[NIE・実践しんぶん活用](3)宜野湾小学校 佐久間洋先生 最後のせりふ何だろな 読解・文章構成力を付ける 答えの理由考えよう

 

対象 小学校5年~
教科 国語・総合的な学習
指導時間 1時間

【ねらい】

前回に続き子どもたちが好きな漫画を使います。文章から考えて4こま漫画を並べ直すのは同じですが、最後のこまの吹き出しのせりふを考えさせる作業を加えることで、前回より高度な取り組みになります。
答えを導き出す話し合い活動を通して、思考力、判断力、表現力を育てます。

【ポイント】

「せりふを読み、4こま漫画を完成させよう」というめあては同じです。文章から考えることを強調します。「1こまずつ配る」「1こま目と4こま目は先に配らない」も同じです。
児童が考えた並べ方や、せりふについて、そう判断した理由を考えさせることが大事です。
グループや全体で答え合わせをする際、周りと違う答えが出たら「なぜ、その答えが間違っているのか」という理由を話し合います。その際、間違った児童に「あなたのおかげで、みんなで考えを深める機会が持てた」ということを常に伝えてください。
漫画のせりふと一言一句、同じものを引き出さなくても、重要な要素が入っていればOKです。今回は「赤」がはいっていれば正解としました。
この授業は、児童が気軽に意見を発表できる雰囲気づくりに役立つかもしれません。

【実践を終えて】

「言語活動」というテーマはハードルが高いように感じてしまいますが、漫画を通して気軽に取り組むことができました。

授業の手順

(1)漫画を配る

あらかじめ切り離しておいた漫画を1こまずつ、全員に配る。答え合わせのために各こまにA、B、C、Dなどの番号を付けておく。

(2)並べ直す

各こまの文章のつながりを意識しながら、正しく並べ直させる。2~3分でできるはず。

(3)セリフを考える

時間をたっぷりとります。うまく考えられない子には、積極的に助言する。

(4)4、5人で答え合わせ

グループで答えを合わせる。異なる答えがあれば、話し合ってもらい考えをまとめる。

(5)全体で答え合わせ

グループごとに答えとそう判断した理由を発表させる。正解を発表し、異なる答えについて、意見を求めるなど考えを深める。

[NIE・実践しんぶん活用](2)宜野湾小学校・佐久間洋先生 漫画並べてオチつけよう 読解・文章構成力を付ける せりふで流れを判断

 


対象 小学校4年~
教科 国語、総合的な学習
指導時間 1時間

【ねらい】

子どもたちが親しんでいる漫画を使います。新聞を活用した授業の導入にふさわしい取り組みです。
文章から4こま漫画の組み立てを考えさせます。読解力をつける入り口になります。子どもたちが話し合う場を設定することで、自分の意見を持って発表するきっかけもつくります。

 

 

【ポイント】

子どもたちは「絵」からつながりを判断しがちです。授業の導入部分で「せりふを読み、4こま漫画を完成させよう」という目当てをしっかり確認します。また、机の間を回りながらも「文章から考えるんだよ」と繰り返し伝えます。
漫画は1こまずつ配るようにします。さらに物語の始まりである1こま目とオチがある4こま目は先に配らないようにします。これも絵に惑わされず、文章をしっかり読んでもらうためです。
グループ、さらにクラス全体でも答え合わせを行い、みんなで話し合う雰囲気づくりをします。大切なことは、自分の答えを持ち、さらにその答えに根拠をもたせることです。何通りか答えが出たら、グループ、全体で議論することが大切です。決して多数決では決めません。
1時間の授業で2、3回繰り返すことができると思います。子どもに身近なことがテーマになっている作品を選ぶといいと思います。

【実践を終えて】

漫画が好きな子が多いだけに、楽しんで取り組めました。意見発表も活発で、笑顔が絶えませんでした。

 

授業の手順

(1)漫画を1こまずつ配る

全員にあらかじめ切り離しておいた4こまマンガを1こまずつ配る。答え合わせのために各こまにA、B、C、Dなどの番号を付けておく。

(2)並べ直す

各こまの文章のつながりを意識させながら、正しく並べ直してもらう。2~3分でできるはず。

(3)グループで答え合わせ

机を向かい合わせにして4、5人のグループで答え合わせをする。異なる答えが出たら、話し合ってもらい、考えをまとめさせる。

(4)全体で答え合わせ

正しい順番を伝える。各グループで出た答えと、そう判断した理由を代表者に発表させる。異なる答えがあれば、ほかに意見を求めるなど、考えを深めてもらう。

[NIE・実践しんぶん活用](1-2)北中城小学校・甲斐崇先生 記事がバラバラ!助けて 新聞の仕組みを知る パズル感覚で並べる

対象 小学校3年から
教科 国語・総合学習
指導時間 1時間

【ねらい】

 新聞をパズルとして使います。新聞は主に見出し、記事(リード文、本文)、写真という三つの要素で一つのニュースを伝えています。新聞の構成を理解してもらうため、それぞれをパズルのピースに見立てゲーム感覚で取り組めるよう工夫しました。文章をつなぐ作業を通じて、思考力をつける取り組みです。
 文章が段々に並ぶ「段組」も新聞の特徴です。教科書では、ほとんど見かけません。児童がとまどう場合もあると思いますが、この授業が「段組」になれるいい機会になります。

【ポイント】

 新聞から興味のある記事を探し出してもらい、読んでもらったあとで見出し、記事、写真を切り離させます。記事をさらに細かく切り離す際、段落ごとにしてしまうと並べ直すのが難しくなるので注意してください。
 並べ直す場合は、元の紙面と同じ形にしなくても構いません。記事の文意が通れば、見出し、写真などの配置が変わってもOK。
 行ごとに切り離さずに、段ごとに切り取ってもらえば、より簡単に並べ直すことができます。

【実践を終えて】

 「交ぜてごらん」
 「並べてごらん」
 声を掛けると子どもたちは楽しそうに取り組みました。生徒は「パズルみたいで楽しい」「本文や見出しが分かった」「新聞の仕組みが分かった」と感想を寄せました。

授業の手順

(1)全員に新聞を配る

 全員に一部ずつ配る。生徒に家庭から持ち寄ってもらってもいい。

(2)好きな記事を選ぶ

 新聞をめくって好きな記事を選び内容を読み込む。短めの記事を選ばせるといい。

(3)記事をばらばらに

 はさみを使って、見出し、リード文、記事、写真を切り離す。記事はさらに6~10行単位で切る。読みにくくならないように行と行の間を正確に切るよう助言する。

(4)記事を並べ直す

 記事を文意が通るように並べ直す。新聞を新たに作り直すつもりで、記事、見出し、写真を並べワークシートに貼る。

(5)感想を書き込む

 授業に取り組んだ感想をワークシートに書き込む。

[NIE・実践しんぶん活用](1-1)北中城小学校・甲斐崇先生 写真の人 何て言ってる? 新聞に慣れ親しむ 想像力ふくらませる

対象 小学校低学年
教科 国語・総合学習
指導時間 1時間

【ねらい】

 「何て言ってるのか想像してみて」。児童にはそう伝えて、授業に取り組んでいます。
 切り抜く写真を選ぶために、新聞を最後までめくる作業が必要になります。児童・生徒に新聞を開く習慣をつけるきっかけになるのではないでしょうか。

【ポイント】

 人物が写っている写真を「自分の好きなもの」「興味があるもの」「気に なるもの」を基準に選んでもらいます。吹き出しの中に「何を書いたらいいの?」と問う生徒もいますが「何でもいいよ」と答えています。写真の背景部分にも注目するよう助言するなど、想像力をふくらませるように心がけています。
 吹き出しに書き込む文字数は8~12文字にしています。文字を制限することで思考する要素を加えています。
 最初の授業では、より親しみやすくするために写真だけを対象にします。
 切り抜く対象を写真と記事の両方にすると、吹き出しの内容は、記事の中身に合わせたものになり、より深
い思考を要求される内容になります。
 あまり文章が長いものを選ばせずに「分かる範囲でいいから見出しや記事も読んでごらん」と伝えます。

【実践を終えて】

 子どもたちは「新聞には、いろいろなことが書いてあるんだ」「記事を読むと、写真だけでは分からないこ

とが、たくさんあった」と感想を述べていました。

授業の手順

(1)全員に新聞を配る
 新聞とワークシートを全員に一部ずつ配る。生徒に家庭から持ち寄ってもらってもいい。

(2)写真を選ぶ
 新聞をめくりながら10分くらいでお気に入りの写真を選ぶ。写真は一部でなく全体を切り抜く。

(3)セリフを書き込む
 吹き出しの形に切った紙を3枚ずつ全員に配る。吹き出しにセリフを書き込む。

(4)台紙に貼る
 写真をワークシート(台紙)に貼る。3枚の吹き出しのうち、気に入ったものを貼り付ける。

(5)発表
 学級全体や4~5人のグループの中で(1)記事を選んだ理由(2)書き込んだセリフの説明(3)感想―を発表。台紙にも感想を書き込んでもらう。

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