新聞の活用例 教員らが紹介 NIE実践報告会

 2013年度県NIE実践報告会(主催・県NIE推進協議会)が4日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれ=写真、日本新聞協会指定実践校9校と県指定校3校が、新聞の活用事例を発表した。(7日付教育面で詳報)

各校の取り組みに耳を傾ける教諭ら=4日、那覇市久茂地・タイムスホール

 全学年で授業などに新聞を取り入れている沖縄市立コザ小学校は、記事を基に話し合いをしたり、4こま漫画のせりふを考えたりと、無理なく継続できる実践をしている-と紹介。神山英教諭は「新聞は学び合いに適切な教材。子どもたちにさまざまな見方、考え方が広がっている」と手応えを語った。
 石垣市立伊野田小学校は、児童だけでなく、地域の人も自由に新聞を閲覧できるコーナーを設けている。授業参観日にはNIEの授業を実践。保護者の関心も高まってきた-という。
 石田美喜子教諭は新聞に親しむ環境を整えたことで、これから読み書きを学ぶ幼稚園児も新聞を見ることがあるとし、「子どもたちは興味のある情報や必要な情報を探すことができるようになった」と話した。

高校生 見出し“発見” 那覇国際 新聞の読み方学ぶ 「読んだら面白い」

 県立那覇国際高校で17日、本紙記者を講師に招いた新聞講座があった。2年生44人が新聞の仕組みや読み方のこつを学び、当日の紙面から気になる記事を選んで意見を交換し合った。アンケートでは「見出しを読むだけで記事のだいたいの内容が分かることを知った」など講座前より新聞への関心が高まったとの回答が多かった。

選んだ記事について意見交換する那覇国際高校の生徒=17日、那覇市天久

 社会部の具志堅学記者が全ページの見出しに目を通し、興味が湧いた記事を選んで全文読む方法を説明。3人グループになった生徒は記事を紹介し、意見を交換した。
 原発事故の賠償で国民負担が794億円になるとの記事を選んだグループでは「安易に借金をしても東電は資金を生かせないのではないか」「私たちの世代が頑張って返していかなくてはならない」「自然災害なので何とも言えない」などの意見があった。生徒は講座の後、グループ内で出た意見を踏まえた意見文を書いた。
 アンケートでは「友達の意見を取り入れて視野が広がった」「興味なかった記事も読んでみたら面白かったのでもっと読んでみたい」などの声があった。

[出前記者] リーダー育成 新聞作りで 南部工業高生 情報整理など学ぶ

 南部工業高校のリーダー研修が3日、県立糸満青少年の家であり、生徒会や学級役員ら38人が、切り抜き新聞作りを体験した。

ほかのグループの切り抜き新聞にコメントをつけていく南部工業高校の生徒=県立糸満青少年の家

 テーマの設定や記事の順位付けについて話し合い、グループで模造紙大の作品を完成させた。
 リーダーは、学校行事の中心となって生徒を動かす役割があり、切り抜き新聞作りは、生徒同士で話し合う土壌づくりが目的。沖縄タイムスNIE事業推進室から講師を招いた。
 「喜怒哀楽」「つながり」といった抽象的なテーマを選び、そのテーマに合った記事を各自で探し、順位付けするなど、グループ内での話し合いは不可欠。別のグループの作品に付箋紙でコメントを付けるなど作品の出来栄えを評価し合った。
 講師の具志堅学記者は「情報を集めて整理して、自分の考えを表現する活動をした。将来、仕事をする上でも大事なことなので力をつけてほしい」と説明した。
 2年の高嶺朝聖君のグループは「驚いたこと」をテーマに制作。「新聞をめくっていくと新しい発見があった。グループのみんなもしっかりテーマに合った記事を選べていて良かった」と感想を話した。

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