記事選び意見発表 NIEセミナー 伊平屋小児童が授業

 第4回おきなわNIEセミナーが18日、那覇市の琉球新報社で開かれ、伊平屋村立伊平屋小学校6年の児童18人が公開授業を行った。興味のある記事を切り抜き、グループ内で発表して順位をつけ、その記事に各自がコメントする「新聞ツイッター」の取り組みでは、国際問題や地域の話題など、幅広いジャンルの記事が取り上げられた。

気になった新聞記事について意見発表する伊平屋小学校の児童=18日、那覇市の琉球新報社

 どの記事を選んだかを発表する場面では、県内の新成人が逮捕された記事について「大人は、子どもの憧れであり、目標。大人としての責任感を持ってほしい」という意見が出た。
 公開授業に参加した野甫愛美さん(12)は「大人が多くてびっくりしたけど、取り組みを見てもらうことで自信がついた。新聞を読むことは社会に出たときに重要になってくる。自分のためにこれからも続けていきたい」と語った。

17日(金)夜、テレビ会議授業のネット報告セミナー

 沖縄県(うるま市立中原小学校)・奈良県・熊本県の小学校・高校をネットテレビ会議システムで結び、新聞記事を紹介し合った授業(昨年11月26日)について、企画した二田貴広教諭(奈良女子大学附属中等教育学校)が報告するネットセミナーが17日(金)午後8時から30分間の予定で開かれます。インターネットで閲覧します。こちらから事前登録が必要とのことです。

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 テレビ会議授業の記事はこちら

 

 

1月18日 おきなわNIEセミナー(伊平屋小公開授業)

 1月18日(土)、沖縄県NIE推進協議会主催の第4回おきなわNIEセミナーが開かれます。10月に悪天候で中止になった伊平屋村立伊平屋小学校6年生の公開授業です。

日 時:2014年1月18日(土)午後1時受付開始 
    午後1時半~2時15分公開授業
    ワークショップ (4時終了予定)
場 所:琉球新報社(那覇市天久905)2階多目的ホール
テーマ:「新聞を通して自分の考えを深めよう~新聞ツイッター活動を通して」
     伊平屋小児童の公開授業とワークショップ
講 師:佐久間 洋 氏
    (伊平屋村立伊平屋小教諭、日本新聞協会公認NIEアドバイザー)
内 容:NIE実践県指定校の伊平屋小6年生が気になる新聞記事を選んで、お互いのコメントを付せん紙で貼りながら、意見を深め合う「新聞ツイッター」の実践を公開。その後、新聞ツイッターの教師向けワークショップを行います。

申し込み:(1)公開授業(2)ワークショップ—-それぞれに参加の意思を明記して、こちらからお申し込みください。

 

各地の新聞で意見交換 沖縄・奈良・熊本 テレビ通じて授業

 沖縄と奈良と熊本をつなぎ、各地の新聞に掲載されたハッピーニュースを紹介し合う遠隔地間の交流授業が26日、うるま市立中原小学校であった。テレビ会議システムを通じて各校の子どもが選出されたニュースについて意見を交換した。

遠隔地交流授業で意見交換する児童=うるま市・中原小学校

 中原小6年の仲里怜馬君(11)は、離島フェアでハイビスカスから造ったリキュールの記事を紹介。奈良県の高校生からは「社員の笑顔が印象的で、いい会社だと思う。こんな会社ならこれからもっといい商品を開発することができると思う」という感想が出た。また「新聞は記事だけではなく、写真からも読み取れることがあることを知ってほしい」というアドバイスに児童がうなずく場面もあった。
 中原小学校のほか、熊本県立桜木東小学校、奈良女子大学附属中等教育学校の生徒と、県立総合教育センターの甲斐崇研究主事が参加。スクリーンには四つの現場が映し出された。
 中原小の島袋彩音さん(12)は「鹿の話やくまモンの話題、興味深いニュースがいっぱい聞けて面白かった。もっと他の県ともやってみたい」と話した。
 甲斐研究主事は「今後はこの3校で一緒に新聞を作る取り組みを検討している。生徒たちが楽しんでいる様子を見て、手応えを感じた」と語った。

[実践 わたしの活用術](13)自分と社会のつながり探す(小学4年・国語)

沖縄ではどうなるの? 生活との関わり気づく

自分と社会のつながり探す

コザ小学校 知念佳奈子先生

対象 小学4年生
教科 国語
指導時間 2時間

【授業の様子】
 なぜ新聞を読むのか。コザ小学校4年2組の子どもが意見発表を通して考えた。
 中国の大気汚染の記事を選び、発表したグループがあった。「PM2・5が(黄砂と一緒に)沖縄にきたら大変になるんじゃない」
 宮古島に地対艦ミサイルが配備された記事については「沖縄(本島)にも来たら、ミサイルが爆発するかもしれない」
 普段から新聞を読んでいない子、記事に書かれていることが自分に関わりがないと思っている子が大多数を占めていた。しかし、仲間の発表を通じて、自分の生活との関わりを見つけていった。
 「どんなところが自分に関係あるの」という知念佳奈子先生の問い掛けに次々と手が挙がり、にぎやかな意見交換の場に。新聞を通じて社会に触れることの大切さを感じていたようだった。

【授業の手順】
(1)目当てを確かめる
 「普段新聞を読んでいるか」「新聞に書いてあることは、自分たちに関係があるか」と問い掛け、記事を読む目的意識を高める。
(2)記事を選ぶ
 各グループに新聞2紙を1部ずつ配る。見出しから自分たちに関わりがありそうな記事を一つ選んで切り抜く。
(3)記事を読み込む
 記事を読ませる。選んだ理由と要約を書かせ、スクラップを作る。教員は各グループを回って、内容をより理解できるよう手助けをする。
(4)発表
 各グループごとに発表させる。教員は、聞いている子どもに問い掛けて発言を引き出し意見交流させる。

 

【ねらいとポイント】

コザ小学校 知念佳奈子先生

■ねらい
 積極的に新聞を使っています。子どもたちは長い文章を読めるようになり、辞書を使って語句を調べる習慣が身に付きました。意見交換もできるようになりました。
 しかし、普段から新聞を読んでいる子は少数です。もっと新聞を身近なものとして捉えてもらおうと考えて取り組みました。子どもに興味と関心を広げてもらいたいからです。
■ポイント
 「選んだ理由」「要約」「感想」の内容は、グループで話し合って決めるよう強調しました。文章を要約するときは、まず「誰が」「何をした」ということを考えさせるように呼び掛けました。

 

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

タブレットで新聞づくり 興南中で研究大会

 第19回県マルチメディア教育実践研究大会が24日、那覇市古島の興南中学校で開かれた。公開授業で同校1年1組の石川美穂教諭がタブレット型端末を活用し、動画や写真を取り込むなどの工夫を凝らした新聞作りを報告した。

タブレットを使って新聞作りに取り組む生徒ら=24日、興南中学校

 国語科で「沖縄の未来新聞を作ろう」をテーマに、これまでに「教育」「経済」「基地」「医療」など、7班に分かれ、記事を書き、見出しを付けてきた。
 公開授業では記事や見出しの良い点、改善点を全員で意見を出し合い、タブレットを使って修正した。
 「どんどん進む温暖化」の見出しで、日本の二酸化炭素削減に向けた取り組みやサンゴの白化現象からの回復を書いた「自然」班は、「記事では前向きな対策を書いているのに、見出しが合わない」と指摘を受け、「帰ってきたサンゴの色」と書き換えた。
 参加した浅野昌也君(13)は「紙に手書きすると簡単に消すことはできない。タブレットだと、より良い表現に何度でも書き換えることができる」と評価。
 山田みのりさん(12)は「写真や動画を取り入れるなど、工夫すればどんどん分かりやすい新聞を作ることができる」と話した。

記事から広がる学び 喜瀬武原小中 異学年で交流

 新聞を学校教育に活用するNIEの授業が10月31日、新聞協会指定実践校の恩納村立喜瀬武原小中学校(西野朗校長)であり、小中学生23人が切り抜き新聞をもとにした意見発表のリハーサルを行った。小学生が中学生に刺激を受け、中学生は小学生に助言することで学習を深めた。小規模校の特性を生かした異学年交流の取り組みが進んでいる。11月はNIE月間。

切り抜き新聞をもとにした発表の内容を相談する小学生と中学生=恩納村立喜瀬武原小中学校

 小中学生は、切り抜き新聞を作り3、4人のグループで記事の内容や意見などを発表する課題に取り組んでいる。関心を持った記事を集めていくうちに、台風やオスプレイ問題などをテーマに決めて集めるグループが出てきた。
 中学の新垣和哉教諭は「一つの記事から関連する記事を探すなど、教師の思惑を超えた取り組みになった」と子どもたちの意欲に感心する。
 小学生は、聞く態度や集まった記事を限られた時間で取捨選択する力を中学生に学び、中学生は小学生に指導しようと、授業に入る前から準備を重ね、学習を深めていったという。この日の授業でも、発表の仕方を助言する姿が見られた。
 小学5年の外間華佳さん(11)は「新聞の授業は苦手だったけど、中学生と一緒にやるうちに面白くなってきた。発表する中身もアドバイスしてくれて楽しい」と笑顔で話した。
 11月30日には、県NIE推進協議会(山内彰会長)が、NIE実践フォーラムを沖縄市の県立総合教育センターで開く。

【追加情報】喜瀬武原小中学校のブログで、この授業の前の取り組みが報告されています。