付せん紙ペタ 意見交換 回重ね表現力アップ
記事を読み聞かせ 社会に触れる
浜川小学校 知念敦子先生
対象 小学6年生
教科 朝の学習
指導時間 10分
【授業の様子】
知念敦子先生が示した記事の切り抜きには、見出しの一部に付せん紙が貼られていた。「きょうはクイズ! 『ウミガメの巣』ってあるでしょう。続きの文字を隠してあるけど、そこに何て書いてるか当ててほしいわけさ」
選んだのは、18日付本紙のウミガメの産卵巣に被害が出ているという記事。6年2組の子どもたちは、読み聞かせを食い入るように聞いた。
「配慮って何?」「気を使って」「遠慮する」。読み上げるのを中断しての問い掛けに声が上がる。
4月から始まった週1度のNIEタイム。回を重ねるうちに積極的に発言するようになったという。読み聞かせが終わると、付せん紙に見出しや感想を書き込み、記事の周りに次々と貼り付けていく。
「ほかの生き物も生きているんだということを忘れてはいけない」「地球は人間だけのものじゃない」
自然を大切さを訴えるコメントが並ぶ。「ウミガメの巣『踏まないで』」と「正解」を出した子もいた。
【授業の手順】
(1)取り組みを説明する
記事を投影機で映し出す。見出しの一部を隠した意図を説明する。
(2)記事を読み上げる
記事を読み上げる。理解させたい言葉が出てきたら、読むのを中断して、説明したり問い掛けたりする。
(3)付せん紙に書き込む
付せん紙に見出しや感想を書いてもらう。その付せん紙を新聞記事を貼ったA3の紙の周りに貼らせる。
(4)見出しや感想を紹介
貼り付けた見出しや感想の中から、いくつか紹介してクラス全体で意見を共有する。
【ねらいとポイント】
■ねらい
子どもたちには、社会の動きに興味を持ってほしいと思って取り組んでいます。
回を重ねて、発言が増えてきました。表現力も高まっているのではないでしょうか。
「きょうは○○の記事でしょ?」と聞いてくる子も出てきました。新聞を開くようになったんだなと感じます。
■ポイント
スポーツ、動物など子どもにとって身近な話題を選んでいます。台風の記事にも興味を持ってくれました。
記事を選んだ理由を説明してから始めます。読み上げながら、難しい言葉を、かみ砕いて説明したり、大切なところは問い掛けたりしています。付せん紙を使えば、作文が苦手な子も、気軽に感想を書き込めるようになります。
「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。
前の記事:[実践 わたしの活用術](9)新聞に慣れ親しむ(小学5年・国語)次の記事:[実践 わたしの活用術](11)異字同訓 探して調べる(小学4年・国語)