[実践 わたしの活用術](8)国語辞典の使い方を学ぶ(小学3年・国語)

記事中の言葉 意味調べ 「すごい」写真 興味導く

国語辞典の使い方を学ぶ

中原小学校 仲松久弥先生

対象 小学3年生
教科 国語
指導時間 2時間

【授業の様子】
 新聞記事を通して国語辞典の使い方を学ぶ授業があった。仲松久弥先生が、梅雨入り、雷、ヒメハブ、イリオモテヤマネコの写真入りの記事を黒板に貼り付ける。
  「おおっ。すごい」
 動物や自然現象は子どもの関心を引きやすいといわれる。インパクトのある写真を選んだことで、さらに子どもの集中力が高まっているように見えた。
 仲松先生の問い掛けに子どもが元気よく答える。
 「稲妻って何ね?」「雷」「雷って何でできてるの」「電気!」
 それぞれが好きな記事を選び、辞典とにらめっこ。
 「いなご、いなさく…いなずま、あった!」
 「断続って?」「切れたり続いたりすること」
 「このページに載ってるよ。開いてみて」
 一人で見つけられる子、仲間に教えてもらう子。グループにすることで、子どもの間で教え合う光景が生まれた。
 「84センチ ヒメハブ どうジャ」(5月14日付本紙)を選んだ新垣志織さん(8)は「写真でもヒメハブを見るのは初めて。本物を見たいと思った。辞典引くのは難しいけど、漢字の意味がどんどん分かる」と目を輝かせた。

【授業の手順】
(1)目当てを確認する
 辞典の引き方を復習する。「新聞の中から言葉の意味を調べ、記事を分かりやすく説明しよう」という目標を確認する。ワークシートに使った記事を掲示して説明する。
(2)調べたい言葉を選ぶ
 記事を載せた4種類のワークシートから1枚を選ばせる。分からない言葉や、意味があやふやな言葉を書き出してもらう。
(3)辞典で意味を調べる
 書き出した言葉の意味を辞典で調べさせる。
(4)記事の内容を紹介
 ペアを組んだ子ども同士で、記事の内容を紹介し合う。
(5)発表
 数人に発表させる。調べた言葉の意味も話してもらう。

 

【ねらいとポイント】

中原小学校 仲松久弥先生

■ねらい
 国語辞典に親しんでもらいます。調べたい単語が五十音順に並んで載っていることや意味を調べることができる点を理解してもらいたいと思います。新聞記事は「言葉の宝庫」です。時事的な事柄を扱っていて、子どもの興味関心を引き出せると考えました。
■ポイント
 記事は大事なことから書かれています。あらかじめ後ろから切り、15行程度にして子どもが読みやすくしました。動物や自然現象など、写真にインパクトがある記事を選びました。子どもが興味を持ちやすいと思います。
 漢字が読めずに苦労している子がいました。初めに記事を音読したり、調べる言葉をいくつか指定すれば、もっとスムーズにいったかもしれません。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

気軽に実践 読み聞かせ 学年ごとに記事選び助言 第1回おきなわNIEセミナー

 おきなわNIEセミナーが11日、那覇市の沖縄タイムス社であった。教員らと各新聞社でつくる県NIE推進協(山内彰会長)が取り組んだ初のセミナーに教員や保護者32人が参加。NIEアドバイザー3人が、読み聞かせや意見交換などの実践を通して、児童・生徒の発達段階に応じて記事を選ぶ大切さを強調した。

)NIEセミナーで先生役と生徒役に分かれ「新聞読み聞かせ」を実践する教員ら=那覇市久茂地のタイムスビル

 メーン講師を務めた県立総合教育センター研究主事でアドバイザーの甲斐崇さんは、朝の時間で気軽に取り組めるメニューとして「新聞読み聞かせ」を紹介した。
 (1)紙面の紹介(2)出典を明らかにする(3)読み聞かせをする(4)教員が感想を伝える(5)児童・生徒に感想を発表させる-と手順を示し、「教科に関係なくできるので、中学・高校でも取り組みやすい」と説明した。
 4~5人のグループに分かれたワークショップでは、教師役と生徒役に分かれて新聞の読み聞かせを体験。教師が、記事で使われた語句などの意味を生徒に問い掛けて反応を引き出し、記事の内容を理解させる手法を学んだ。
 伊平屋小の佐久間洋教諭は、発達段階に応じて記事を選ぶ重要性について助言した。小学生に対しては、「低学年は写真で引き付けるのが大事。動物などの話題が親しみやすい。高学年なら身近な地域の話題。どの学年も同世代の子が活躍している記事には興味を持つ」と指摘した。
 城北中若夏分校の仲程俊浩教諭は「授業の導入では、中学生も写真や身近な話題がある市町村面の記事を使うといい。3年生になれば自分の意見を述べられるようになる。高校生は、大学生の就職などの進路についての記事を題材にするといい」と強調した。
 また甲斐さんは、経済協力開発機構(OECD)の学力調査で、児童・生徒の新聞への接触率の高い国・地域の成績が良かったことを紹介。「子どもたちには、必要な情報を選び、自分の言葉として発信する力が求められている」とし、新聞を通した言語活動の大切さを示した。

NIE事業推進室を開設しました

 沖縄タイムス社は5月から、編集局にNIE事業推進室を設置しました。紙面と事業運営の両輪で学校、家庭、地域の新聞活用を支援します。
 日曜日の親子向け新聞「ワラビー」、月1回の「月刊NIE」(毎月最終水曜日)などの紙面づくりと、スクラップ教室・コンテストや児童・生徒、教師向けの出前授業、地域での新聞活用講座などの事業を行います。
 お問い合わせはこちらから

学生結ぶ記事切り抜き 資格取得や授業に活用 沖国大で「しんぶんカフェ」

 沖縄国際大学内に「沖国しんぶんCAFE」が4月に誕生した。ディベートや資格取得に向けた勉強などに生かそうと学生たちが足を運んでいる。新聞を切り抜き、自らの視点を付箋に書き込んで次に読む人にリレーするなど、独自の新聞活用法を展開している。(與那覇里子)

新聞で社会的課題を読み取り、意見を出し合う学生ら=16日、沖縄国際大学

 同カフェは、那覇市安里のコミュニティーカフェ「origin」で開かれている「しんぶんカフェ」の2号店。大学内の福祉・ボランティア支援室にあり、常時開放されていて、自由に利用できる。テーブルの上に、沖縄タイムス、毎日新聞、福祉新聞の3紙が置かれ、自由に読むことができる。新聞になじみのない学生に身近に感じてもらおうと、同室の職員や学生らが記事を切り抜き、貧困や福祉などのテーマごとの区分けもしている。
 開設のきっかけは、同大3年の吉濱文佳さん(20)が、同室に常駐する経済環境研究所の稲垣暁特別研究員に「社会福祉士になるための勉強方法を知りたい」と相談したこと。稲垣研究員が「社会のニーズや現状を新聞でリアルに知ることで、学びもより深くなる」とアドバイスし、カフェの開設につながった。
 吉濱さんは同室に通い、「後見」「ノーマライゼーション」など、記事で分からない言葉があれば、辞典などで調べて付箋に書き込み、記事に貼り付ける。「教科書を勉強するよりも社会の事情も分かるし、再編集することで、自分の実にもなっている」と効果を感じ始めている。他の人が付箋を貼った箇所を読んで勉強になることもある。
 16日の昼休み。ゼミの授業で企画されているディベート大会の準備のために、約10人の学生たちがカフェに集まった。テーマは「生活保護費の削減」。貧困や高齢者の現状などが書かれた記事を読み込み、付箋に意見を書き込んで新聞に貼り付けた。
 大城翔平さん(20)は、「カフェで新聞を読むことは考えるきっかけになる。読んで自分の視点を持てるようになることが大事」。喜友名朝也さん(21)は、「切り抜かれているので読みやすい。『奨学金』の記事が身近で考えさせられた」と語った。

幸地さんちのNIE(68)粟国に珍鳥85種続々

珍しい鳥が集まってるよ

気候がよく快適なのかも

 粟国島に珍しい渡り鳥がたくさん来ています。幸地功哲君(10)と母親の富代さん(42)は、なぜ集まってきたのか考えてみました。

粟国に珍鳥85種続々

■2013年5月9日市町村面
 【粟国】「ウソ」「コルリ」「ミヤマヒタキ」など聞き慣れない珍鳥・迷鳥が粟国島に続々、飛来。

 

功哲君▶ウソ、コルリ、ミヤマヒタキ…
富代さん▶なに~? うそついたときのおまじない?
功哲君▶タイトル(見出し)を読んだんだよ! きれいでしょ。
富代さん▶わぁ。可愛いね~。鳥の名前だ。
功哲君▶「ウソ」って鳥の世界でうそつきなのかな。
富代さん▶青森では桜の芽を、このウソが好んで食べるんだって。珍しい鳥が沖縄に集まってるね。
功哲君▶海を渡って来たの?
富代さん▶5月なのに北海道では雪が降ったり、急に夏日になったり…。気候が原因かも。天気が安定しているのは、鳥にとっても過ごしやすいんじゃないかな。
功哲君▶そういえばスーサーが庭に来てるよね。こないだもキャベツについていたアオムシをつまんで飛んでいったの見たよ。
富代さん▶愛鳥週間だからってそんなにタイミング良く観察できたの?
功哲君▶ウソじゃないよ~!

[出前記者]取材のコツ学び 壁新聞を作ろう 港川小4年生

 港川小学校(崎濱秀一校長)の4年生155人は16日、沖縄タイムス記者を講師に招いて新聞の仕組みや取材のこつを学んだ。近くの浅瀬についての壁新聞を作るための事前学習で、子どもたちは「分かったことを生かしていい新聞を作りたい」と取材や新聞制作に意欲をみせた。

具志堅記者(左)に次々質問していく港川小学校の4年生=浦添市城間の同小

 講師は、社会部ワラビー担当の具志堅学記者が務め、児童はメモを取りながら聞き、取材の練習を兼ねた。
 具志堅記者は「見出しは記事の一番大事なところを抜き出したもの」「取材の前に質問することをあらかじめ考える。分かるまで何度聞き直してもいいよ」などと話し、子どもたちは真剣な表情でメモを取っていた。
 4年生は今後、近くの浜にある岩礁、通称・カーミージー周辺に出向いて生き物を観察したり、地元の人から話を聞いたりして壁新聞を作る。饒平名芽衣さんは「カーミージーの名前の由来などについて調べたい」と話した。

「新聞に興味持って」 宜野座小で本紙通信員が出前講座

 児童にもっと新聞を知ってもらおうと、本島北部地域を取材する沖縄タイムスの仲地暁通信員(61)が10日、宜野座村立宜野座小学校(宮城司校長)で出前講座を行った。5年1組の児童に、紙面の構成や特徴などを説明した。

新聞の特徴などを説明する仲地暁通信員=宜野座小学校

 仲地通信員は「新聞を見ればきょうが何の日かよく分かる」と説明。10日付本紙1面記事について吉山凜君(10)は、愛鳥週間を報じるヤンバルクイナの写真が印象に残ったと発表。交通事故の増加を伝える記事に「朝、新聞を見てびっくりした。かわいそう」と話した。
 仲地通信員は村出身で、これまでに漢那小校長を務めるなど地元に精通。村内の話題を伝えたこれまでの記事のスクラップをみせながら「みんなの住む宜野座の記事もたくさんの人たちに読まれている。新聞に興味をもってみよう」と話した。
 與儀柊人君(10)は「新聞にはいろんな記事が書かれていることが分かった。また読みたくなった」と笑顔をみせた。
 講座を終えた仲地通信員は「新聞のおもしろさをたくさんの子どもたちに知ってもらいたい。今後も活動を継続していきたい」と意欲をみせた。