[実践 わたしの活用術](7)専門家の助言読み取る(小学6年・道徳)

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いじめについて考えよう 勇気持ち 自分で告白

専門家の助言読み取る

糸満南小学校 上原勝先生

対象 小学6年生
教科 道徳
指導時間 1時間

【授業の様子】
 糸満南小学校6年2組の子どもたちは、子ども新聞ワラビーに連載中の「いじめと戦おう!」の筆者・玉聞伸啓さんのインタビュー記事(2012年8月19日付)から、いじめの問題について考えた。
  記事を上原勝先生が読み上げたあと、グループで話し合いながら要点をまとめた。
 黒板に張った短冊には「あなたの笑い声は、いじめっ子を助けています」「誰も傷つけずに笑いを取ることが、あなたにはできるはずですよ」「先生や親に相談する」など子どもたちが読み取った内容が記されていた。
 発表と意見交換では、「友達にあだ名をつけて、みんなでからかっていた。でも、もうしていません」と男の子が、いじめにかかわっていたことをみんなの前で告白した。
 「言葉に出すのは、しっかり反省しているということだね。よく頑張ってくれた。ありがとう」。上原先生が声を掛ける。
 「意地悪しているのを見て一緒に笑っていた」「友達をたたいたことがある」。触発されたように次々と反省の声が上がった。
 上原先生は「自分を振り返らせることが大事だった。口火を切って発言した子の勇気に感謝したい」と話した。

【授業の手順】
(1)いじめの定義を考える
 前回を振り返り、いじめとは、どんなものか考える。
(2)記事を読む
 いじめ防止に取り組む専門家の記事を張り付けたワークシートを配り読み上げる。
(3)内容を読み取る
 話し合い活動をさせる。「いじめられている子へ」「いじめている子へ」「周りで笑っている子へ」の三つの章を各グループに一つずつ担当させ、要点を書き出させる。
(4)発表と意見交換
 要点を短冊に書き込み、黒板に張る。グループの代表者に発表させ、意見交換する。
(5)自分を振り返る
 いじめにかかわった経験がないか問いかけ発表させる。
(6)これからについて話す
 「一日一善」を掲げ、いいことをしたらメモや掲示物で取り上げ「認め合い、高め合う」学級づくりを目指す。

 

【ねらいとポイント】

糸満南小学校 上原勝先生

■ねらい
 前回の授業でイラストから「いじめている」「いじめられている」「傍観している」人がいることを学びました。今回は専門家の発言を読み取り、いじめについての見方、考え方を広げてもらいたいと思いました。その上で「いじめはよくない」という道徳的心情を育てることがねらいです。
■ポイント
 子どもが理解しやすい記事を選ぶことが重要です。今回使った記事は、子どもたちが体験しているような場面を紹介しながら助言しています。特にいじめている子を責めずに、諭しながら励ましているところが、いいと思いました。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

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