6月28日 おきなわNIEセミナー いっしょに読もうコンテストを活用

 NIE実践教師と新聞社でつくる沖縄県NIE推進協議会は、下記の内容で教師向け研修会第6回「おきなわNIEセミナー」を開催いたします。日本新聞協会が主催する「いっしょに読もう!新聞コンクール」を授業に取り入れる手法を学びます。このコンクールは新聞記事を元に自分の考えを書き、さらに友達や家族の意見を聞き取り、それを踏まえて再度自分の考えをまとめるもので、児童生徒の言語活動を活性化させるツールになり、夏休みの課題にも適したものと存じます。
日 時:2014年6月28日(土) 午後1時半~4時(終了予定)
                   (受付開始は午後1時)
場 所:沖縄タイムス社(那覇市久茂地2-2-2)
テーマ:「いっしょに読もう新聞!コンクールの授業導入の工夫」
講 師:佐久間洋氏(NIEアドバイザー、沖縄市立比屋根小学校教諭)
     仲程俊浩氏(NIEアドバイザー、那覇市立城北中学校若夏分校教諭)
内 容:コンクールへの応募を疑似体験。コンクールに取り組んだ講師が授業として取り組む留意点を報告し、参加者同士で意見交換します。
定 員:30人程度
問い合わせ・申し込み先(沖縄タイムス社NIE事業推進室宛て) こちらのフォームからお送りください。

いっしょに読もう!新聞コンクールの概要はこちら(日本新聞協会サイト)から。

「ことばの貯金箱」を体験 第5回おきなわNIEセミナー

 教員向け研修会「第5回おきなわNIEセミナー」が17日、那覇市の琉球新報社で開かれ、23人がワークショップを通して学んだ。

新聞から選んだ言葉を紹介し合う教員=那覇市天久・琉球新報社

 メーンのワークショップは新聞から好きな言葉を集めていく「ことばの貯金箱」。元中学校教諭の渡辺裕子さんが東日本大震災の後、被災地の学校や地域で始めた。
 セミナーではNIEアドバイザーの古波津聡コザ小教諭が講師を務めた。新聞を1人1部ずつ配り、参加者は「大切にしたい言葉」「わくわくする言葉」などを切り抜いていった。グループに一つの箱に紙片を入れるときに「チャリーン」と合言葉を言うのが「貯金箱」らしい。
 集めた言葉を箱から出してグループの中で分け合い、各自が色画用紙に貼り付けて作品にする。紙片をつないで言葉にしたり、ペンでハート形に囲んだり、補足の文字を書き足したりした。
 グループで発表し合った後、古波津教諭が「言葉で人に優しさを与えることができる」など九つのキャッチフレーズを紹介。そんな言葉の力をたくさん持っている「ことばの億万長者」はどんな人だろうかと問い掛けると、参加者からは「人と自分に奇跡を起こすことができる」と名言が飛び出した。

各自が切り抜いた言葉を集め、分け合う。ほかの人が選んだ言葉とも出合う

 参加した寄宮中教諭の安次嶺勝江さんは「言葉から発想が広がっていくのに感動した。小学校の先生方が気軽に取り組んでいるのが分かってよかった」と感想を話した。
 この日はほかに写真に吹き出しを付けたり、記事を読み聞かせるワークショップを実施。中学校や高校での応用について、兼松力アドバイザー(大里中教諭)は「教科には組み入れにくいが、学活などでアレンジしてほしい。個々に対応でき、正解を求めないので能力差があっても取り組め、相互理解を深められる」と助言した。

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[実践 わたしの活用術](18)コラムで言葉を磨く(高校3年・国語演習)

言い換え考え 違い吟味 熟語探し 語彙増やす

コラムで言葉を磨く

興南高校 石川美穂先生

対象 高校3年生
教科 国語演習
指導時間 2時間

【授業の様子】
 興南高校3年生の国語演習の授業。拡大された本紙5月19日付のコラム大弦小弦が黒板に10枚張られている。2人一組で読み、いい表現だと思う部分に青、言い換えた方がいいと思う部分には赤印が付いている。赤と青の評価が分かれている表現がある。
 コラムは沖縄の梅雨がテーマ。屋敷や道路が舗装された今、「地面に染み込まない水」が一気に海に流れるという部分に赤印を付けたペアは「地面に染み込まない」の代案に「地面からあふれた」を挙げた。理由は「あふれた」の方が水が多く感じるという。青印(原文支持)のペアは「あふれたは容器に使う表現」との意見。
 石川美穂教諭は「文章は対比構造になっていることが多い。『染み込まない』が今のことだから対比する部分を探してみよう」と呼び掛けた。前の段落で舗装されない昔は雨が土や石積みの間に「染み込んだ」とあり、原文のままがふさわしいという結論になった。
 主語を表す助詞は「が」がよいか「は」がよいかという議論も出た。
 要旨を100字で、自分の考えを150字で書く定型の宿題を出して授業が終わった。

【授業の手順】
(0)準備
 コラムを拡大コピーし、透明のカバーの間に挟む教具にセットする。
(1)コラムを読む
 2人一組でコラムを読む。ぴったりだと思う表現に青、もっとよい表現があると思う文には赤で印を付ける。
(2)語彙(ごい)を増やす
 コラムに出てくる漢字を使った別の熟語を電子辞書で探させる。挙がった熟語を解説したり、あまり知られていない熟語を紹介したりする。
(3)言葉を吟味する
 (1)で印を付けたコラムを黒板に張る。青、赤それぞれの根拠を挙げさせ、言葉の意味、受けるイメージを共通理解にする。

 【ねらいとポイント】

興南高校 石川美穂先生

■ねらい
 言い換えを考えることは原文の意味を読み取り、ほかの言葉との意味の違いを吟味することになります。生徒は辞書にある意味以外の意味を思い込んでいることがあるので、頻繁に辞書を引いて確かめます。
 また5分の1の分量に要約するには熟語に置き換えることが必要で、語彙(ごい)を増やすことにつながり、同じ言葉を使わないように小論文対策にも役立ちます。
 記事にある言葉と関連する別の言葉を探させることでも語彙を増やします。
■ポイント
 地元紙のコラムは身近なことが書いてあり、分量も適当です。社会問題を書いたものはその問題を理解する方に思考がいってしまうので、言葉に注目する今回は季節の話題を選びました。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

切り抜き新聞づくり講座をしました うるま市グッジョブ連携協議会スタッフ向け

 5月27日、うるま市でキャリア教育や就職支援活動をしている「うるま市グッジョブ連携協議会」のスタッフ向けに新聞読み方講座、切り抜き新聞ワークショップをしました。

 まず、全ページの見出しだけを5分から10分かけて読みます。一番気になった記事を1つ選んで、今度は記事全文を読みます。4人グループになって、それぞれが気になった記事の内容紹介、選んだ理由、記事へのコメントを順番に言います。試しには時間をはかってみると2分間は長かったです。コメント力を付けるなら、1分間に制限してみるといいかもしれません。この日はそんなに堅くせず、思うまま発表し、ほかの人も意見を言い合う形で進めました。
 切り抜き新聞はグループごとに「勇気」か、「きずな」をテーマに1人1つの記事を選び、大きな紙にはります。どれがトップ記事かを決めるのですが、その基準は「よりテーマを表している記事はどれか?」です。メンバー同士でプレゼンテーションをし合います。両方の切り抜き新聞に琉球ゴールデンキングスの優勝報告の記事が入っているのが印象的でした。

 協議会では、キャリア教育にNIEを取り入れてみようと構想されていて、まずは自分たちで体験してみようと企画していただきました。

教師、NIE授業学ぶ 伊平屋小で佐久間さん出前授業

 伊平屋小学校(堀越泉校長)で16日、5年生を対象にした新聞読み聞かせの授業と教師向けのNIE研修会が開かれた。

教師が見学する中、新聞を使った出前授業をする佐久間教諭(右端)=伊平屋小学校

 前年度まで同校に在籍していた佐久間洋比屋根小教諭(NIEアドバイザー)が授業し、その後、授業の狙いなどを新たに赴任した教師らに解説した。
 佐久間教諭は、例えば語彙(ごい)を増やすなら、読み聞かせの途中で意味を児童に問い掛けるなど教師が意図を持って新聞を教材にすることが大事だと説明した。
 堀越校長は「佐久間先生の2年間のNIE活動で子どもの大きな変化を見ることができた。各先生の指導のアイテムの一つにし、まず実践してチャレンジしてください」と期待した。(西藤優三通信員)

一押し記事に個性キラリ 未来高校沖縄 NIE授業 切り抜き新聞作り

 広域通信制の未来高校沖縄学習センター(那覇市泉崎)で15日、本紙記者によるNIE出前授業があった。グループで切り抜き新聞を作って、各自が選ぶ記事の違いや共通性を実感した。

ほかのグループの切り抜き新聞にコメントを付け合う生徒=15日、那覇市泉崎・未来高校沖縄学習センター

 3年生21人が受講。整理部の具志堅学記者が見出しやリード文を読むことで大意がつかめることや、関心がなかった分野の記事との出合いがあり視野が広がることなど、新聞の読み方や特性を話した。
 4、5人のグループになり「今日の一押し記事」をテーマに1人1枚ずつ選んだ記事を紙に張って切り抜き新聞を作成。ほかのグループの切り抜き新聞を見て回って付せん紙に感想を書いていった。「同じ記事を選んであってうれしい。見逃した記事もあって着眼点がいいと思った」というコメントがあった。

新聞から言葉集め作品に 教師向けNIE講座

 教師向け講座おきなわNIEセミナー(主催・県NIE推進協議会)が17日、那覇市の琉球新報社で開かれた。新聞から好きな言葉を切り抜いて集める「ことばの貯金箱」では生徒へのメッセージや家族への感謝などを思い思いの言葉を選んで作品にした。(28日付「月刊NIE」で詳報

新聞から心に残った言葉を切り抜いて集め、紹介し合う参加者=17日、那覇市天久・琉球新報社

 NIEアドバイザーの古波津聡コザ小学校教諭が「気軽に取り組めるNIE」をテーマに3つの実践を紹介、23人が受講した。
 「ことばの貯金箱」を児童と実践した古波津教諭は「児童の言葉遣いが乱暴と感じていた。きれいな言葉には元気を与えるなどの力があると伝えたかった」と取り組んだ意図を話した。
 糸満中学校の内山直美教諭は自分のクラスの子に贈る言葉として「自立」「目標高く」「飛躍」などの見出しを切り抜いて台紙に貼った。「学活で取り組むと、言葉を通してクラスが仲間意識を持てるのではないか」と感想を話した。