の紙に、実際の新聞のようにレイアウトしてスクラップ新聞を作り上げた。
 兼松教諭は、作業の中で児童が話し合うことを重視するよう助言。新聞を使い「言語活動を充実させることが大事」と強調した。

記事の感想 五七五に 真和志高校でワークショップ

当日の新聞をめくり、気になる記事を探す生徒=真和志高校

 真和志高校の国語表現科目で新聞を使った授業が11日、行われた。同日付の新聞から気になる記事を選び、あらましと感想を言い合ったり、感じたことを五七五の定型で表現したりした。
 2年生と3年生の計20人余りが参加。沖縄タイムス読者局の安里努NIE担当が見出しなどの役割を説明してワークショップを進行し、2人の教諭がグループを回って指導する形で進めた。
 クリエイティブアーツコース3年の普天間美南さんは、連載「十五の春」の高校生アンケートの記事を読み「島離れ 不安をかかえ つらい日々」と思いを寄せた。
 新聞を毎日読み、授業でも感想文を書いたりしたという普天間さん。「感想を五七五にするのは初めてだったけど、文章を書くより思いが出しやすかった」と振り返った。
 科目担当の新田誠教諭は「新聞は多様な記事があるので、教科書には興味を示さない生徒も関心を示していた。授業に載せる材料としてどう使うか考えたい」と話した。
 

新聞スクラップで視野広がる 瀬長あおいさん【サイトオリジナル】

 ふだんから新聞スクラップに取り組んでいる瀬長あおいさん(豊見城市立上田小学校4年生)の取り組みを紹介します。

豊見城市のスクラップ教室で記事を探す瀬長あおいさん(右)とお母さんのさやかさん

 あおいさんがスクラップを始めたきっかけは、2年前、2年生のときに参加したスクラップ教室でした。それまでも、お父さんが家で新聞を読む姿を見て、お父さんの次に新聞をめくっていたあおいさん。「ワラビーくいず」の答えを探して、紙面をめくるのが日課でした。
 新聞を切り貼りして感想を書くスクラップ教室での体験が面白かったようで、家でも動物の写真を切り取って台紙に貼り、周りに絵を書くようになりました。
 お母さんのさやかさん(38歳)との約束で、記事一つで1ポイントなどとポイント制にして、たまったらお菓子を買うなど続ける動機づけも持たせました。
 2012年1月に募集があった第1回新聞スクラップコンテストに動物の記事をルーズリーフにまとめて応募し、優良賞を獲得しました。あおいさんは「ことしはもっと上の賞を取りたい」と張り切っています。
 さやかさんは「初めは動物など好きなものだけ切り抜いていたけれど、だんだん視野が広がってきています」と話します。バレーボールを始めたこともあり、ロンドンオリンピックにも興味津々。サッカーで韓国の選手が竹島の領有権をアピールしたことから、ほかの国のことにも関心が向いているとか。身近なところから社会への関心を広げている様子が分かります。

【サイトオリジナル記事】