同じ読みでも違う意味 使い分け 身に付ける
異字同訓 探して調べる
小禄南小学校 石原陽子先生
対象 小学4年生
教科 国語
指導時間 1時間
【授業の様子】
新聞記事と国語辞典を使って、同じ読み方でも漢字や熟語の意味が違うことを小禄南小学校4年3組の子どもたちが学んだ。
「夏休み中に、面白い記事を見つけたよ」。石原陽子先生が8月12日付本紙のコピーを配る。甲子園で1勝を挙げた沖尚高の記事には「熱っ」、最高気温が連日40度を超えた山梨と高知の記事には「暑っ」と見出しが付けられている。
「どこが面白いと思う?」と石原先生が聞くと、「どっちも、あついって読む」「でも漢字が違う」と、子どもたちから声が上がる。
「熱い」と「暑い」の意味を辞典で調べた。熱いには「ものの温度が高い様子」「感情が高ぶっている様子」の二つの意味があることに先生が触れると、「野球のことだから、感情が高ぶっている様子が当てはまる」と答える子に、「本当に意味が違うんだ」と驚く子もいた。
今度は隣の席の子同士でペアを組んで、記事の中から音読みの「ショウ」がつく熟語を拾った。
「決勝もショウがつくんじゃない?」「商品もそうだ」。ペアの子同士で話し合いながら、拾い出した熟語を次々とノートに書き出す。話し合いが、前後の席に広がる所もあった。
子どもたちには、楽しく学べる教材が身近にあることを知る機会となったようだ。
【授業の手順】
(1)目当てを確認する
「漢字の読み方は同じでも、意味は違うことを確かめよう」という目当てを確認する。
(2)記事を見せる
異字同訓が使われている記事のコピーを子どもたちに配り、概要を理解させる。
(3)国語辞典を引く
国語辞典を引いて、意味の違いに気付かせる。
(4)新聞から熟語を探す
漢字の読み方には音訓があることを確認。隣の子同士ペアを組み、音読みの「ショウ」がつく漢字を新聞から拾い、ノートに書き出す。
(5)発表
数人に発表させる。
【ねらいとポイント】
■ねらい
新聞を教材にすることで、漢字は身近なものだと、子どもたちに伝わると考えました。自宅で新聞を広げて、意味が分からない熟語を見つけたら、辞典を引いて調べる。そうすることで、文脈に合わせて漢字が使い分けられるようになればと思います。
■ポイント
冒頭に、読みやすい異字同訓の漢字を、見出しで目立たせた記事を出したのは、子どもたちの関心を引くため。熟語をノートに書き出す時間がもう少しほしかったですね。
「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。
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