教師ら新聞活用法学ぶ 第1回おきなわNIEセミナー

 県NIE推進協議会(山内彰会長)の第1回おきなわNIEセミナーが11日、那覇市久茂地のタイムスビルであった。教員ら32人がNIEアドバイザーの助言を受け、学校での新聞の活用法を体験した。

ワークショップで紙面を手に、読み聞かせをする受講者=11日、那覇市久茂地のタイムスビル

 メーン講師を務めた県立総合教育センター研究主事の甲斐崇アドバイザーは、毎週木曜日の朝の始業前に「NIEタイム」を始めた北谷町立浜川小学校が取り組む「新聞読み聞かせ」を紹介した。甲斐教諭は「発達段階に応じて記事を選ぶことが大事。朝の時間を使えば、教科に関係なくできる」と話した。
 写真を選びコメントするワークショップもあり、知識を活用する力を育てるための道具として新聞を使い、継続して取り組むことの大切さを強調した。受講した読谷高校の齋藤綾教諭は「先生方と意見を交わして楽しかった。生徒たちにとっても新聞に興味を持ってもらう、良いきっかけになると思った」と話した。

沖縄県NIE推進協議会のFacebookページができました

 沖縄タイムス社も加盟する沖縄県NIE推進協議会のFacebookページができました。協議会の研修や行事の情報のほか、新聞社や実践者のFBやサイトの情報をシェアしていきます。NIEにかかわる、関心ある方々のつながる場にしたいと考えています。当サイトともどもご覧ください。

多角活用 読解力養う 県NIE実践報告会

 2012年度県NIE実践報告会(主催・県NIE推進協議会)が6日、那覇市の琉球新報社で開かれ、日本新聞協会指定実践校5校、県指定校4校が各学校の新聞活用方法を発表した。新聞記事に親しみながら読解力や文章の構成力を身につけたり、気に入った記事の内容を発表することで表現力を養うなどの効果が報告された。主な発表内容を報告する。

意見を書き情報理解 仲地エリ子教諭・中原小

 本年度は特に11月の県NIE実践フォーラムの開催に向けて、児童の情報活用や判断力、表現力を身につけることに力を置いた。
 年間計画として、新聞スクラップを活用した朝の1分間スピーチ、記事に意見を書き込む新聞ツイッターをはじめ、空き教室に新聞コーナーを設け、新聞に親しむことから始めた。
 保護者向けのワークショップで新聞スクラップ教室を行い、家庭での関心を高めるようにした。その結果、児童は新聞を身近に感じるようになり、必要な記事を自分で探し、資料を読み取って理解する力が付き始めた。
 読解力など児童の間に個人差があるが、今後も取り組みを深めることで可能性を伸ばしていきたい。

朝のスピーチで自信 古波津聡教諭・コザ小

 3年生以上の児童を対象に、全職員で新聞を活用した実践に取り組んだ。教科を限定せず、新聞の良さを十分生かして授業で活用することを全職員で確認した。
 NIEを進めるキーワードは「無理なく、継続できる取り組みを」。NIEを意識せず、自然な形で取り組むことを強調した。
 朝の1分間スピーチで気に入った記事を紹介するなどの活動に取り入れた。その結果、児童から「長い文章が読めるようになった」「みんなの前で発表するのは緊張したが頑張れた」などの意見があがった。
 新聞が社会の窓口になり児童の興味や関心が多様になったほか、キャリア教育の一環として学習を進めることができた。

意欲高まる投稿掲載 上江洲ジョアナかおる教諭・沖縄アミークス

 年間を通して新聞スクラップを行った。はさみやのり、スクラップブックなどの3点セットを準備。児童らは慣れると、自分の気に入った記事を選んで内容を要約するようになった。
 作文を新聞に投稿し、掲載されると児童らのモチベーションは高くなる。掲載された作文をクラスのみんなで内容を共有し「このように書けばいい」などの意見をあげることで文章力のレベルアップにつなげた。
 新聞記事を項目ごとに分けて壁に張り付けた。昨年は「復帰40年」を紹介するために新聞を活用。「昭和の時代」を新聞記事から探して当時のことを考えた。新聞も張りっぱなしではなく、頻繁に更新することで、児童らの興味を引きつけることができた。

記事書写し文章上達 子安緑教諭・小禄南小

 毎週月曜日朝の15分間に「NIEタイム」を設け、新聞を使った言語活動の充実に取り組んだ。毎週各学級分提供してもらった「ワラビー」紙面を活用することも多かった。
 例えば2年生の活動では3色ペンを使い、記事の「いつ」「どこで」「だれが」などの部分を色分けして理解する作業を行った。5年生では、毎週指定された記事の要点を100~150字の範囲で書写した。この活動を通して児童は簡潔な文の書き方や語彙(ごい)を身につけることができた。
 NIEの成果として、これまで記事の感想を書くことが多かった児童が見出しを付けるなど、内容をよく読み取るようになった。続けるうちに疑問や意見を書く児童が増えた。

動物テーマに親しむ 福地正雄教諭・越来小

 本年度は全学年でNIE実施計画を作り、新聞を活用した授業に取り組んだ。校内研修での実践活動はもちろん、NIEアドバイザーや現場記者との連携などを目標に掲げた。
 1年生が新聞記事からカタカナ語を探した。2年生は国語の単元「どうぶつ園のじゅうい」をテーマに、動物について書かれた記事を探しながら新聞に親しんだ。6年生は「復帰40年」をテーマに、特集記事から当時の様子を読み取り、今後の沖縄について考えをまとめた。
 家庭学習で、新聞を切り抜いて感想を書き、時事問題に関心を持つ児童が増えてきた。日常的に授業に取り組むためには、学校で新聞の部数を確保することも必要だと感じた。

 

各校の新聞活用例を発表 NIE実践で指定校が報告会

 2012年度県NIE実践報告会(主催・県NIE推進協議会)が6日、琉球新報社で開かれ、日本新聞協会指定実践校5校、県指定校4校が各学校での新聞の活用事例を発表した。
 各学校とも壁に新聞切り抜きを項目別に張り付けたり、新聞スクラップに読後の感想を書き込んだりするなど、授業で新聞に親しむためのアイデアを紹介。
 コザ小学校の古波津聡教諭は朝の1分間スピーチで気に入った記事を紹介したり、記事について生徒が自由に意見を書き込む「新聞ツイッター」などの事例をあげ「無理なく継続できる取り組みから始めた結果、スクラップなど盛りだくさんの実践に広げることができた」と強調した。
 県NIE推進協議会の山内彰会長は「多くの学校の取り組みをみんなで共有できればいい。今後も文字文化の良さを活動に取り入れたい」と話した。

 新聞協会指定校の発表内容はこちらの記事で。(別ウインドウで開きたい場合はこちら

 

NIE普及へ連携確認 県推進協と県教育長

大城浩県教育長(左)に協力の礼を述べる山内彰県NIE推進協議会長(右から3人目)ら=20日、県庁

 沖縄県NIE推進協議会の山内彰会長らは20日、県庁に大城浩県教育長を訪ね、教員研修にNIEを組み込むなど教育行政の取り組みに礼を述べ、さらなる連携強化を求めた。
 2012年度は県立総合教育センターの研修にNIEが取り入れられたり、7月の全国大会に県教育委員会の職員が初めて参加するなど行政の取り組みが広がった。山内会長は「教育長のリーダーシップで行政の取り組みが形になって表れた」と感謝した。
 大城教育長は「言語活動の充実が指導要領にうたわれた。新聞はクリティカルシンキング(批判的思考)に絶好の素材。これからも連携を深めたい」と話した。
 推進協議会と日本新聞協会から(1)教員向け研修プログラムへの新聞教育導入(2)新聞教育活動・研究会の公務扱いと参加促進(3)学校図書館への新聞配備の促進-などを求める要請書も手渡した。

教師向けNIEメーリングリストができました

教師向けNIEメーリングリストのご案内

沖縄県NIE推進協議会

 NIEの実践者と新聞社で構成する沖縄県NIE推進協議会では、NIEに関して沖縄県内教員同士の交流を進めるため、メーリングリストをつくりました。推進協議会の活動や新聞社のイベントなどの情報をお伝えするほか、新聞の利用方法や教材化のノウハウなど教員同士の情報交換にも気軽に利用できます。ぜひご参加ください。
 発足当初の参加者は山内彰推進協会長、NIEアドバイザーの4教諭、地元2社の担当者です。
 参加希望の方は氏名、学校名を記入の上、こちらのフォームからご連絡ください。問い合わせもお気軽にお寄せください。

<メーリングリストでの情報提供の例>
・NIE紙面の週間予定
・新聞豆知識 見出しの種類

教師向けメーリングリストで発信されたメールの例

小禄南小に学校賞 いっしょに読もう!新聞コンクール

 家族や友人らと新聞記事を読み、感想や意見などをまとめた作文を募集した「第3回いっしょに読もう! 新聞コンクール」で、県内から那覇市立小禄南小(山城銀子校長)が学校賞に選ばれた。5年生を中心に99点を応募。学校ぐるみの取り組みが評価された。我喜屋健(つよし)教頭ら関係者は「短い文(記事)の内容を読み取る力や、文章で表現する力が付いてきた」と新聞を活用した学習成果に手応えを感じている。
 同コンクールは、日本新聞協会が11月のNIE月間に合わせて実施。国外を含め2万5864点の応募があった。学校賞は小中高合わせ、小禄南小を含む10校が受賞した。
 小禄南小は朝の学習時間にNIEタイムを取り入れるなど新聞を積極的に活用してきた。
 5年生の前里周子(ちかこ)さん(11)は、県内の小中学生のダンスグループが世界大会で優勝した記事を取り上げた。「私と年がはなれていない子が頑張っていてすごいと思った。(記事について)お母さんとお姉ちゃんと話し合って楽しかった」と笑顔。本紙の子ども新聞ワラビーを毎週楽しみにしているという。

 このほか県NIE推進協議会の会長賞・奨励賞に6人が選ばれた。
 【県NIE推進協議会表彰】(敬称略)
 ▽会長賞 照屋瑠(小禄南小5年)知花由佳(興南中3年)李英帆(名護高3年)
 ▽奨励賞 赤嶺佳名子(小禄南小5年)伊野波葵(興南中3年)西平愛(名護高3年)

スクラップコンで学校賞に選ばれた小禄南小。5年生は86点を応募した=那覇市小禄