新聞読み方 こつ学ぶ 嘉手納高 本紙記者が出前授業

 本紙記者によるNIE出前授業が3月13日、嘉手納高校(喜屋武尚子校長)であり、1年生22人が新聞の仕組みや読み方のこつを学んだ。

新聞から気になる記事を選び、意見交換する生徒=嘉手納高校

 NIE事業推進室の安里努記者、中部編集部の屋良朝輝記者が45分間の2こまにわたって受け持った。生徒は記事から大事と思う単語を抜き出したり、感想を20文字で書いたりするワークショップを体験した。
 受験に向けた小論文への応用について、屋良記者は「記事は取材した材料の全部ではなく、大事なことに絞り込んだもの。小論文でも多い材料から削る方が書きやすいのではないか」と説明した。
 事後のアンケートでは「新聞は難しいと思っていたけど、読んでみたら興味ある記事があった」「読むだけでなく感想も書いて小論文も意識して読みたい」などの感想があった。

[実践 わたしの活用術](16)記事と生活の関係学ぶ(小学6年・社会)

憲法と暮らし 読み解く 分類して当てはめる

記事と生活の関係学ぶ

天願小学校 比嘉善也先生

対象 小学6年生
教科 社会
指導時間 1時間

【授業の様子】
 天願小学校の6年生3組の児童が1人1枚ずつ新聞記事を貼ったワークシートを持って話し合っていた。
 これまでにも各自が気になる記事を選び「環境」「経済」「地域の話題」など七つに分類してきた。この日は記事の分類名を横軸に、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3本柱を縦軸に描き、記事がどこに当てはまるかをグループで話し合った。
 グループごとに黒板に記事を張っていく。不発弾発見の記事が「環境」と「平和主義」の交点に張られるのを見て、比嘉善也先生はいったん発表をとめて教科書を開かせた。
 「確かに平和主義にかかわるけど、ふだんの生活が脅かされていることでもありますよね」。人権尊重にもまたがることを確認した。
 消費税増税の記事を選んだ児童は「税金を増やすなら国民の意見を聞いてほしい」とコメントし、記事を国民主権と人権尊重の間に張った。地域スポーツなど、児童が分類できなかった記事は「幸福追求の権利」など人権に集約した。
 比嘉先生は「記事はみんなの生活が書かれている。記事が分類できるのは、みんなの生活が憲法と結びついているから」とまとめた。

【授業の手順】
(0)前時まで
 12月と1月に宿題として気になる記事を選び、毎日の帰りの会で要約と感想を順次発表。社会科では日本国憲法の3本柱を学んだ。
(1)目当てを確認する
 「気になる記事を活用して、暮らしと憲法のつながりを考えよう」を確認。
(2)記事を分類
 8人ほどのグループに分ける。各自が選んだ記事が3本柱(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)のどれに当たるか話し合う。
(3)分類した結果を発表
 グループごとに黒板に記事を張り、分類結果を発表。児童が分けられない記事は教師がヒントを出して分ける。
(4)まとめ
 憲法と暮らしがつながっていることを確認する。

 

【ねらいとポイント】

天願小学校 比嘉善也先生

■ねらい
 ふだんから記事の選択や意見について、理由を付けて発表することを意識しています。
 社会科で学んだことを記事と結びつけることで深め、自分たちの生活と関連させて考えさせたかった。
■ポイント
 多面的に見るためにグループで話し合って分類しました。分類できない記事はみんなで考え、人権の視点からとらえる助言をしました。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

幸地さんちのNIE(100)沖縄おもしろ博物学「ヤスデのニオイ」

ヤスデの意味は「千の足」

一生懸命歩いてるんだ!

 虫の生態には不思議がいっぱい。幸地富代さん(43)、功哲君(11)親子は、ヤスデの記事に注目しました。

ゲッチョセンセの沖縄おもしろ博物学 ヤスデのニオイ

■2014年3月16日ワラビー1面
 【要約】嫌われることの多い「ヤンバルムシ」。本当の名前は「ヤスデ」です。落ち葉などを食べるおとなしい虫ですが、時々、大量発生する種類がいたり、触るとくさいにおいを出すものがいます。においを持っているのは、身を守るために体の中で毒を作っているからです。

 

功哲君▶学校の宿題の音読はこれ!「ゲッチョセンセの沖縄おもしろ博物学」。今回はヤスデだぁ!
富代さん▶虫がうごめく季節に思い出す! 昔、西表島でムカデに刺されて、歩けないくらい痛かった!!! 2カ所も刺されたのに診療所は休みで、巨大ムカデはたばこくらい太くて気持ち悪い色だったよ。
功哲君▶へえ…。ヤスデはくさいんだって。どんなにおいかな? 足が多くて触るのは嫌だけど。
富代さん▶ヤスデとムカデ、似ているよね。あの気味悪いたくさんの足! ムカデは「百足」って書くんだよ。英語だと数字の100が元になって名前が付いているみたいで、ヤスデは「千の足」を持つ虫っていう意味って聞いたことがあるよ。
功哲君▶100と1000の足かぁ。面白い。たくさんの足で一生懸命歩いているんだ!
富代さん▶実は、「○○さん家のNIE」は、今回で100回達成~。めでたい! 親子で新聞をチェックして、200、300、1000と、気になる記事をどんどん増やして会話をしていこうね!

写真を使い 実践例学ぶ 宜野座村松田小学校教師

 県立総合教育センターのNIE出前講座が13日、宜野座村立松田小学校(伊波和子校長)で開かれ、教員9人が写真を使った実践など具体例やNIEの意義を学んだ。

気になった記事を選び、紹介し合う教員ら=宜野座村立松田小学校

 同校は来年度、新聞を使った授業を展開したいと考え、担当の甲斐崇研究主事を招いた。伊波校長は「まずは写真を使うなどいろいろなアイデアが学べた。こんな人になりたいという記事を集めて夢を広げるなどキャリア教育にもつなげていきたい」と抱負を話した。
 センターの出前講座は来年度分の受け付けを開始。校内研修のほか、児童生徒への授業、研究授業の支援などに活用できる。

 教育センターのホームページはこちらから(別窓が開きます)。

上阪さんちのNIE(99)ソチパラリンピック開幕

パラリンピックに「影」?

国際的問題が選手に影響

 ソチパラリンピックが開幕。上阪きらりさん(12)は楽しみにしていましたが、父・雅英さん(45)から問題が起きていると聞き、不安げです。

ソチパラリンピック開幕

■2014年3月8日スポーツ29面
 【ソチ共同=吉谷剛】第11回冬季パラリンピック・ソチ大会は7日夜(日本時間8日未明)に、冬季五輪と同じロシア南部ソチのフィシュト五輪スタジアムで開会式が行われ、開幕した。クリミア半島の帰属をめぐりウクライナ情勢が緊迫し、障がい者のスポーツの祭典に暗い影を落とした。

 

きらりさん▶開幕だから楽しい記事かと思って読んでみたら、「暗い影を落とした」って書いてあるんだけど、どういうことなの?
雅英さん▶パラリンピックに出場できなくなる選手が出るかもしれない状況だったんだよ。スポーツの祭典では、政治や宗教を持ち込むなといわれているんだけどね。
きらりさん▶政治や宗教? 何かあったの? まさか戦争?
雅英さん▶ウクライナ国内でもめていて、死者まで出たんだよ。
きらりさん▶ソチはロシアでしょ? 関係あるの?
雅英さん▶ウクライナの内乱を収めようと、ロシア軍が軍事介入しようとしたから、ウクライナは出場をボイコットしようとしていたんだよ。昔日本も、国同士のけんかに巻き込まれ、出場しなかったんだ。金メダル確実といわれていた選手もいたけれど、悔しい思いをした。
きらりさん▶「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と戦うことを誓います」という宣言は、大切なことだって初めて気が付いたよ。

幸地さんちのNIE(98)よっ写!

「よっ写」に笑っちゃった

柔道の神髄まで学べたね

 スポーツ面に掲載されている写真企画「よっ写」。幸地功哲君(11)お気に入りのコーナーです。母・富代さん(43)と会話が弾みます。

よっ写!

■2014年3月1日スポーツ面
 待った! 俺は荷物じゃない…。柔よく剛を制す日まで精進します!(QAB旗争奪高校柔道)

 

功哲君▶あははは~。面白い!
富代さん▶また「おばぁタイムス」見て笑ってるな!
功哲君▶違うよ。これ好きなんだよね。スポーツ面の“よっ写”。ナイスショットの写真が載ってるんだ~。コメントも面白くて、笑っちゃったよ。
富代さん▶ヨッシャ、見てみよう~。へぇ~うまく写したね。“柔よく剛を制す”とは、力だけでは勝てない柔道の神髄だね!
功哲君▶「柔軟なものの方がかえって剛直なものを制する」っていう意味か。ことわざも楽しく勉強できた!
富代さん▶スポーツ面をこれからもっとチェックしよ。
功哲君▶体の大きさが全然違う相手を倒すなんて、できるのかな。
富代さん▶柔道界のレジェンド、谷亮子選手も小さい体で大きい人を倒して、ヤワラちゃんって言われてたね。
功哲君▶柔道の“柔”って、柔らかいって読むのか。
富代さん▶頭が柔らかくなって、得したね。

教育センターの出前講座(NIE)の受付が始まりました

 沖縄県立総合教育センターから講師が出かけていく「出前講座」の受付が3日始まりました。講座内容にはNIEも含まれています。校内での教員の研修や児童生徒向けの授業で活用できます。センターのホームページ(トップページの「平成26年度出前講座」)で概要を確認後、電話で日程調整の上、申し込みとなります。