[実践 わたしの活用術](16)記事と生活の関係学ぶ(小学6年・社会)

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憲法と暮らし 読み解く 分類して当てはめる

記事と生活の関係学ぶ

天願小学校 比嘉善也先生

対象 小学6年生
教科 社会
指導時間 1時間

【授業の様子】
 天願小学校の6年生3組の児童が1人1枚ずつ新聞記事を貼ったワークシートを持って話し合っていた。
 これまでにも各自が気になる記事を選び「環境」「経済」「地域の話題」など七つに分類してきた。この日は記事の分類名を横軸に、日本国憲法の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3本柱を縦軸に描き、記事がどこに当てはまるかをグループで話し合った。
 グループごとに黒板に記事を張っていく。不発弾発見の記事が「環境」と「平和主義」の交点に張られるのを見て、比嘉善也先生はいったん発表をとめて教科書を開かせた。
 「確かに平和主義にかかわるけど、ふだんの生活が脅かされていることでもありますよね」。人権尊重にもまたがることを確認した。
 消費税増税の記事を選んだ児童は「税金を増やすなら国民の意見を聞いてほしい」とコメントし、記事を国民主権と人権尊重の間に張った。地域スポーツなど、児童が分類できなかった記事は「幸福追求の権利」など人権に集約した。
 比嘉先生は「記事はみんなの生活が書かれている。記事が分類できるのは、みんなの生活が憲法と結びついているから」とまとめた。

【授業の手順】
(0)前時まで
 12月と1月に宿題として気になる記事を選び、毎日の帰りの会で要約と感想を順次発表。社会科では日本国憲法の3本柱を学んだ。
(1)目当てを確認する
 「気になる記事を活用して、暮らしと憲法のつながりを考えよう」を確認。
(2)記事を分類
 8人ほどのグループに分ける。各自が選んだ記事が3本柱(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)のどれに当たるか話し合う。
(3)分類した結果を発表
 グループごとに黒板に記事を張り、分類結果を発表。児童が分けられない記事は教師がヒントを出して分ける。
(4)まとめ
 憲法と暮らしがつながっていることを確認する。

 

【ねらいとポイント】

天願小学校 比嘉善也先生

■ねらい
 ふだんから記事の選択や意見について、理由を付けて発表することを意識しています。
 社会科で学んだことを記事と結びつけることで深め、自分たちの生活と関連させて考えさせたかった。
■ポイント
 多面的に見るためにグループで話し合って分類しました。分類できない記事はみんなで考え、人権の視点からとらえる助言をしました。

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

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