[実践 わたしの活用術](20)宣言の条文 関連記事探す(中学3年・社会科・公民)

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世界の人権 目を向ける 絵本・動画 関心高める

宣言の条文 関連記事探す

糸満中学校 内山直美先生

対象 中学3年生
教科 社会科(公民)
指導時間 1時間

【授業の様子】
 糸満市立糸満中学校の3年生は社会科(公民)の単元「人間の尊重と日本国憲法」の後半で、世界人権宣言の条文と関連がある新聞記事を探す授業を受けた。日本国憲法を学んだ後、世界人権宣言を手掛かりに国外の人権状況に目を向けるという趣旨だ。
 内山直美先生が宣言の条文として配ったのは、絵本になっている谷川俊太郎さんの文。「第6条 みんな人権を持っている」など、平易な言葉で書かれている。人権と関係する海外の記事を選び、ワークシートに貼り付けていく。設問は記事の要約と関連する条文を書き込む形式だ。
 内山先生はグループを回り、記事の内容を読み下したりして手助けした。過激派「イスラム国」が殺害映像を公開した記事を「安心して暮らす権利」「拷問の禁止」などの条文と関連づけたほか、「こんなことが起こるなんて法律はどうなっているんだろう」という意見もあった。
 投開票が近づいていたスコットランド独立の住民投票については、「政治に参加する権利」と捉えることができていた。

【授業の手順】
■準備
 新聞を1人1部、ワークシート、世界人権宣言成立過程を紹介する動画、条文を書いた紙。
(1)動画を視聴(導入)
 人権宣言ができるまでをまとめた動画を視聴。「かわいそう」「わくわくする」「悲しい」など15の例から感想を選ばせ、ペアで話し合う。
(2)記事を選ぶ
 4人グループになる。新聞の海外記事から人権に関係するものを選び、切り抜く。
(3)ワークシートを記入
 記事の要約、選んだ理由、感想と、関係する条文を書く。
■次の時間
 ワークシートを基に、グループ内で記事を紹介し合う。30ある条文の中から15条に絞り、大切だと考える上位10位を話し合い、発表する。

【ねらいとポイント】

糸満中学校 内山直美先生

■ねらい
 アンケートを取ると、憲法の学習が好きと答えたのは4割ですが、将来役に立つと答えた生徒は8割に上ります。用語が難しいなどが好きでない理由で、興味や関心を高めて苦手意識を取り除こうと、世界人権宣言の学習では新聞記事の活用を考えました。
■ポイント
 同じ日の新聞だと海外の記事が限られているので4日分を用意しました。宣言の条文は、理解しやすいように谷川俊太郎さんの本(金の星社)の文を使いました。

 

「実践わたしの活用術」は毎月最終水曜日の「月刊NIE」のページで連載します。

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