[出前記者]記事の要点 何だろう 名護市東江小で出前授業

 名護市立東江小学校(宮城達也校長)の5年生は19日、沖縄タイムス記者を講師に招いて新聞の仕組みなどを学んだ。見出しを隠した記事から要点を抜き出す学習では、児童が選んだ言葉と紙面での見出しが一致すると歓声が上がった。

新聞の仕組みや要点を抜き出すワークシートに書き込む5年生=名護市立東江小学校

 3クラスで1こまずつ授業を受けた。北部支社編集部の儀間多美子記者は「新聞には見出しやグラフ、写真など読みたくなる仕掛けがある」と紹介した。
 16日付ワラビーの記事から児童が選んだ大事な言葉は「AKB」「指原莉乃さん」「初めて1位」「選抜総選挙」など。紙面での見出しは「指原さん総選挙1位」。安里努NIE事業推進室事務局長は「『指原さん』だけで読者がAKBの投票だと分かると考えれば、『総選挙』の代わりに『初めて』を入れてもいい。見出しは正解、不正解ではなく何が大事だと考えるかで変わる」と説明した。
 林桃香さんは「紙面をめくってもらう工夫とか、新聞の秘密が分かってうれしかった」と授業の感想を話した。

出前授業で使ったワークシート(新聞の仕組み、写真選び)を掲載しました

 6月17日、うるま市立赤道小学校で行った出前授業の記事と使用したワークシート2種類を掲載しました。1つは新聞の仕組み(部品、役割)を書き込むもの、もう1つは紙面から写真を選んで貼り付け、自分が感じたことを言葉にするものです。
 記事はこちらです。

[出前記者]見出しの役割 記者から学ぶ 赤道小6年生

 本紙記者によるNIE出前授業が17日、うるま市立赤道小学校(佐久本実校長)であった。6年生104人がワークシートを使って見出しの役割など新聞の仕組みを学んだり、この日の朝刊から気になる写真を切り抜いて感想を書くなどして新聞に親しんだ。

新聞をめくって気になる写真を探す6年生=17日、うるま市立赤道小学校

 3クラスに1人ずつ記者が出向き説明した。整理部の崎村尚美記者は「私は見出しをつける人なので、歩きながら街の看板を読んだり、テレビや雑誌も見たりして言葉を拾うアンテナを張っています」と心構えを話した。
 写真選びのワークショップで安謝小学校の平和集会の記事を選んだ仲村梨々花さんは「事前学習をして対馬丸の劇をしてすごいと思った。新聞の作り方も分かってよかった」と話した。

 

【追加情報】

1.使用したワークシート「新聞のしくみ」
 見出し、写真など紙面の部品名とその役割を書き込みます。
2.使用したワークシート「わたしが○○と思った写真」
 新聞から写真を切り抜いて貼り、写真から感じたことを「わたしが    と思った写真」という風に言葉にします。そう思った理由も書き込みます。

新聞クイズ「意外と簡単!」 今帰仁の天底小5年

 今帰仁村立天底小学校(座間味靖校長)の5年1組はこのほど、朝の読み聞かせの時間に、沖縄タイムスの子ども新聞ワラビーを使った新聞クイズを実施した。

玉城志琉君(左)と當山魁人君が出題するクイズに答える児童たち=今帰仁村・天底小学校

 クイズは、ワラビーの4月28日付紙面に掲載された「みんなで検定 プロ野球編 めざせ殿堂入り!」の記事を使用。玉城志琉(しりゅう)君と當山魁人(かいと)君が前に出て、クイズを出題した。
 児童らは「プロ野球のことならまかせて」と目を輝かせ、身を乗り出しながら楽しくクイズに答えた。兼次省吏(しょうり)君は「意外と簡単だった。今度はもっと難しいのがいいな」と笑顔で話した。(赤嶺幸代通信員)

地元2紙を読み比べ 糸満南小でNIE講座

 糸満市立糸満南小学校(平田清美校長)は6日、県立総合教育センターから講師を招いたNIE出前講座を開いた。2時間にわたる国語の授業で5年生71人が新聞をめくって掲載されている情報の種類を挙げたり、二つの新聞を比べたりして「新聞初体験」を楽しみながら学んだ。

新聞をめくって気になる記事を探す5年生=糸満南小学校

 教育センターの甲斐崇研究主事が出向いた。新聞に触れるのは初めてという児童が多かった。当日の地元2紙をめくって、同じ記事でも掲載位置が違うことなどを知り、発信者が違うことで情報の伝え方が変わることを知った。
 宮城魁斗君は「新聞を比べて、紙の大きさは同じでも書いてあることが違うことが分かって楽しかった」と感想を話した。

[実践 わたしの活用術](8)国語辞典の使い方を学ぶ(小学3年・国語)

記事中の言葉 意味調べ 「すごい」写真 興味導く

国語辞典の使い方を学ぶ

中原小学校 仲松久弥先生

対象 小学3年生
教科 国語
指導時間 2時間

【授業の様子】
 新聞記事を通して国語辞典の使い方を学ぶ授業があった。仲松久弥先生が、梅雨入り、雷、ヒメハブ、イリオモテヤマネコの写真入りの記事を黒板に貼り付ける。
  「おおっ。すごい」
 動物や自然現象は子どもの関心を引きやすいといわれる。インパクトのある写真を選んだことで、さらに子どもの集中力が高まっているように見えた。
 仲松先生の問い掛けに子どもが元気よく答える。
 「稲妻って何ね?」「雷」「雷って何でできてるの」「電気!」
 それぞれが好きな記事を選び、辞典とにらめっこ。
 「いなご、いなさく…いなずま、あった!」
 「断続って?」「切れたり続いたりすること」
 「このページに載ってるよ。開いてみて」
 一人で見つけられる子、仲間に教えてもらう子。グループにすることで、子どもの間で教え合う光景が生まれた。
 「84センチ ヒメハブ どうジャ」(5月14日付本紙)を選んだ新垣志織さん(8)は「写真でもヒメハブを見るのは初めて。本物を見たいと思った。辞典引くのは難しいけど、漢字の意味がどんどん分かる」と目を輝かせた。

【授業の手順】
(1)目当てを確認する
 辞典の引き方を復習する。「新聞の中から言葉の意味を調べ、記事を分かりやすく説明しよう」という目標を確認する。ワークシートに使った記事を掲示して説明する。
(2)調べたい言葉を選ぶ
 記事を載せた4種類のワークシートから1枚を選ばせる。分からない言葉や、意味があやふやな言葉を書き出してもらう。
(3)辞典で意味を調べる
 書き出した言葉の意味を辞典で調べさせる。
(4)記事の内容を紹介
 ペアを組んだ子ども同士で、記事の内容を紹介し合う。
(5)発表
 数人に発表させる。調べた言葉の意味も話してもらう。

 

【ねらいとポイント】

中原小学校 仲松久弥先生

■ねらい
 国語辞典に親しんでもらいます。調べたい単語が五十音順に並んで載っていることや意味を調べることができる点を理解してもらいたいと思います。新聞記事は「言葉の宝庫」です。時事的な事柄を扱っていて、子どもの興味関心を引き出せると考えました。
■ポイント
 記事は大事なことから書かれています。あらかじめ後ろから切り、15行程度にして子どもが読みやすくしました。動物や自然現象など、写真にインパクトがある記事を選びました。子どもが興味を持ちやすいと思います。
 漢字が読めずに苦労している子がいました。初めに記事を音読したり、調べる言葉をいくつか指定すれば、もっとスムーズにいったかもしれません。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

気軽に実践 読み聞かせ 学年ごとに記事選び助言 第1回おきなわNIEセミナー

 おきなわNIEセミナーが11日、那覇市の沖縄タイムス社であった。教員らと各新聞社でつくる県NIE推進協(山内彰会長)が取り組んだ初のセミナーに教員や保護者32人が参加。NIEアドバイザー3人が、読み聞かせや意見交換などの実践を通して、児童・生徒の発達段階に応じて記事を選ぶ大切さを強調した。

)NIEセミナーで先生役と生徒役に分かれ「新聞読み聞かせ」を実践する教員ら=那覇市久茂地のタイムスビル

 メーン講師を務めた県立総合教育センター研究主事でアドバイザーの甲斐崇さんは、朝の時間で気軽に取り組めるメニューとして「新聞読み聞かせ」を紹介した。
 (1)紙面の紹介(2)出典を明らかにする(3)読み聞かせをする(4)教員が感想を伝える(5)児童・生徒に感想を発表させる-と手順を示し、「教科に関係なくできるので、中学・高校でも取り組みやすい」と説明した。
 4~5人のグループに分かれたワークショップでは、教師役と生徒役に分かれて新聞の読み聞かせを体験。教師が、記事で使われた語句などの意味を生徒に問い掛けて反応を引き出し、記事の内容を理解させる手法を学んだ。
 伊平屋小の佐久間洋教諭は、発達段階に応じて記事を選ぶ重要性について助言した。小学生に対しては、「低学年は写真で引き付けるのが大事。動物などの話題が親しみやすい。高学年なら身近な地域の話題。どの学年も同世代の子が活躍している記事には興味を持つ」と指摘した。
 城北中若夏分校の仲程俊浩教諭は「授業の導入では、中学生も写真や身近な話題がある市町村面の記事を使うといい。3年生になれば自分の意見を述べられるようになる。高校生は、大学生の就職などの進路についての記事を題材にするといい」と強調した。
 また甲斐さんは、経済協力開発機構(OECD)の学力調査で、児童・生徒の新聞への接触率の高い国・地域の成績が良かったことを紹介。「子どもたちには、必要な情報を選び、自分の言葉として発信する力が求められている」とし、新聞を通した言語活動の大切さを示した。