2011年度沖縄県内NIE実践指定校の実践報告書

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報告書全体(表紙含め39ページ)約4.5MB

★分割ファイル(学校ごと、その他資料編)
那覇市立小禄南小学校(奥間ナリ子教諭)964KB
 写真でカルタ 漢字を見つける 熟語づくり 読み取る算数 意見文
沖縄市立越来小学校(古波津聡教諭)353KB
 スクラップ新聞 様子を表す言葉 写真にセリフ
うるま市立勝連小学校(伊波鉄也教諭)387KB
 朝の会で記事紹介 ニュースから見える政治 震災報道展示
読谷村立喜名小学校(大城智紀教諭)1077KB
 新聞比べ 志願倍率から割合 スクラップ新聞
宜野座村立漢那小学校(宮里浩文教諭)412KB
 新聞コーナー 写真使ってすごろくづくり
宜野湾市立宜野湾小学校(佐久間洋教諭)315KB
 1分間スピーチ スクラップ新聞 ファミリーフォーカス
北中城村立北中城小学校(甲斐崇教諭)221KB
 NIEコーナー スクラップ 切り抜き新聞づくり
読谷村立読谷中学校(宮城秀輝教諭)340KB
 校舎移転を新聞に 記事の感想を伝え合う
与那原町立与那原中学校(兼松力教諭)437KB
 教科にカリキュラムに位置づけた切り抜き新聞
豊見城市立豊見城中学校(仲程俊浩教諭)301KB
 4コマまんが ファミリーフォーカス NIEクラブの取材体験
沖縄県立真和志高校(新田誠教諭、宮城千恵教諭)261KB
 新聞の比較 投稿 教科内容で新聞づくり
その他資料編 498KB
 (山内彰会長あいさつ、NIEアドバイザー紹介、沖縄NIEの経過)

 

新聞のイロハ学んだよ 豊崎小で100人体験 社会見学を記事に

できあがった新聞をグループで発表し合う5年生=豊見城市立豊崎小学校

 豊見城市立豊崎小学校(濱元朝純校長)の5年生約100人は6日から13日にかけて、社会見学の体験を個人で新聞にまとめる授業を実施した。沖縄タイムス社などを見学した後、NIE担当者を招いて新聞のつくりの特徴や工夫の講話を聞いた。
 児童は6日に那覇市内の県立博物館、牧志駅前ほしぞら公民館、沖縄タイムス社を見学。
 翌7日には沖縄タイムス読者局の安里努NIE担当を招き、見出しが記事の内容を表す新聞の特徴や写真や表などの「部品」、記事を囲むなどの工夫で読みやすくしていることを学んだ。
 13日の授業で発表をした3組の松山宏生(ひろお)君は「色づかいやクイズを入れる工夫をした。見出しを大きくしたら見やすくなった」と話していた。

新聞づくり楽しいな 名護市久辺小 本紙記者から学ぶ

 名護市立久辺小学校(富田尚校長)で12日、新聞を使った授業があった。5、6年生計50人余りが合同で新聞のしくみや取材の工夫について講話を聞き、今後授業で行う新聞づくりの参考にした。

当日の新聞記事から自分が気になる記事を紹介し、理由を発表する5年生=名護市立久辺小学校

 沖縄タイムス北部支社編集部の長浜真吾記者が取材で気を付けていることを講話。「取材に行く前に下調べをするけれど、現場で発見したり、面白いと感じたりしたら方向転換する。それが現場に行く楽しさ」と自らの目で見て感じる大切さを話した。沖縄タイムス読者局の安里努NIE担当が見出しなど、新聞のつくりについて話した。
 次の時間は学年ごとに授業。5年生は当日の新聞から気になる記事を貼り付け、選んだ理由と感想を書いた。6年生はこれまで体験した行事などの写真を基に見出しを考えた。
 5年生の島袋涼華さんは全国でいじめが7万件以上に上るという文部科学省調査の記事を選んだ。「いじめが早くなくなってほしい、どうやったらなくなるか考えたいと思って記事を選んだ。新聞をつくるのが楽しみになった」と授業を振り返った。

【2012年10月5日追加】6年生の授業でつくった新聞について「日記」に記事があります。

記事の感想 五七五に 真和志高校でワークショップ

当日の新聞をめくり、気になる記事を探す生徒=真和志高校

 真和志高校の国語表現科目で新聞を使った授業が11日、行われた。同日付の新聞から気になる記事を選び、あらましと感想を言い合ったり、感じたことを五七五の定型で表現したりした。
 2年生と3年生の計20人余りが参加。沖縄タイムス読者局の安里努NIE担当が見出しなどの役割を説明してワークショップを進行し、2人の教諭がグループを回って指導する形で進めた。
 クリエイティブアーツコース3年の普天間美南さんは、連載「十五の春」の高校生アンケートの記事を読み「島離れ 不安をかかえ つらい日々」と思いを寄せた。
 新聞を毎日読み、授業でも感想文を書いたりしたという普天間さん。「感想を五七五にするのは初めてだったけど、文章を書くより思いが出しやすかった」と振り返った。
 科目担当の新田誠教諭は「新聞は多様な記事があるので、教科書には興味を示さない生徒も関心を示していた。授業に載せる材料としてどう使うか考えたい」と話した。
 

「お気に入り見つけた」 新聞から写真探す 中原小でNIE授業

 エイサー、プロ野球、プードル犬…。好きな写真はなあに? うるま市立中原小(安里禮子校長)の2年4組で6日、新聞からお気に入りの写真を見つける授業が行われた。1~3組も5日までに同じ授業に取り組んだ。
 アイドルグループAKB48メンバーの写真を選んだ稲福瑠獅(りゅうし)君(7)は「(篠田)麻里子の写真くださーい」とクラスメートに呼び掛けて18枚を集めた。「新聞には、いろいろな写真が載っているから楽しかった。あしたから新聞を開いてAKBの写真を探したい」と笑顔で話した。
 終盤には、教室の床いっぱいに新聞を広げ、談笑しながら紙面を眺めていた=写真。

中原小学校

[NIE・実践しんぶん活用](12)昨年度の越来小学校・米須奈々先生 古波津聡先生 「知りたい」育った好奇心 読み方指南から1年 進んで切り抜き 表現も耕す

 沖縄市立越来小学校5年1・2組(2011年度)は、学習に新聞を活用するNIE活動に継続的に取り組んだ。タッグを組んで指導にあたった古波津聡教諭(現コザ小)、米須奈々教諭(現天願小)は「新聞を活用することで子どもがやる気を出してくれた」と手応えを感じていた。2教諭と子どもたちの1年間を振り返った。
 「もっと新聞ないの」「もっと時間がほしい」。見出しを読むことさえ、ままならなかった子どもたちが、積極的に取り組むようになった。2教諭は「自分なりの考えを持つことができ、表現力を高めるきっかけになった」と成果を実感している。

 ■記事を探す

 古波津教諭はNIEに取り組んで2年目だった。初年度は「義務感で」取り組んだ。戸惑いは続いたが、児童が生き生きと学習する姿に励まされた。10年度は、総合的な学習の大半を使い、1・2組合同で取り組んだ。
 まず、新聞の仕組みを子どもに解説することから始めた。文字を読むのが苦手でテレビ欄、スポーツ面にしか目が行かない子が大部分。「どこに購読料が書かれている? 探してごらん」と新聞をめくらせて、いろいろな分野の記事が載っていること、単行本1冊分の情報が詰まっていることを実感させた。
 4月の東日本大震災関連の授業では「私たちに何ができるか」を考える材料に新聞を使った。読みこなすことが難しい児童もいて、見出し、写真を手がかりに記事を探してもらった。

 ■学びの蓄積

 6月は、慰霊の日関連の報道を地元紙と全国紙で比べ、記事の量が違う理由などを考えさせた。古波津教諭は「講話を聞く、戦跡を見学するなどのこれまでの平和学習は受け身になりがちだった。今回は、子どもが主体的に学ぶことができた」という。
 この時期から見出しや写真の内容を理解できる子どもが増えた。家庭学習で新聞スクラップに取り組む例も出てきた。NIEに初めて取り組んだ米須教諭は「新聞を使うことに慣れれば、子どもは進んで取り組むようになる」と試行錯誤の中で手応えを感じるようになった。
 米須教諭は「活字を読むことに対する苦手意識が解消された。子どもたちが新聞に掲載された出来事を話題にすることも増えた」。古波津教諭は「知識を得る喜びを感じてもらえたのではないか。自ら読み込んだものは蓄積されていくと思う」と振り返った。
 両教諭は新年度、それぞれ他の小学校に赴任した。新しい場所でもNIEの可能性を追求するつもりだ。

[NIE・実践しんぶん活用](11)小禄南小学校・大澤幸司先生 視野を広げて考える 世界とのつながり探そう 地域ごとに分類整理

対象 小学校6年
教科 社会

指導時間 2時間

【ねらい】

新聞を使い世界とのつながりを学んだ授業で、切り取った記事に関連する地域を地図から探す児童=那覇市の小禄南小学校

教科書の単元「日本と世界のつながり」を、新聞を使って発展させます。直近に起きた出来事を調べることで、より「世界」について身近に考えることができるようになると思います。
 地域(大陸)ごとに分類し、どんな点でつながっているのかを考えさせることで、情報を整理する能力を高めます。

【ポイント】

 あらかじめ切り抜いた記事を紹介し、地域や記事の内容を確認することが大事です。作業中は机の間を回り、積極的に助言します。作業の途中で、進度の早い児童の例を紹介すれば、他の児童も支援できます。
 「スポーツ」「文化交流」といったなじみやすい2、3の分野に絞ると探しやすくなるかもしれま せん。時間に余裕があれば、児童の切り抜きを紹介しながら、記事の内容や日本とのつながりについて全体で考えを深めてもいいでしょう。

 

【実践を終えて】

意見交換の後、自分や友達の選んだ記事の内容と、日本との関係について書き込んだワークシート

 国際関係の記事は内容の理解が難しい場合もありますが、児童なりに興味・関心を持って調べていました。「新聞を毎日読むようにします」と日記に書いた児童もいました。

 

 

 

 

 

授業の手順

〈1時間目〉

(1)めあてを確認する

 これまでの学習を振り返る。前もって切り抜きを紹介。作業の手順を例示して記事から日本とのつながりを探すことを意識させる。

(2)記事を探す

 新聞を1人当たり2部配る。20~25分かけて記事を探す。選んだ記事を ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、北アメリカ、南アメリカの6地域に分類してスクラップ帳に貼る。地図で日本との位置関係を確認させる。

〈2時間目〉

(1)意見交換

 グループでスクラップ帳を交換し、互いの記事や書き込みを読む。どのような点で日本とつながっているのかを考えさせる。

(2)発表

 自分で選んだ記事と他の児童が選んだ記事をワークシートにまとめる。一言程度の要約と、どんな分野(文化、戦争・紛争、政治、環境など)でつながっているかを書き込み、さらに分かったこと、自分の考えを書き込む。各グループから1人ずつ発表する。