[出前記者]戦争と知る権利考える 興南中生、本紙記者授業で

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 興南中学校で12日、本紙記者の出前授業があり、政経部の粟国雄一郎記者が沖縄戦報道について解説した。2年生約100人を前に、体験者が高齢化し、減り続けているため、直接話を聞いた「私たち世代」が、「緊張感と当事者意識を持って語り継がなければならない」と呼び掛けた。

粟国記者と意見交換しながら、戦争や平和について考えた興南中の2年生=12日、那覇市古島

 粟国記者は、沖縄戦を含む日本の十五年戦争に関して書いた記事を紹介し、「なぜ誰も戦争を止められなかったのだろうと考えながら記事を書いた」と振り返った。その背景には「当時の国民が情報を知らされず、声を国造りに生かす仕組みがなかったことがある」と指摘。「国民が暮らしや国の姿をつくる意思決定の素材を提供するのが私の仕事。知る権利に応えていきたい」とした。
 生徒たちに対し、「どんな暮らしをするか決める役割がある」と強調。「聞いたことや見たことを自分なりにかみ砕いて、どんな国になってほしいか意思表示してほしい。そうでないと、戦争が起こるかもしれない」と結んだ。
 儀間碧仁(あおと)君(14)は「自分も(沖縄戦について)伝えていかなければいけない」と実感した様子だった。これまでは恐怖心から戦争にきちんと向き合えなかったが、「おじいちゃんやおばあちゃんに体験を聞こうと思う。語れるようになりたい」と話した。

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