紙面に息づく地域史 那覇市繁多川で新聞展 お年寄り「子らに伝える場に」

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 地域の過去の新聞記事を掲示した「あんやたん展示会」が繁多川公民館で開かれている。初日の18日は、地域誌作りに携わった住民らが集まり、道路建設や学校開校といった地域の歴史を振り返り、ユンタク(おしゃべり)に花を咲かせた。地域の歴史をつくった高齢者が子どもたちに体験を話す場にしたいとの声も上がった。展示会は5月31日まで。

地域に関する記事を読みながら当時の話に花を咲かせる参観者たち=那覇市の繁多川公民館

 新聞記事を仲立ちに地域住民や世代間の交流を図る地域NIE事業として、沖縄タイムス社と同公民館が共同で開催した。
 1948年から80年代の沖縄タイムスの記事約90点を拡大して展示。18日は会合で集まった地域誌の編集委員ら10人が目を輝かせながら記事を見て回った。
 豊かな水どころで知られる繁多川。干ばつ時に、他地域から水をもらいに来た記事などを見つけた大城誠太郎さん(80)は「地域の足跡がよみがえってくる。子どもたちにも地域の歴史を伝えたい」と話した。知念盛義さん(80)は「埋もれた歴史がまだまだあると思った。写真も残る新聞は地域の歴史を伝える教材になる」と感心した様子だった。
 公民館職員の南信乃介さんは「日付がはっきりした新聞があると、記憶がより鮮明になってほかの歴史も掘り起こせる。今後は新聞を使って高齢者が子どもたちに地域の歴史を話す機会をつくりたい」と話した。

【追加情報】
 繁多川公民館のブログでも紹介されています。

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