[出前記者] 戦争体験者の気持ち思う 本紙記者が講話 嘉手納小で平和授業

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 嘉手納町立嘉手納小学校(新垣聡子校長)の6年生117人は30日、本紙記者を招いて平和授業をした。戦争体験を聞き書きした本紙連載「語れども語れども」を事前に読み、記事を書いた沖縄タイムス中部支社編集部の石底辰野記者(32)の講話を聞いた後、印象に残った場面などを発表した。

記事を読んで印象に残ったことなどを発表する6年生=30日、嘉手納町立嘉手納小学校

 石底記者は取材相手が言葉に詰まったり、絞り出すような声で語ったりする様子を話しながら「戦争体験者の話を聞けるのはみなさんが最後の世代かもしれない。話を聞いて戦争の悲惨さを語り継いでほしい」と訴えた。
 6年生は連載記事2本を事前に読み(1)家族に伝えたい場面(2)そう思った理由(3)記者になったつもりで記事の登場人物に質問したいこと-を考えた。
 重傷の日本兵が「お母さん、助けて」とつぶやいた場面を挙げた吉田達郎君は「読んで泣きそうになった。お母さんを愛していたんだなと思ったから」と発表。杉浦百香さんは「戦争が終わったときにどう思ったのか聞きたいと思った」と体験者の気持ちを想像した。

【追加情報・授業について】
 授業の3週間前に講話で取り上げる人物の記事を配布して、ワークシートに答えながら読むようにしました。ワークシートの設問は(1)記事を読んで家族に伝えたいと思ったところに線を引く(2)なぜそう思ったか文章で書く(3)自分が新聞記者になったつもりで記事に出てくる人への質問を考える--の3点。授業は日曜参観として行われるため、家族と結びつけた設問にし、講話と児童の発表を授業時間の半分ずつとしました。最後は出前授業の礼として全員で「月桃」を歌っていただきました。 

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