10年研修でNIE学ぶ 県中頭教育事務所が初

新聞記事を「喜怒哀楽」のテーマに分け、切り抜き新聞を作っていく教員ら=沖縄市美原・中頭教育事務所

 中頭教育事務所(狩俣智所長)は勤務10年目の教師の研修に本年度初めてNIEを取り入れた。13日の研修は日本新聞協会公認NIEアドバイザーの兼松力氏(大里中学校教諭)と佐久間洋氏(伊平屋小学校教諭)が、言語活動を活性化させるNIEの効果をワークショップを通して伝えた。
 NIEは「観光教育」「キャリア教育と食育」と並ぶ選択研修として導入。管内の公立小・中学校教師70人のうち20人がNIEを受講した。
 5分間で全ページの見出しだけを読んで興味ある記事を選ぶワークショップで始まった。兼松教諭は「情報を選ぶ、選んだ記事についてグループで話すことで力が付く」とワークショップの意義を話すと同時に、関心ある記事の隣の記事も目に入る新聞の特性を説明した。
 後半は小学、中学に分かれた。小学校では4人グループで各自が選んだ記事に順位を付けて台紙に貼ってコメントを書いた後、別のグループの作品に付箋紙でコメントをつけていく「新聞ツイッター」を佐久間教諭が紹介。「順位を付けるのも多数決にはせず、話し合いを重視する。続けることで付箋に書くコメントの量が増えていっている」と事例を話した。
 受講した宮里恵教諭(山内小)は「見出しだけで内容が分かるということを知った。NIEは難しいと考えていたが、写真を使うのはいい方法だと思った」と話した。

上阪さんちのNIE(77)国の借金1千兆円突破

国の借金 千兆円突破!

景気回復のためなの?

 国の借金が初めて、1千兆円を超えました。上阪雅英さん(45)、きらりさん(12)親子は、今後の景気の行方とともに、この問題を気に掛けています。

国の借金1千兆円突破

■2013年8月10日経済8面
 財務省は9日、国債と借入金、政府短期証券を合計した国(政府)の借金残高が、ことし6月末時点で1008兆6281億円となったと発表した。3月末時点と比べ17兆270億円増え、初めて1千兆円の大台を突破した。総務省が推計した7月1日現在の日本の総人口1億2735万人で割ると、1人当たり約792万円になる。

 

 

雅英さん▶1千兆円突破したってよ!
きらりさん▶え? 何が?
雅英さん▶国が国民や銀行から借りているお金だよ。
きらりさん▶借金がそんなにあるの? じゃあ、早く返さなきゃ。
雅英さん▶景気を良くするためにお金をばらまき、借金が増えたみたいだけど、消費税を上げたりして返していくんじゃないかな?
きらりさん▶ちょっと待って、借金が増えて景気が良くなるって、意味が分からない。
雅英さん▶そうだね。意味が分からないから、アベノミクスが本当に景気を良くしているのか、今後様子を見ないと分からないんだよ。とにかく、無駄遣いだけはしてほしくないね。
きらりさん▶あれ? そういえば、こないだ貸していた千円返してくれたっけ?
雅英さん▶わが家の景気が回復したらね…。

自分色に記事スクラップ 東風平の児童 新聞学ぶ

 八重瀬町東風平の4子供会主催の新聞スクラップ教室が14日、東風平小学校地域交流ホールであり、小学生約40人が記事スクラップ作りに初挑戦し、地元の自然や文化、社会への関心を深めた。沖縄タイムス八重瀬販売店会の店主らが指導した。

真剣な表情でスクラップ作りに取り組む参加者=八重瀬町・東風平小学校地域交流ホール

 子どもたちはスポーツ面や、こども新聞「ワラビー」の記事、写真を中心に切り抜き、ワークシートにコメントを書き込んだ。
 見出しに色を付けるなど、それぞれがこだわった作品の完成を喜んだ。
 東風平小5年の久高琉愛(りゅうま)君は親子マネー教室の記事を選んだ。「今までは100円持っていたらすぐに全部使っていた。買う前に必要かどうか考えたい」と真剣な表情。
 組踊「銘苅子」の解説記事をスクラップした同小6年の屋富祖伶子さんは「役者の思いが舞台に込められているし、表情にひきつけられる。私も演じてみたい」と笑顔で話した。

めくって発見・納得 豊見城でスクラップ教室

 沖縄タイムス豊見城市販売店会が主催する新聞スクラップ教室が11日、豊見城市中央公民館で開かれ、100人の親子が新聞の仕組みを学びながら作品を完成させた。

話し合いながら記事を選んでゆく参加者たち=豊見城市中央公民館

 販売店主が手作りのボードを使い、見出しやリード文などの紙面構成や用語を説明。参加者は、それを聞きながら、手元の用紙に答えを書き込む形で学んだ。
 ワラビーで掲載された、乾燥した砂漠でサボテンが育つ理由を解説した記事を切り抜いた浦崎葵君(上田小5年)は「少しの水でも生きられる仕組みが分かった。中身がどうなっているか、もっと知りたいと思った」。母親の明子さんは「新聞を読むことで、考えたことを自分の言葉で表現する練習になる」と効果を期待した。
 ゆいレールが10周年を迎えた記事を選んだ山内琉矢君(豊崎小3年)は「ゆいレールがぼくと同じ8月生まれで、2歳年上ということが分かった。まだ3回しか乗ったことがないので大人になっていっぱい乗りたい」と話していた。

夏の思い出 新聞で 沖縄・北谷販売店スクラップ教室

 沖縄タイムスの沖縄市・北谷町販売店会が主催する新聞スクラップ教室が10日、沖縄市民会館中ホールで開かれた。約120人の親子が、好きな記事や写真を切り抜いてコメントを書き込み、夏の出来事を自分の作品にした。

親子で話し合いながら新聞から好きな記事を切り抜いていく参加者たち=沖縄市民会館中ホール

 台紙に好きな記事を貼り、記事の主役、日付などの情報や選んだ理由を書き込んだりした。
 小惑星の命名権が、発見した神奈川県の女子中学生3人に与えられた記事を切り抜いた喜納乙羽(おとは)さん(諸見小4年)は「星や星座が好きなので、3人がうらやましい。私も星を見つけて名前をつけたい」と話した。
 4日付のワラビー「食育ふるさとレシピ」の料理図解を選んだ下地姫凜(きさり)さん(北美小4年)は「見た目がきれいなので食べたくなる。絵や写真で説明されているので子どもでも作れそう」と感想を述べた。
 作業の前に、沖縄タイムスNIE事業推進室の安里努事務局長が新聞の読み方を講話。「読み取る、自分の考えを持つ、ほかの人に伝える、という流れで力を養える」と解説した。

幸地さんちのNIE(76)ネット依存 中高生52万人

ネット依存の子 52万人も

使い方注意 きまり作ろう

 インターネット依存の中高生が約52万人に上るという調査結果が出ました。幸地功哲君(10)、富代さん(43)親子は、驚きを隠せません。

ネット依存 中高生52万人

■2013年8月2日総合1面
 全国の中高生10万人近くが回答したインターネット使用実態に関する厚生労働省研究班の調査で、「病的な使用」と判定され、ネット依存が強く疑われる生徒が8.1%に上った。研究班は調査結果と中学、高校の全生徒数を基に、ネット依存の生徒を約51万8千人と推計している。

 

富代さん▶これは恐ろしい!
功哲君▶何の話?
富代さん▶ネット依存の子どもの人数が出てるんだよ。
功哲君▶先生から携帯電話やスマホを持っている子は、使い方が悪いとよくないことがあるって聞いたよ。家庭できまりを作りなさいって。
富代さん▶小学生も持っている子がいるからね。夜眠れないとか、生活で困ることが起きている中高生が52万人って、怖い。ネット依存までいかなくても、ほとんど使っているでしょ? 将来この状態が悪くなったら…不安だ。
功哲君▶男の子より、女子の割合が高いって書いてたよね。
富代さん▶食事も後回しで友達に急いでメールをしないといけなかったり、男の子より女の子は友達との関係を優先しているのかもね。
功哲君▶よかった、男で。携帯も自分で買えっていう親だしね。お小遣いもないのに。
富代さん▶君は昼も食べず、帰らずで…。何に依存してる?
功哲君▶うーん、遊び依存かな。

地元・全国紙 どう違う? 中高教師18人 読み比べ

 新聞を使った授業作りの実践講座が8日、沖縄市与儀の県立総合教育センターであった。中学、高校の社会科教師18人が米軍ヘリコプター墜落事故を報じる地元紙と全国紙を読み比べるワークショップなどに挑んだ。

地元紙と全国紙を読み比べ意見を発表する教師ら=8日、沖縄市の県立総合教育センター

 夏期短期研修の一環。NIE公認アドバイザーで同センターの甲斐崇研究主事が講師を務めた。
 教師らは宜野座村での米軍ヘリ墜落事故を報じた6日付の本紙などの地元紙と全国紙をグループごとに読み比べ発表した。
 「地元紙の方が見出しも大きくて記事の量も多い」「1面に載せていない全国紙がある」「(一部の全国紙には)『住宅地から2キロ』という記述が見当たらなくて、危険性が伝わらない」「扱いの量でも内容でも認識の差を感じた」と互いの評価を交換。
 甲斐主事は「まずは写真、漫画、見出しなどを使って慣れ親しむことから初めて」と助言。見出しをチェックして、気になった記事を選び紹介し合う実践や、朝の10~15分で読み聞かせるNIEタイムなど、新聞を気軽に活用できるメニューを紹介した。
 球陽高の金城篤教諭は「新聞を使えば、物事を主体的に考えたり、批判的に見ることができるようになると思った。センター試験でも表とグラフを読み取る問題が出るので、それにも役立つと思った」と手応えを感じていた。