新聞切り抜き交流 緑が丘中・与勝高がリーダー研修で

 中高一貫校の県立緑が丘中学校・与勝高校(宮城勉校長)が7月28日開いた中高合同のリーダー研修で、切り抜き新聞作りが取り入れられ、中学生と高校生が意見交換した。

切り抜き新聞をグループで作り意見交換する中学生と高校生=28日、県立緑が丘中学校・与勝高校

 生徒会や学級役員75人(中学22人、高校53人)が夏休みの一日を使って研修。最初の研修で沖縄タイムスNIE事業推進室の安里努記者を招いた。グループに分かれ「歓喜」「勇気」など抽象的なテーマに沿った記事を集め、一番テーマにふさわしい記事を一緒に選ぶ過程で内容の要約や選んだ理由を伝え合った。
 中学3年の仲本七海さんは「ふだんあまり話さない高校生の意見が聞けた。自分たちにも分かるように説明してくれた」と感想を話した。

[出前記者]取材のコツ 記者指南 首里中生 新聞制作で授業

 那覇市立首里中学校(喜瀬乗英校長)で2日、本紙記者を講師に招いた出前授業があった。地域の人を取材して新聞を作るのを前に、1年生260人余りが記者の模擬インタビューを聞いたり、互いに質問し合ったりして学んだ。

喜瀬乗英校長(右)への模擬インタビューを見て学ぶ中学生=2日、那覇市・首里中

 体育館に集まった生徒は、沖縄タイムス政経部の篠原知恵記者(26)が喜瀬校長に教師になったきっかけなどを質問するのを聞いた。篠原記者は事前に学校のホームページで校長のあいさつ文を読み質問を考えたが「準備した質問に縛られずに話すことを楽しんでほしい」と助言した。
 インタビュー写真を撮影した写真部の田嶋正雄記者(42)は「座った相手を立ったまま撮ると見下した写真になる。相手の目線から撮るのが大事」と解説した。
 講話の後は、ペアになって「中学生になって楽しいこと」などをテーマにインタビューし合った。大城一輝君(12)は「話を広げていくのが難しかった。地域の人が仕事に感じているやりがいが伝わる新聞を作りたい」と話した。生徒らは夏休み明けに地域の人に取材し、新聞作りに取り組む。

[出前記者]授業に活用探る 高校教師らが研修会 教科に結びつけるアイデアも

 高校の社会科教員でつくる県高校地理歴史科公民科教育研究会は6月25日、西原町の県立埋蔵文化財センターで開いた研修会に沖縄タイムス記者を招き、新聞の仕組みを学び、授業への活用方法を探った。

新聞から授業に使える記事を探す高校の教員=6月25日、西原町・県立埋蔵文化財センター

 16人が参加。沖縄タイムス社整理部の具志堅学記者が見出しの役割などを説明。昨年度、沖縄工業高校で新聞活用を実践した大城航泊高校教諭が「新聞はグループ活動で使いやすい。根気強く続けることが大事」と報告した。
 後半は当日まで4日間の新聞から授業で使えそうな記事をグループで探し、教科に結びつける演習をした。ドラえもんが米国で放映されるに当たって設定が変わるとの記事は「異文化理解で使える」とのアイデアが挙がった。
 沖縄戦犠牲者の戦没地を地図化した本紙6月23日付1面の記事は、地理の教師が「地形から戦争を見る、新しい戦争の伝え方ができる」と評価した。

[出前記者] テーマに沿い記事選び 沖縄中央学園 学生ら切り抜き

 専門学校沖縄中央学園(沖縄市胡屋)で16、21の両日、沖縄タイムス出前授業の切り抜き新聞づくりがあった。保育士や幼稚園教諭を目指す学生合わせて80人余りがグループワークでコミュニケーション力を高めた。

テーマに合わせて切り抜く新聞記事を選ぶ学生=21日、沖縄市胡屋・沖縄中央学園

 1日かけた夏のスクーリングの一部。16日は福祉保育科、21日は夜間で学ぶ幼児教育科の学生が受講した。
 「勇気」「びっくり」など抽象的なテーマに沿って各自が記事を選び、グループでトップ記事を話し合いで決める。同じ記事でも「勇気」や「元気」など別のテーマに当てはめるなどとらえ方の違いも実感した。
 スクーリングを担当する非常勤講師の今秀子さんは「メールなどで言葉が簡略化されている中で、トップ記事の理由を一緒に考えることで力がつく」と切り抜き新聞づくりの効用を分析した。

[出前記者]新聞活用法探る 児童の表現力向上へ 豊見城・伊良波小

 豊見城市立伊良波小学校は18日、沖縄タイムスの具志堅学記者を招き、NIE出前講座を開いた。新聞を授業に活用する目的で教師25人を対象に見出しや記事の書き方の特徴、利用法を学んだ。

新聞の授業への活用法について学んだNIE出前講座=18日、豊見城市立伊良波小学校

 4人1組に分かれて「喜」「怒」「楽」などのテーマごとに記事を選ぶ作業に挑戦。島尻千賀子教諭らは、読み聞かせや、写真から思いを読み取るといった方法で「新聞が授業に使えるのでは」と手応えを感じた様子だった。
 平良正栄校長が前任校で児童の表現力の高まりを実感したことから校内研修として企画。児童は「5W1H」を心掛けて文章を書くようになったという。
 平良校長は、NIEを南部に広げるきっかけにしたいと意欲。具志堅記者は「新聞が、授業に気軽に使えることを知ってほしい」と話した。

[出前記者]家族自慢 文章に 真喜屋小 児童が親取材

 名護市立真喜屋小学校(伊礼正二校長)の日曜授業参観で15日、4年生が親にインタビューして文章をまとめる授業があった。「私の家族自慢」がテーマで、家族の結びつきを再確認した。

親子でインタビューした真喜屋小4年生の授業=名護市真喜屋

 沖縄タイムス新聞活用出前授業を利用した。安里努NIE事業推進室記者が伊礼校長に模擬インタビュー、メモの取り方などを伝えた。
 児童18人は参観に来た親に家族一人一人の紹介や家族全体で自慢に思うことを尋ねて付せん紙にメモを取り、次の授業で200字の作文にまとめた。
 比嘉海広(みひろ)君は母親をインタビュー。母はバレーやバスケットに励む娘や息子を挙げて「仲が良くてみんなで大会(試合)の応援に行くのが自慢」とまとめた。
 担任の山城理乃教諭は「ふだん書く作文より温かさが感じられた。保護者の家族を思う温かな気持ちが、子どもたちに伝わったようだ」と感心していた。

[出前記者]チームで新聞作り 仲井真小5年の115人

 那覇市立仲井真小学校(安里恒男校長)で12日、沖縄タイムスの新聞活用出前授業があり、5年生115人が体育館で4、5人のグループに分かれ、2時間かけて切り抜き新聞を作った。

切り抜き新聞をグループでつくった5年生=那覇市立仲井真小学校

 「びっくり」などをテーマにこの日の新聞から記事を選び、一番伝えたい記事を話し合いで決めた。発行者名を書き加えたり、オリジナルキャラクターを作るなど工夫を凝らした。
 「ハッピー新聞」と題して「うれしい」記事を選んだ金城星来(せいら)さん(10)は「事件でもスポーツでもすごいと思うことがいろいろある」と全ページをめくった感想を話した。
 新垣清教諭は「同じ日の新聞でも選ぶ記事が違うのが面白い。子どもたちにも個々の見方の違いが実感できたのではないか」と視野を広げる活動と評価した。