幸地さんちのNIE(74)慶良間を国立公園に

慶良間の海もっと人気に

自然が壊されないか心配

 慶良間諸島が2013年度中に国立公園に指定される見通しです。幸地功哲君(10)と母親の富代さん(43)は、たくさんの人が訪れても、美しい自然を守るためにはどうしたらいいか考えました。

慶良間を国立公園に

■2013年7月3日総合1面
 石原伸晃環境相は2日、多様なサンゴの生息やザトウクジラの繁殖海域として知られる慶良間諸島の沿岸海域を、2013年度中に国立公園として新規に指定する方針を明らかにした。県内では「西表石垣国立公園」に次いで2カ所目となる。

 

 

功哲君▶すごいキレイな海だね。
富代さん▶慶良間諸島だよ。覚えてる?
功哲君▶ホエールウオッチングした海かぁ。
富代さん▶自然が豊かで、たくさんのサンゴや生き物が生きられるんだね! でも、温暖化でオニヒトデが増えて駆除しているんだよ。
功哲君▶オニヒトデって増えたらよくないの?
富代さん▶サンゴを食べちゃう。国立公園になれば、サンゴを守る活動がしやすくなると期待されてる。
功哲君▶いいことばかりだね。
富代さん▶世界遺産になった富士山も注目されてるね。でも、人がたくさん登るようになると、いいことばかり起こると思う?
功哲君▶自然が壊されたり、ごみが増えるかもしれないな~。
富代さん▶たくさんの人に来てほしいけど、自然は守りたいし…。
功哲君▶ごみを拾ってきたら記念品がもらえるとか、どう?
富代さん▶ごみを拾って、みんなケーラー…(帰ろう)マ。

新聞記事で発言増 うつ病から復帰へ研修

 うつ病で休職した人が職場復帰を目指す施設「BowL(ボウル)」で18日、新聞記事を使ったグループワークがあった。9人の研修生が同じ日の紙面から各自が選んだ記事を紹介し、活発に意見を交換した。

新聞記事を切り抜いて、コメントや発想したことを書き込む研修生=浦添市伊祖・BowL

 代表取締役の荷川取佳樹さん(46)は「閉じこもってしまううつ病の人に一番いいのは思いを吐き出すこと。新聞記事を基に話すと普段より発言が増えて、効果が高いと感じた」と手応えを感じていた。
 記事を紹介し合うグループワークは、研修生がそれぞれの経験を話しながら和気あいあいと進み、視点の違いなどを楽しんだ。
 30代の女性は「新聞は自己完結型のメディアだと思っていたが、ほかの人と読むことで考えていることが共有できて面白かった」と感想を話した。沖縄タイムスNIE事業推進室の安里努事務局長が新聞の仕組みや製作過程を説明。見出しを読むだけで大意が分かることなどを伝えた。

【追加情報】

BowLの情報はこちらのページで。

 

[出前記者]記事選び 言葉力磨く 今帰仁・兼次小5年生

 今帰仁村立兼次小学校(上間賢治校長)で16日、本紙記者を招いた出前授業が開かれた。5年生24人が記事から大事な単語を選び出したり、気になった記事にタイトルを付けて紹介し合ったりして言葉の力を磨いた。

新聞から気になった記事を切り抜く5年生=今帰仁村立兼次小学校

 沖縄タイムスNIE事業推進室の安里努事務局長が講師を務めた。見出しを隠した記事からキーワードを探すワークショップでは「見出しを付ける人はいくつもの単語を比べて大事なこと、伝えたいことを三つくらいに絞って見出しにしている」と紹介した。
 上間来夢さんは「大事な単語を選んだものが見出しになるとか、記事にない言葉でも言い換えて見出しになることが分かった」と感想を話した。
 高校野球の記事に「劇的と思った記事」とタイトルを付けた尾花翔也君。「最近の野球はホームランで点が入ったりするけど、この試合は打線がつながって逆転する、野球らしい野球だったので選んだ」とファンらしいコメントを書いた。

[出前記者] 新聞から憲法学ぶ 沖女短大生 人権に焦点

 新聞から日本国憲法に関係する記事を選び出して意見交換する講義が12日、市長田の沖縄女子短期大学であった。児童教育科2年の約100人が憲法の条文と照らし合わせながら記事を選び、グループで意見交換。いじめや体罰、婚外子の相続、原子力発電所再稼働などの記事を人権の視点から読み込んだ。

新聞から憲法にかかわる記事を探し、条文と照らし合わせる学生=那覇市長田・沖縄女子短期大学

 沖縄タイムスNIE事業推進室の具志堅学記者が講師を務めた。学生らは選んだ記事に関係する条文や読んだ感想を書き込んだワークシートを交換して、付箋紙にコメントを書く形で意見を交わした。
 結婚していない男女の間の子(婚外子)の遺産相続分が、結婚している男女の子(嫡出子)の半分とされている民法の規定をめぐる記事について、「法の下の平等(14条)、財産権の保障(29条)に反する。子どもであることに変わりないので相続は同じであるべきだ」という意見に対して「法的には半分でも仕方がないのではないか」というコメントが付けられるなど、意見の違いを確認した。
 米軍基地内の労働組合の50周年式典の記事から「権利は与えられたものではなく、交渉や闘争で制度化されたと初めて知った」という意見もあった。
 具志堅記者は「記事は人々の生活を書いたもの。生活の中に憲法があることを知ってほしい」と結んだ。
 普段から新聞記事を講義で使ってきた憲法の講義を担当する非常勤講師の山内彰氏(県NIE推進協会長)は「新聞は生きた教材で、堅くなりがちな憲法の講義が生き生きと楽しくできた」と講義の手応えを話した。

好きな記事 切り貼り 比屋根小でスクラップ授業

 沖縄市立比屋根小学校(吉本勝校長)で11日、新聞スクラップの授業があった。3年生105人が新聞から気になった記事や写真を切り抜いて台紙に貼り、紹介し合った。

紙面をめくって切り抜く記事を探す3年生=沖縄市立比屋根小学校

 宮城圭矢君は、大好きなディズニー映画のデザイナーが沖縄国際大で講演したという記事を選んだ。「子どものころペンでカーテンや壁に落書きしても、お母さんは怒らず応援してくれたという話がおもしろかった。お母さんは偉いと思った」と感想を述べた。
 宮里彰吾君は早々と完成させると、別に数種類の記事を切り抜き、紙面の日付を付箋に書いて張り付けた。
 「スクラップしたい記事がいっぱいあった。いろいろな記事に出合えたのがよかった」と授業の感想を話した。
 沖縄タイムス読者局員が授業の冒頭、夏休み明けに募集する新聞スクラップコンテストの内容や、切り取った記事に日付を書いておくことなど作業のこつを説明した。

気になる記事色分け うるま・中原小の保護者

 NIE実践指定校のうるま市立中原小学校(安里禮子校長)で9日、保護者を対象にしたNIE講座が開かれ、14人が色ペンを使った新聞活用法を学んだ。

新聞から気になる記事を探す中原小学校の保護者=うるま市宮里の同校

 グループに分かれたワークショップでは、家族になった想定で色分けしたペンで気になった記事を囲んで意見交換した。沖縄タイムスNIE事業推進室の安里努事務局長は「色ペンで囲んでおけば、朝話す時間がなくても帰ってきて新聞を見ると家族それぞれが興味を持った記事が分かる」と紹介した。
 県立総合教育センターの甲斐崇研究主事は、記事について親子で意見交換するファミリーフォーカスのやり方をワークシートを示しながら説明。「新聞を読むことは読解力を養うだけでなく、社会や他者に目を向けることにつながる」と家庭での新聞活用を勧めた。